フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

996.デヒル。【神々の子どもたち】の土地での襲撃犯の動機の推測する。ローバウル公爵家の嫡女が転生者なら、また、同じことが起こる？

「マルビルの聴き取りに、私とハーマル、別働隊の近衛も追加で入る。」
とデヒルお兄様。

「気になることが、ございますか？」

「【神々の子どもたち】の土地の襲撃は、異世界転生者と異世界転移者が、計画と実行したことは分かっている。
動機は、推測の域を出ないが。」
とデヒルお兄様。

「ボクは、知りとうございます。デヒルお兄様、教えてくださいませ。」

「生き残りの、フィリスや他の2人は、今まで、同形態の攻撃をうけていない。

【神々の子どもたち】を攻撃することが、襲撃の狙いだったと仮定する。

この世界の神という名のつく存在に対して攻撃したかった、というのが動機になる。」
とデヒルお兄様。

「神は、多種多様ですもの。【神々の子どもたち】は、7歳で、神から人の存在になると言われています。

人間と結婚するには、人間の体でなくては支障をきたす、という話を聞いております、ボク。

ボクに、神の体で人の体に触れるのは、よろしくないと説明してくださいました。

『今年は、まだ6歳だから、来年、私が7歳になったら、手を繋ごう』とおっしゃっていました。
ボクの婚約者だった方は。」

「フィリス。辛いことを何度も思い出させる。」
とデヒルお兄様。

デヒルお兄様が、腕の中に招き入れてくださる。

ボクは、デヒルお兄様のお顔を見上げる。

「いいえ。お聞きくださいませ。
ボクが人の体でいるのは、ボクの婚約者の方が、自身が7歳になるまでは、と我慢して用心してくださったからです。

ボクは、人の世で、人の姿で、大切なものに囲まれて生きていけることを、幸せに感じております。」

「デヒルお兄様。ボクは、4歳までしか、【神々の子どもたち】を知りませんけれど、人の世で、人の体になり、人の寿命で生きることを楽しまれている方ばかりでした。」

「【神々の子どもたち】は、【神々の子どもたち】の土地で一生過ごします。

外の世界との交流は、外から来る激選された商人や職人、芸術家。

争い事の種は、持ち込みません。

ボクがお見かけした方は、どなたも、日常を楽しまれていました。

激しい気性の方はいらっしゃらないので、どこに行っても、穏やかな時間が流れていました。」

「穏やかさが気に食わない、という理由でない限り、個人的な怨恨の可能性は低いとボクは思います。」

「そうか。」
デヒルお兄様は、ボクの体をぎゅっと抱きしめられた。

デヒルお兄様の推測とボクの予想が正しければ。

ボク達が、襲撃されて、お祖父様お祖母様をはじめとする、大量の死者を出した未解決事件。

言葉を飾らなければ、たまたまそこにいたから、巻き込まれて殺された、ということになる。

やり切れないの。

「フィリス。
事件を起こした異世界転生者や、転移者が、事件後、始末されている可能性も否定できない。

後ろ盾のない実行犯は、消される。

今後も、同様のケースが起こり得ると想定して、対策する。」
とデヒルお兄様。

「はい、デヒルお兄様。」

「フィリスは、フィリス自身の味方との繋がりを強くして、守りを厳重にしていけ。
夜会に、逆ハーレムの男と出ろ。」
とデヒルお兄様。

「夜会に。はい。デヒルお兄様。」

「ローバウルの嫡女は、夜会好きだ。」
とデヒルお兄様。

「ボク、愛の力を見せつけてきます。」