フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

966.異世界転移者タマキ。コワニの散歩の仕方って?

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フィリスは、2匹のコワニをお家に置いて仕事にいった。

タマキは、フィリスから2匹のコワニを手渡されて、眠気が吹っ飛んだ。

明日から、お散歩係やるんだ。

両腕にコワニを抱えて、フィリスを見送ったタマキ。

ワニの散歩?
ワニが、散歩するのに、付き添い、いる?

貴族ならでは、かな?

「紐、つける?」
タマキは、先輩に聞く。

「コワニ様は、眷属。紐のような無粋なものは、お似合いになりません。コワニ様には、自由にお過ごしいただきます。」
と先輩。

タマキは、じとっと先輩を見た。

「タマキは、名誉なお役目を賜れましたね。」
と先輩。

「ワニ、ですよね?」
とタマキ。

「コワニ様です。」
と先輩。

「ちょっと、本当に、意味が分からないんですが。ワニ?眷属?ペット?どこから聞いたらいいですか?」
とタマキ。

「ガラン領にお棲まいの神獣ワニからいただいた歯を元に、フィリス様が神気を吹き込んだコワニ様。動物ではなく、コワニ様は、コワニ様です。」
と先輩。

「神様の仲間?」
とタマキ。

「コワニ様は、フィリス様の眷属ですから、神様の力を持った、フィリス様のお守りのような役目をお持ちの方々です。」
と先輩。

「あー。俺は、動物のワニじゃなく、神の力を授かったコワニ様にお仕えする感じですか?」
とタマキ。

「タマキのご主人は、フィリス様。フィリス様の眷属様が、快適にお過ごしになられるように、心を配ることを、タマキは、主人から命じられました。」
と先輩。

「うん。とりあえず、コワニ様は、どうしたらいいのかな?歩くのか?」
とタマキ。

2匹のコワニは、イヤイヤした。

「コワニ様は、タマキが両手に1匹ずつ持っての移動をご希望です。」
と先輩。

「今だけじゃなく、移動はずっと、持ち運び?」
とタマキ。

勢いよく肯定し、タマキをギョロンと見つめる2匹のコワニ。

「お散歩係って。散歩するのは、コワニ様じゃないじゃん。」
とタマキ。

2匹のコワニは素知らぬ顔。

タマキは、どっと疲れた。
「寝直したい。コワニ様は?」

すると。
2匹のコワニは、タマキの手から飛び出して、壁にへばりついて、壁や天井を歩き始めた。

「お散歩。
自分で、壁と天井を歩いているよ?
自分で歩けるけれど、お散歩は、お散歩係に持ち運ばれたいんだ。」
とタマキ。

コワニは、縦横無尽に歩いていく。

「コワニ様だもんな。明日に備えて、寝よう。」
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