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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

976.『大人しく守られていてください。さもないと、大量の首が落ちるので。』

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「任せても?」
とアンドリュー。
「勿論。」
と女性担当者。

マルビル殿から、手を離して、足をどけるアンドリュー。

アンドリュー。
そんな、女性2人では、マルビル殿と体格差があり過ぎるの。

アンドリュー、お疲れなのかしら?

ここは、ボクが代わるの。

ボクは、アンドリューと入れ替わろと一歩ふみだしたの。

ズガゴ!
何か、のめりこむような音がしなかったかしら?

「うぼええ。」
マルビル殿のうめき声。

女性担当者の靴の爪先が、マルビル殿の鎖骨あたりに突き刺さっているの。

靴は、ちゃんと、女性担当者の足に。

ということは。

女性担当者が、マルビル殿に自ら蹴り込んだ、と。

気を取り直して。

ボクは、アンドリューの前を通って、アンドリューのいたポジションに入ろうとしたの。

ボクの気持ちとしては、入っていたの。

なんだけど。

どうしてかしら?

ボク、アンドリューの腕の中にすっぽりおさまっているの。

おかしいの。

ボクは、今頃、マルビル殿をおさえつけているはずなの。

「アンドリュー。ボクに任せてほしいの。ボク、アンドリューの代わりに、働いてくるの。」

ボクは、アンドリューの腕の中から、出て、出て、出られないの。

さっきから、出ようとしているのだけど、なぜか、アンドリューの腕の中に戻っているの。

ここは、アンドリューにアピールして、腕の中から、出してもらうの。

なぜか、自力で、出られないのだもの。

「アンドリュー。ボク、お仕事を頑張っちゃうの。」

アンドリューは、ボクを腕の中に入れたまま、ボクの顎を持ち上げたの。

「アンドリュー。ボク、お仕事をするから、腕の中から出してもらえるかしら?」

「仕事中だよ。」
とアンドリュー。

「いやいや、まさか、なの。
腕の中から、ボクを出してほしいの。
ボク、近衛として、マルビル殿を取り押さえてくるの。」

アンドリューは、ボクと見つめ合う。
「危ないよ。」

「でも、女性2人だと。」

ボクが、言い募ろうとすると。

「予定通りなので、問題ありません。」
と女性担当者。

女性担当者は、マルビル殿の首を踏んでいるの。

「ボク、応援に。」
女性2人だけで、屈強な男のマルビル殿を抑え込むのは、大変なの。

ボク、助太刀に。

「そういうのは、間に合っています。」
と女性担当者。

「え?」

「大人しく守られていてください。
後、次回から、私を助けようとしないでください。」
と女性担当者。

「でも、危ないの。」

「危ないのは、私じゃありません。私は問題ないので、大人しく守られていてください。さもないと、大量に首が落ちます。」

へ?

ボクは、アンドリューを見上げる。

「アンドリュー。女性担当者の方とボク、強いのは、どっちかしら?」

さあ、アンドリュー。
ボク、と答えるの。

そして。
この腕から、ボクを出すの。

絶好のチャンスが来るの!

ボクは、チャンスが来る瞬間を待っているの。

まだ、かしら?

アンドリューが、ボクを見て微笑んでいるの。

ドキドキする笑顔なの、アンドリュー。

でも、ボクが待っているのは、違うの。

どんとこい!なの。

アンドリュー。
あー、あのね。
アンドリュー。

少々、応答が、遅くないかしら。

いつもは、すぐに気がつくのに、どうしたのかしら。

アンドリュー。

ボク、お返事を待っているの。

お返事、まだかしら?

「私ですよ。」
と女性担当者。

「うん?ボクで。え?」

「私の方が強いです。だから。本来の配置に戻っただけです。お気になさらず。守られていてください。」
と女性担当者。

「本来の、なの?
それは、ひょっとして。
最初から、女性担当者と女性の護衛が、荒事にあたる予定になっていたりするのかしら?」

にこやかに微笑むアンドリュー。

アンドリュー。否定しないのかしら?

そうすると。

ボク、余計なことをしてしまったことに?
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