フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

970.タマキにコワニを預けたのは、コワニとタマキは、同じだからなの。

ボクが、タマキをコワニのお散歩係にしたのは、タマキとコワニは、ボクと一蓮托生だからなの。

コワニもタマキも、ボクが死ぬ時は、一緒だから、同じ立場の仲間がいると心強いかしら？と思ったの。

タマキは、人間だから、気づいていないけれど、コワニは、タマキがボクに従属する生き物だと気づいたの。

ボクの眷属であるコワニをタマキが抱えていられるのは、コワニが、認識しているから。

いい出会いになるといいの。
コワニにも、タマキにも。

ボクも弱いけれど、タマキはもっと弱いの。

危ないから、タマキを外に出すタイミングがなかったの。

でも。
これからは、コワニと一緒なら、出かけられるの。

異世界に来て、喜んでいたタマキに、ボクは生活できる環境を与えてきたの。

日常生活が出来るようになったから、次のステップに進むの。

用意された毎日から、自分で考えて動く毎日へ。

次にタマキに会うのが、楽しみなの、ボク。


それにしても。
ボクは、結局、弱いままなの。
どうしたら、良いかしら。

ビーイット公爵家の最後の当主は、昨夜、死亡が確認されたの。

今日から、ビーイット男爵家がスタート。
今日は、説明や色々な手配で終わると思うの。

公表は、もっと先。

捜査が進んで、捜査結果を公表できる状態になってから。

ビーイット公爵家のイリダ殿とマルビル殿は、身柄を拘束されて、王城に勾留。今朝から、取り調べなの。

ボクは、これから、マルビル殿と会うの。

マルビル殿は、ボクを拉致した下手人として、フィリップ殿下にやっつけられた後、男性に会うと、会話できる状態じゃなくなったから、女性が担当者になったの。

ボクは、被害者として、マルビル殿に会いにいくの。

イリダ殿は、転生者で、前の人生の続きを生きていたの。

イリダ殿は、今の人生を受け入れられなくて、失敗したの。


それなら。
マルビル殿はどうだったのかしら？

ボクは、マルビル殿に確かめることにしたの。

「キミは、どこから来たのかしら？転生者なのかしら？」