971 / 1,439
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
972.ボクは、尋ねる。マルビル・ビーイット殿に。『キミは、転生者なの?』
しおりを挟む
「転生者という言葉を知っているの?」
とマルビル殿。
「知っているの。キミは転生者?」
「貴方も?
貴方もなんでしょう?
そうだと思った。
絶対そうだと思っていた!」
とマルビル殿。
「ボクは、違うの。」
「今さら誤魔化さないでよ!
ねえ、前世は、どっち?
どんな人生だった?」
興奮するマルビル殿。
「ボクは、違うの。
ボク、前世とか知らないの。」
「じゃあ、なんで、転生者なんて。」
とマルビル殿。
「いるの。時々。
前世の記憶や人格を引き継いで生まれてくるの。」
「わりと、ある話?
隠す必要はなかった?」
とマルビル殿。
「隠すか、隠さないか。
それは、本人やご両親や、お家の判断なの。
時代背景や、環境も人それぞれだもの。」
「そうなんだ。はあ。
私は、転生しているって、すぐに分かった?」
とマルビル殿。
「いえ。ひょっとしたら?と思ったからなの。」
「ああ。転生していないなら、悪役令息とか、ヒロインとか、どうして知っているの?」
とマルビル殿は、ボクに疑いの目を向ける。
「そういうお話を読んだの。外国では、劇にもなっているの。」
「ええ。それ、もう、さあ。完全に、転生者が面白がってやっているやつよ。」
とマルビル殿は、口をとがらせた。
「よくあることなら、さっさとカミングアウトして、家から出ていけば良かったなー。
そうしたら、早くに異世界転生を楽しめたのに。
こんな体になってからじゃ、一生、男の人から逃げて暮らさなきゃいけなくなる。
あーあ。もっと早く知りたかった。
でも、これからがあるよね。
異世界転生がわりとあるって、分かっただけでも、収穫だわ。」
とマルビル殿は、朗らかに笑う。
マルビル殿の反応に、ボクはゾッとしたの。
ボクがマルビル殿に拉致された後。
ボクのお父様が、直々に乗り出して、ボクを救出した件は、この部屋で、マルビル殿以外が知っている。
フィリップ殿下が、サージェ侯爵家で、マルビル殿の口を割らせ、ボクを拉致したと自白させた話は、伏せても、伏せきれるものではない。
ビーイット公爵家のイリダ殿とマルビル殿が、サージェ侯爵家の夜会に参加していたボクを夜会会場から拉致した件は、コーハ王国の貴族社会に多大な影響を与えている。
現在進行形で。
サージェ侯爵家の夜会会場は、急遽、拉致事件の取り調べ会場に変更になった。
拉致現場となった夜会会場も含めて、サージェ侯爵家は、家宅捜索が行われた。
貴族の屋敷が、家宅捜索を受ける。
どれだけ、不名誉なことか。
取り調べから解放されたサージェ侯爵家は、事件後、各方面への釈明に追われている。
サージェ侯爵家は、今後、さらなる統率力を試されることになる。
ビーイット公爵家は、ビーイット男爵家として、マルビル殿の妹が当主になり、立て直しをはかることになるけれど。
ビーイット男爵家の進む道は、茨の道なの。
マルビル殿は、自身が何をして、その結果どうなっているかに、全く関心がないの。
だから、自分の未来を、語れるの。
ボクを含めて、この部屋の中には、貴族しかいない。
マルビル殿は、公爵家の子息。
権力に怯まないように、マルビル殿から見える場所の担当に、平民はおいていないの。
ボク達は、貴族だから。
イリダ殿とマルビル殿の勝手が、サージェ侯爵家をはじめとする複数の貴族家に与えた打撃を想像できる。
災いを振り撒いた張本人が、この調子では。
ひょっとして。
「マルビル殿は、取り調べに協力的だったのかしら?」
とマルビル殿。
「知っているの。キミは転生者?」
「貴方も?
貴方もなんでしょう?
そうだと思った。
絶対そうだと思っていた!」
とマルビル殿。
「ボクは、違うの。」
「今さら誤魔化さないでよ!
ねえ、前世は、どっち?
どんな人生だった?」
興奮するマルビル殿。
「ボクは、違うの。
ボク、前世とか知らないの。」
「じゃあ、なんで、転生者なんて。」
とマルビル殿。
「いるの。時々。
前世の記憶や人格を引き継いで生まれてくるの。」
「わりと、ある話?
隠す必要はなかった?」
とマルビル殿。
「隠すか、隠さないか。
それは、本人やご両親や、お家の判断なの。
時代背景や、環境も人それぞれだもの。」
「そうなんだ。はあ。
私は、転生しているって、すぐに分かった?」
とマルビル殿。
「いえ。ひょっとしたら?と思ったからなの。」
「ああ。転生していないなら、悪役令息とか、ヒロインとか、どうして知っているの?」
とマルビル殿は、ボクに疑いの目を向ける。
「そういうお話を読んだの。外国では、劇にもなっているの。」
「ええ。それ、もう、さあ。完全に、転生者が面白がってやっているやつよ。」
とマルビル殿は、口をとがらせた。
「よくあることなら、さっさとカミングアウトして、家から出ていけば良かったなー。
そうしたら、早くに異世界転生を楽しめたのに。
こんな体になってからじゃ、一生、男の人から逃げて暮らさなきゃいけなくなる。
あーあ。もっと早く知りたかった。
でも、これからがあるよね。
異世界転生がわりとあるって、分かっただけでも、収穫だわ。」
とマルビル殿は、朗らかに笑う。
マルビル殿の反応に、ボクはゾッとしたの。
ボクがマルビル殿に拉致された後。
ボクのお父様が、直々に乗り出して、ボクを救出した件は、この部屋で、マルビル殿以外が知っている。
フィリップ殿下が、サージェ侯爵家で、マルビル殿の口を割らせ、ボクを拉致したと自白させた話は、伏せても、伏せきれるものではない。
ビーイット公爵家のイリダ殿とマルビル殿が、サージェ侯爵家の夜会に参加していたボクを夜会会場から拉致した件は、コーハ王国の貴族社会に多大な影響を与えている。
現在進行形で。
サージェ侯爵家の夜会会場は、急遽、拉致事件の取り調べ会場に変更になった。
拉致現場となった夜会会場も含めて、サージェ侯爵家は、家宅捜索が行われた。
貴族の屋敷が、家宅捜索を受ける。
どれだけ、不名誉なことか。
取り調べから解放されたサージェ侯爵家は、事件後、各方面への釈明に追われている。
サージェ侯爵家は、今後、さらなる統率力を試されることになる。
ビーイット公爵家は、ビーイット男爵家として、マルビル殿の妹が当主になり、立て直しをはかることになるけれど。
ビーイット男爵家の進む道は、茨の道なの。
マルビル殿は、自身が何をして、その結果どうなっているかに、全く関心がないの。
だから、自分の未来を、語れるの。
ボクを含めて、この部屋の中には、貴族しかいない。
マルビル殿は、公爵家の子息。
権力に怯まないように、マルビル殿から見える場所の担当に、平民はおいていないの。
ボク達は、貴族だから。
イリダ殿とマルビル殿の勝手が、サージェ侯爵家をはじめとする複数の貴族家に与えた打撃を想像できる。
災いを振り撒いた張本人が、この調子では。
ひょっとして。
「マルビル殿は、取り調べに協力的だったのかしら?」
0
お気に入りに追加
349
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる