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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
1033.異世界転移してきた男子高校生タマキの胸中は。『フィリスがオレに話したフィリス自身の話って、どんな話だったかな?』
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オレは、フィリスのことをよく知らない。
どこまで、誰に聞いていいのか、分からなかったから、オレは、あえて聞かなかった。
魔法がある異世界に来たけれど、最初から魔法とは無縁な生活だったから、これからもそうなるんだと思っていた。
フィリスは、最初から、嘘や誤魔化しはしなかった。
初対面でも、信用できた。
オレが、初めて会った誠実で親切な人間は、フィリスだと思う。
日本では、人間関係に疲れて、全部ぐちゃぐちゃに壊した。
そうしたら。
オレが壊したところから、もっと鬱陶しいやつらが乗り込んできた。
どいつもこいつも、オレを利用することしか考えていない。
何もかも嫌になって。
この世界に来たときは、異世界を思い通りに楽しんでやる、と思っていた。
でも。
オレが来た異世界は、異世界転移者が珍しくない上に、先人達が、わりとやらかした後だった。
フィリスは、異世界転移者のオレが、常識を履き違えて間違いをしでかさないように、と自分の家人に、オレを教育をさせた。
病気をばらまいたり。
宗教国家に喧嘩売ったり。
身分の平等のために、王侯貴族をなくす政治運動をしたり。
この世界の住人を人として扱わなかったり。
この世界の救世主になろうとしたり。
この世界にそぐわない考え方を広めたり。
そういうことをしてきた異世界転移者は、軒並み処分されてきた。
異世界転移者は、見つけ次第処分しろ、とならなかったのは、異世界転移者の全部が問題を起こすとは限らないことを、この世界の人は知っているから。
この世界の人は、異世界転移者が、この世界を壊さずに生きていく方法を考えた。
貴族のフィリスが、転移者のオレの面倒を見て、責任をとる。
異世界転移者の責任の所在が明確ならば、この世界の人は安心して生活できる。
異世界転移者は、何の予告もなくやってくるから。
来たくて来たわけじゃない異世界転移者と、呼んでいないのに押し付けられたこの世界の人が、軋轢を減らして付き合っていく方法を、この世界の人は編み出した。
だから。
この世界において。
異世界転移者が、魔法や現代知識で無双したり、ハーレム築いたり、なんていうのは、夢のまた夢。
『厨二病だね、はいはい。異世界転移者って、何歳になっても、一度は罹患するらしいよ。』
チートで無双を考えた異世界転移者は、少なくなかったけれど、実現した異世界転移者はいなかった、と聞いた。
異世界転移者は、自分以外に、異世界転移者がいたことを考えないことが多い。
過去に異世界転移してきた者の行動パターンから、異世界転移者か?と推測されてしまう。
危険と判断されて、すぐに処分されたり、有用性を認められて酷使されたりすることもあると、オレは、フィリスのお家で過ごしながら学んだ。
異世界転移者の情報は、気にしていれば、それなりに収集できるものらしい。
オレは、オレ以外の異世界転移者の結末までは知らない。
それでも、察せられる部分はある。
異世界転移者の人生は、最初の出会いによるんだな、と実感している。
オレは、恵まれている、とフィリスに感謝している。
でも、まさか、フィリスが、無自覚で、
『俺、なんか、やっちゃいましたか?』
の人だったとは。
えー。
なんでだよ?
とは、思ったけど。
よく、考えてみたら。
オレ、フィリス自身のことをよく知らない。
今までは、聞いていいのか分からなかったから、聞いていなかった。
フィリスは、オレを『ボクのもの』扱いしているんだから、オレがフィリスに、フィリスのことを知りたいと言うのは、おかしくないと思う。
『フィリスのもの』のオレが、フィリスについて、知らない?
嫌だ。
オレは、知りたい。
魅了について、まとめたら、フィリスを質問攻めにしよう。
どこまで、誰に聞いていいのか、分からなかったから、オレは、あえて聞かなかった。
魔法がある異世界に来たけれど、最初から魔法とは無縁な生活だったから、これからもそうなるんだと思っていた。
フィリスは、最初から、嘘や誤魔化しはしなかった。
初対面でも、信用できた。
オレが、初めて会った誠実で親切な人間は、フィリスだと思う。
日本では、人間関係に疲れて、全部ぐちゃぐちゃに壊した。
そうしたら。
オレが壊したところから、もっと鬱陶しいやつらが乗り込んできた。
どいつもこいつも、オレを利用することしか考えていない。
何もかも嫌になって。
この世界に来たときは、異世界を思い通りに楽しんでやる、と思っていた。
でも。
オレが来た異世界は、異世界転移者が珍しくない上に、先人達が、わりとやらかした後だった。
フィリスは、異世界転移者のオレが、常識を履き違えて間違いをしでかさないように、と自分の家人に、オレを教育をさせた。
病気をばらまいたり。
宗教国家に喧嘩売ったり。
身分の平等のために、王侯貴族をなくす政治運動をしたり。
この世界の住人を人として扱わなかったり。
この世界の救世主になろうとしたり。
この世界にそぐわない考え方を広めたり。
そういうことをしてきた異世界転移者は、軒並み処分されてきた。
異世界転移者は、見つけ次第処分しろ、とならなかったのは、異世界転移者の全部が問題を起こすとは限らないことを、この世界の人は知っているから。
この世界の人は、異世界転移者が、この世界を壊さずに生きていく方法を考えた。
貴族のフィリスが、転移者のオレの面倒を見て、責任をとる。
異世界転移者の責任の所在が明確ならば、この世界の人は安心して生活できる。
異世界転移者は、何の予告もなくやってくるから。
来たくて来たわけじゃない異世界転移者と、呼んでいないのに押し付けられたこの世界の人が、軋轢を減らして付き合っていく方法を、この世界の人は編み出した。
だから。
この世界において。
異世界転移者が、魔法や現代知識で無双したり、ハーレム築いたり、なんていうのは、夢のまた夢。
『厨二病だね、はいはい。異世界転移者って、何歳になっても、一度は罹患するらしいよ。』
チートで無双を考えた異世界転移者は、少なくなかったけれど、実現した異世界転移者はいなかった、と聞いた。
異世界転移者は、自分以外に、異世界転移者がいたことを考えないことが多い。
過去に異世界転移してきた者の行動パターンから、異世界転移者か?と推測されてしまう。
危険と判断されて、すぐに処分されたり、有用性を認められて酷使されたりすることもあると、オレは、フィリスのお家で過ごしながら学んだ。
異世界転移者の情報は、気にしていれば、それなりに収集できるものらしい。
オレは、オレ以外の異世界転移者の結末までは知らない。
それでも、察せられる部分はある。
異世界転移者の人生は、最初の出会いによるんだな、と実感している。
オレは、恵まれている、とフィリスに感謝している。
でも、まさか、フィリスが、無自覚で、
『俺、なんか、やっちゃいましたか?』
の人だったとは。
えー。
なんでだよ?
とは、思ったけど。
よく、考えてみたら。
オレ、フィリス自身のことをよく知らない。
今までは、聞いていいのか分からなかったから、聞いていなかった。
フィリスは、オレを『ボクのもの』扱いしているんだから、オレがフィリスに、フィリスのことを知りたいと言うのは、おかしくないと思う。
『フィリスのもの』のオレが、フィリスについて、知らない?
嫌だ。
オレは、知りたい。
魅了について、まとめたら、フィリスを質問攻めにしよう。
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