フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1038.異世界転移者タマキは、孝行息子になるのかしら?

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タマキが部屋に戻ってきたの。

魅了についてのレポートを手に。

タマキの全身からやる気がみなぎっているの。

タマキが音読するのを、2匹のコワニと、ボク、ダンシェル、ロウウェル、レイモンドで聞いたの。

コワニは、タマキ、良くやった、と尻尾を振っているの。

「タマキのレポートは、よく分かるレポートなの。タマキ、ガランの王都邸に連れていくから、デヒルお兄様、ハーマルお兄様、マーゴットにも報告するの。」

ボクがにこにこしていると、タマキがレポートから顔を上げたの。

「オレ、フィリスのことを何にも知らない。」
とタマキ。

「そうだったかしら?」

「この世界のことは教えてもらったけれど、オレはフィリスについては何も知らない。
オレは、フィリスのもので、一蓮托生なんだから、フィリスについて、何にも知らないままで、生きて、死にたくない。
オレは、フィリスについて、全部知りたい。」
とタマキ。

ボク、思い返してみると。

初対面のときに、自己紹介した以上の内容をタマキに教えていなかったの。

「タマキ、ボク、タマキに寂しい思いをさせたの。」

ボクは、タマキをぎゅっと抱きしめた。

タマキより、ボクの方が大きいから、ボクが抱きつく形にならないの。

ボクの男っぷりがあがったかしら?

ふふん?

ん?

タマキ?

「そっちの話が、終わったら、フィリスについて、全部聞くから。
フィリスの仕事のことも、家族のことも、フィリス自身のことも。
友達と恋人のことも。」
とタマキ。

タマキ、どうしたのかしら?
話をしていなかったから、不安にさせてしまったのかしら。

「タマキ、ボク、結婚しないの。
ずっと、このお家に帰ってくるの。
タマキはこのお家に住んでいていいの。」

「それは、嬉しい。
でも、今じゃない。」
とタマキ。

「違うのかしら?」

「オレは、フィリスと死ぬまで一緒!フィリスが困る前に、困らないようにすることだって、オレには、出来るんだから。」
とタマキ。

「タマキ。ボク、親孝行な息子が出来たのかしら?」

ボク、感動しているの。

「フィリスが、父親?それは、なんか、違う。しっくりこない。」
とタマキ。
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