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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1010.『ラウルの人生をボクにくれるかしら。』『もう差し出している。受け取れ、フィリス。』

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ラウルが来たの。

「覚悟は決めてきたか?」
とデヒルお兄様。

「デヒルお兄様、お待ちくださいませ。ラウルにも時間を。」
ボクは、ラウルがお返事する前に、声を出したの。

「ラウルは、フィリスのために貰い受けている。ラウルの姉から。」
とデヒルお兄様。

「ラウル、ボクと一緒に、ボクのために生きてくれるの?」
ボクは、急いで、ラウルに尋ねたの。

ラウルの人生をボクが貰ってもいいのかしら?

嬉しいけれど。

ボクの人生は、平穏に終わるかどうか、予測不能なの。

「フィリス、心配しなくていい。
姉は、俺の安全のために、俺をフィリスといさせてくれと、デヒル様に申し入れた。
俺がこうして、フィリスと毎日を過ごせているのは、その姉とデヒル様の決断のお陰だ。
俺は、フィリスと一緒にいられる生活を気に入っている。」
とラウル。

「ボクも、ボクも、ラウルと一緒がいいの。」

「ラウルの姉の夫は、ガランが手を回した男だ。」
とデヒルお兄様。

「そうでございましたか。」

「ラウルの姉は、ラウルの安全と健全な環境確保のために、ラウルをフィリスの人生に添わせることと、フィリスの安全な遊び場を提供すると約束した。」
とデヒルお兄様。

「ラウル。そんな前から、ボクと生きてくれようとしていたの。
ありがとうなの。
今まで、気づかないでごめんなさいなの。
これからは、ずっと、一緒なの。
ボク、ラウルを幸せにするの。
さようならの瞬間まで、不幸になんかさせないの。
ボクに、ラウルの人生をくれるかしら?」

ボクは、ラウルに両手を差し出したの。

ラウルは、ボクの両手を握ってくれたの。

「もう、差し出している。俺の人生を受け取れ、フィリス。」
とラウル。

ボクは、ラウルの人生を受け取ったの。

責任持って、幸せにするの。

「踏み込んだ話と聞きましたが。」
とラウル。

「フィリスの能力についてだ。他の幹部にも、確認をとるが、ラウル1人で抱え込むことがないように、連絡は密にしろ。
姉とマーゴットを引き合わせておくといい。
マーゴットは、よく把握している。
ハーマルは、公爵家の目があるから、今は頼るな。」
とデヒルお兄様。

「了解しました。」
とラウル。

「今日は、これで帰れ。」
とデヒルお兄様。

ボクは、ラウルを送り出す。

ボクは、玄関ホールで、ラウルを呼び止めたの。

「ラウル、口づけがしたいの。」

ボクとラウルは、初めて、口づけをしたの。

ラウルと唇が触れ合うと、ボクは、もっとくっつきたくなったの。

ボクは、口を開けて、舌をラウルの唇に割り入れる。

ラウルも口を開けてくれたの。

ボクは、くっついている唇から、ラウルの唾液を飲んで、ボクの唾液もあげた。

ボクの唾液と一緒に、ふわっと神気をラウルに流す。

ボク達は、唾液の交換をしたの。

ラウルは、ボクの神気を知る日が近い。

ボクの神気について知ることで、ラウルの人生は、危険でいっぱいになると思うの。

だから、何かが起きる前に、ボクは、ボクができることをするの。

「ボク、ラウルを守るの。この口づけは、そのお約束なの。」
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