フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1046.ボクには、姫エピソードなんて、ございません。『もっと出せって。』『足りないんだな?』『OK、アンコール分まで、ある。』

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「ボクに、姫エピソードなんてものは、存在しないの。」

「エピソードというか、日常が、姫の日常だから。」
とダンシェル。

「そんなことないもの。」

「俺達の姫ライフを検証していくか。」
とロウウェル。

「まず、俺から。」
とレイモンド。

「はい、レイモンド。」
とロウウェル。

「フィリスは、自分の出番がない時、他の隊員の練習に付き合っている。」
とレイモンド。

「ボク、上司で、先輩だもの。」

歌も踊りも、ボクが、圧倒的に秀でているから、指導の時間は多めに確保しているの。

1日の中に、総司令としての役割の時間もあるの。

ボク自身の練習も毎日欠かさないの。

体作りも大事。

怪我しないことも大事。

感性を磨くのも大事。

仲間の技量の引き上げも大事。

仲間のやる気維持も大事。

ボク、偉い人だもの。

近衛別働隊の隊員が、快適に、お仕事できる状況を整えるのが、ボクのお仕事。

「フィリスは、アドバイスもくれるし、体を動かすのを手伝ってもくれる。」
とレイモンド。

「ボクの方が知っていることや、出来ることが多いもの。後輩の指導は、当然、ボクのお仕事なの。」

「指導が終わったら、頑張りを褒めて、タオルと飲み物を渡してくれる。
その後、軽いマッサージをしてくれる。
その日、指導した隊員に。」

「フィリスが?」
とタマキ。

勿論なの。

「おう。優しい励ましをかけながら、1人ずつマッサージ。
短い時間だけどな。」
とロウウェル。

「アドバイスは、トレーナー?
タオルや飲み物を渡すのは、マネージャー?
マッサージするときに優しい励ましって、何役?」
とタマキ。

「優しい励ましって、例えば?」
とタマキ。

「始まりと比べて、足の角度が綺麗にキマっていた、とか、
情感がリズムにハマっていた、とかの褒める。

腰の位置を安定させるために、明日は、どうするか、などの助言。

足首とか、疲れている箇所を指摘して、ケアの仕方を話しながら手助け。

最後に。
『頑張って、今日も偉かったの。
明日も待っているから、体の調子を整えておくの。』
と、隊員をよしよしして、終了。」
とレイモンド。

「スポーツ系彼氏の彼女じゃん?しかも、尽くす系の。」
とタマキ。

「タマキ。彼女は、違うの。」

「それは、隊員全員にやるんだ?」
とタマキ。

「勿論なの。ボクのところの隊員だもの。」

「もう、それは、皆の彼女だって。皆の彼女は、つまり姫じゃん。」
とタマキ。
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