フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1049.王女様とフィリスが比較対象になるの?性別も職業も身分も違うよね?なんで、比較しようと思った?

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「そもそも。なんで、王女様とフィリスが、比較対象になる?」
とタマキ。

ボクも、タマキにまるっと同意。

「性別が、逆。
王女様と近衛って、身分も職業も似ているところがないのに。
なんで、比較しようと思った?」
とタマキ。

「コーハ王国の貴族は、どの家も初代まで遡れるから、人気なんだよ。」
とレイモンド。

「結婚相手として?」
とタマキ。

「それ以外でも。
新興国の王家なら、コーハ王国の貴族の家の方が、歴史あったり。」
とロウウェル。

「コーハ王国の貴族に成り上がりは、いない。
コーハ王国の貴族は、代々由緒正しい貴族。」
とダンシェル。

「つまり、コーハ王国の貴族は血統が良いから、仕事で外国に行ったら、結婚を迫られたりする?」
とタマキ。

「男も女も、外国との仕事にハニートラップはつきもの。」
とロウウェル。

「なんちゅー。」
とタマキ。

「特に、近衛は、狙われる。」
とダンシェル。

「なんで?」
とタマキ。

「コーハ王国の近衛は、貴族だけだから。」
とレイモンド。

「護衛がついている文官よりも、ハニートラップを仕掛けられる回数自体は多い。
文官相手よりも、即物的なお誘いが多いので、仕掛けられても分かりやすい。」
とダンシェル。

「そんなに、ハニートラップあるんだ。引っかからないの?」

「仕事中だから。
息抜きするにしても、わざわざハニートラップは、利用しない。」
とレイモンド。

「帰国して、休日に心置きなく楽しむ。」
とロウウェル。

「俺は、フィリスと過ごす時間がほしい。」
とダンシェル。

「待っていて。次は、ダンシェルとボクの二人で、お家デートするの。」

「フィリスとダンシェルは、どさくさに紛れて、何の話しているんだよ?

お家デートってことは、その日、オレは、コワニと外出だな。

日が決まったら、言えよ。ばったり、なんてしたくないから。」
とタマキ。

「気が利くなあ。」
とロウウェル。

「同じ屋根の下で、ラブラブしているカップルがいると、気を使うだろ。」
とタマキ。

ロウウェルは、はは、と笑った。

「話を戻すと。」
とレイモンド。

「うん、よろしく。」
とタマキ。

「狙われ放題の近衛に、フィリスを投入すると、効果抜群。」
とレイモンド。

「フィリスが、彼女とか、姫のポジションに入ることで、お誘いを断りやすくなる。」
とダンシェル。

「それが、ラウルのフィリスがいるから、に、なるんだ。」
とタマキ。

「女の人じゃなく、フィリスなのは?」
とタマキ。

「女性は、男と女の両方から狙われる上に、男女で部屋が別れると、女性自身の安全確保に不安が残る。」
とダンシェル。

「フィリスは、近衛で男だから、近衛の男といても問題ない。」
とロウウェル。

「女性は、社交だ、ダンスだ、エスコートだと、男から誘われて、危険が増える。
フィリスはどう見ても男だ。
男がわざわざ、男のフィリスを二人っきりになるように誘い出すか?
ないな。」
とダンシェル。

「フィリスが一人いるだけで、近衛の仕事がとても安全。」
とレイモンド。

「凄く、考えられていた。」
と感動して拍手するタマキ。

「そんなつもりはなかったけれど、そうなっていたの。」

ひょんなことから、外国の王女様や、ご令嬢方から、ボクが目の敵にされていた理由をボクは、知ることができたの。

働きやすい環境を作れているなら、良かったかしら。
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