フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1007.ボク、踊りには自信があるの。コーハ王国の社交界で、カッコよくて躍りが好きな男性として、存在意義を示すの。

マーゴットがお茶会で情報収集。

ボクは、夜会で話題を作るの。

「これからのボクは、夜会に出るの。皆には、ボクのエスコートをお願いするの。」

ボク達は、戦闘訓練の場所を出て、ダンスフロアに移動したの。

「ボク、ダンスは好きなの。得意なの。男女のパート、どちらも踊れるの。」

幹部全員と踊ってみたの。

楽しいの。

「外国のも、古いのも、得意なの、ボク。踊るときは、ボクと一緒に練習するの。」

「フィリス、夜会は、楽しかったか？」
とジーン。

ジーンが心配しているの。

「ジーンとフローレンと3人で踊ったのは、楽しかったの。」

ボクは、ジーンの背中側に回って、ジーンのお腹に手を回す。

「ジーン、また、ボクをエスコートしてほしいの。今度は、ボクを独り占めしてほしいの。ボクもジーンを独り占めするの。」

くるっと体を回転されて、ボクは、ジーンの腕の中。

「フィリス。次も一緒に行くか？」
とジーン。

「行くの。ジーン。また、ボクをお迎えに来てくれる？ボク、待っているの。」

「何度でも。」
とジーン。

「嬉しいの。」

ボクは、ジーンを誘って踊ったの。

サージェ侯爵家では、2人で踊れなかったから。

次は、2人で踊りたいの。


「フィリスが夜会に？」
とシエル。

「ボクを知っている相手のことを、ボクはだいたい知らないの。ボク、とても、お困りなの。」

「フィリスに絡んでくるのは、フィリスの知り合いじゃない法則が成り立つ。」
とノーマ。

「ボク、ボクが困らないようにしたいの。
ボクが知らないボクの情報で、ボク自身を判断する前に、ボクについて、知る機会を与えて、正しく判断させるの。」

「正しくって？」
とノーマ。

「ボクが、カッコよくて、ダンス好きな男性だと知らしめるの。
コーハ王国の社交界に。」

「たくさん踊りたいんだ？」
とノーマ。

「そうなの。ボク、踊りは自信があるもの。カッコよくて素敵と思わせるの。」

「踊るか？」
とラウルが手を伸ばしてくれたの。

「喜んで。」
ボクは、ジーンからラウルに渡されて、ラウルとも踊ったの。

「ラウルは、何をしていても、カッコいいの。」

「そうか。」
とラウルは、ボクの耳元に、口を寄せて、囁いたの。
「フィリスが喜ぶならいい。」

ボク、ボクの逆ハーレムは壊させないの。

ローバウル家は、国の介入もあるから、手強いけれど。

ローバウル家の嫡女に負けないの、ボク。