973 / 1,439
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
974.羨ましくて仕方がないもの。
しおりを挟む
アンドリューが、護衛の位置から移動して、ボクの体を抱きしめてくれたの。
ボクもアンドリューに抱きつく。
ボク、内側から、ちくちく、ざくざくしてきたの。
アンドリューの腕に抱きしめられて、体温を感じているうちに、大切に抱いてくれたことを思い出したら、内側が落ち着いてきたの。
早く、アンドリューと。
アンドリューとする素敵なことを考えていたら、アンドリューに抱きしめられているのが、人に見られている気分になってきたの。
「ありがとうなの。もう大丈夫なの。」
アンドリューにお礼した後、アンドリューには護衛の位置に下がってもらったの。
「マルビル殿は、自分だけを大切にしすぎて、結果的に、身を滅ぼすの。」
「何を言っているんだか?」
マルビル殿は、ふんっと鼻で笑う。
ボクは、マルビル殿の言葉からある可能性に気づいたの。
「マルビル殿。マルビル殿の生きている世界は、お話の中ではないの。マルビル殿が、何をしても、主人公だから、めでたしめでたし、とは、ならないの。」
伝わるかしら。
「悪いことをしたら、相応の罰が下るの。いいことをして、評価されるかどうかは、時の運なの。」
いいことは、目立たないから、時の運なの。
「そんなの、分からない。貴方は、転生者じゃないから、知りようがないのよ。」
とマルビル殿。
異世界転生者の中には、自分の人生に意味をもたせるために、物語の中の世界に生まれてきた自分を夢見る人もいる。
でも。
「マルビル殿。物語の中に転生したと言って、逸脱行為を繰り返した人間はいたの。過去に、実際に。事例があるの。」
「1人、2人じゃない?」
とマルビル殿。
「時代や、国、バラバラだけど、物語の中に転生した、と話す人は、問題を起こしがち、という事例が一定数あるの。」
「じゃあ、私は、どうして、何のために転生してきたのよ?こんなに苦しいばかりの人生なのに。何の意味もないの?」
とマルビル殿。
人生に意味をもたせるのは、その人生に物語の役割を賜わったからなのかしら?
ボクは、ボクの生き方だと思っているの。
「マルビル殿。キミは、マルビル・ビーイットの前は、どこのどなただったのかしら?」
「私は、今の見た目から想像できないでしょうけれど、前世は女性で、今も女性。貴方は?」
とマルビル殿。
「ボクは、心身共に男性なの。」
「貴方は、男として、男を求めているのね?」
とマルビル殿。
「ボクの男については。」
「私は、体は男だけど、女として生きたかったし、女として、愛されたかった。ジーンとなら、それが叶うと思っていた。」
とマルビル殿。
ジーンは、ボクに優しくしてくれるけれど、ボクが男性だから、ではないの。
ボクが、ボクだから、なの。
「貴方は、どっちも男なんでしょう?
私は、私に男として存在することを求められるのが、嫌だった。
こんな体に、生まれたかったわけじゃないのに、と思っていた。
わたしの下は、よりによって、妹よ?
私は、妹の体が良かった。とうてい、無理な話だったわ。
魔法がある世界なのに、魔法を使っても、体の交換は出来なかった。」
と悪びれることなく、がっかりしているマルビル殿。
「マルビル殿は、魔法で、妹の体と交換をしようとしたのかしら?
妹は同意したのかしら?」
「妹に魔法を使ったのが、バレて、妹と顔を合わせることは禁止されたわ。」
とマルビル殿。
無断で、体を交換しよう、は、試すのも、よろしくないの。
「貴方は、いいわね。
男の体に満足できて、男の体のままで愛されて。私も、そういう人生が良かった。」
とマルビル殿。
ボクもアンドリューに抱きつく。
ボク、内側から、ちくちく、ざくざくしてきたの。
アンドリューの腕に抱きしめられて、体温を感じているうちに、大切に抱いてくれたことを思い出したら、内側が落ち着いてきたの。
早く、アンドリューと。
アンドリューとする素敵なことを考えていたら、アンドリューに抱きしめられているのが、人に見られている気分になってきたの。
「ありがとうなの。もう大丈夫なの。」
アンドリューにお礼した後、アンドリューには護衛の位置に下がってもらったの。
「マルビル殿は、自分だけを大切にしすぎて、結果的に、身を滅ぼすの。」
「何を言っているんだか?」
マルビル殿は、ふんっと鼻で笑う。
ボクは、マルビル殿の言葉からある可能性に気づいたの。
「マルビル殿。マルビル殿の生きている世界は、お話の中ではないの。マルビル殿が、何をしても、主人公だから、めでたしめでたし、とは、ならないの。」
伝わるかしら。
「悪いことをしたら、相応の罰が下るの。いいことをして、評価されるかどうかは、時の運なの。」
いいことは、目立たないから、時の運なの。
「そんなの、分からない。貴方は、転生者じゃないから、知りようがないのよ。」
とマルビル殿。
異世界転生者の中には、自分の人生に意味をもたせるために、物語の中の世界に生まれてきた自分を夢見る人もいる。
でも。
「マルビル殿。物語の中に転生したと言って、逸脱行為を繰り返した人間はいたの。過去に、実際に。事例があるの。」
「1人、2人じゃない?」
とマルビル殿。
「時代や、国、バラバラだけど、物語の中に転生した、と話す人は、問題を起こしがち、という事例が一定数あるの。」
「じゃあ、私は、どうして、何のために転生してきたのよ?こんなに苦しいばかりの人生なのに。何の意味もないの?」
とマルビル殿。
人生に意味をもたせるのは、その人生に物語の役割を賜わったからなのかしら?
ボクは、ボクの生き方だと思っているの。
「マルビル殿。キミは、マルビル・ビーイットの前は、どこのどなただったのかしら?」
「私は、今の見た目から想像できないでしょうけれど、前世は女性で、今も女性。貴方は?」
とマルビル殿。
「ボクは、心身共に男性なの。」
「貴方は、男として、男を求めているのね?」
とマルビル殿。
「ボクの男については。」
「私は、体は男だけど、女として生きたかったし、女として、愛されたかった。ジーンとなら、それが叶うと思っていた。」
とマルビル殿。
ジーンは、ボクに優しくしてくれるけれど、ボクが男性だから、ではないの。
ボクが、ボクだから、なの。
「貴方は、どっちも男なんでしょう?
私は、私に男として存在することを求められるのが、嫌だった。
こんな体に、生まれたかったわけじゃないのに、と思っていた。
わたしの下は、よりによって、妹よ?
私は、妹の体が良かった。とうてい、無理な話だったわ。
魔法がある世界なのに、魔法を使っても、体の交換は出来なかった。」
と悪びれることなく、がっかりしているマルビル殿。
「マルビル殿は、魔法で、妹の体と交換をしようとしたのかしら?
妹は同意したのかしら?」
「妹に魔法を使ったのが、バレて、妹と顔を合わせることは禁止されたわ。」
とマルビル殿。
無断で、体を交換しよう、は、試すのも、よろしくないの。
「貴方は、いいわね。
男の体に満足できて、男の体のままで愛されて。私も、そういう人生が良かった。」
とマルビル殿。
0
お気に入りに追加
349
あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる