959 / 1,412
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
960.ボクのコワニなの。ボクのなの。
しおりを挟む
「騙したのか?」
イリダ殿の目が怒りで輝く。
ボクは、否定する。
「キミが、利用方法を守らなかった。契約を破ったキミのせい。」
「キミは、受けた報告に合わせて、人を送り込んだ、違うかしら?」
「そうだ。」
「キミが送り込んだのは、文官が主体じゃなかったかしら。」
「統治の基本だ。」
イリダ殿は、分かってないな、みたいにボクを見ているの。
「ボクが着いたとき、ビーイット公爵領は、人の手には余る状況になっていたの。」
「そんなばかな!話し合いで済む相手だったはずだ。」
「キミが受けた報告では、話し合いの出来る人間が、フェンリルの信仰集団をまとめていて、話し合いで解決出来る、というものだったのかしら?」
「でなければ、文官を送り込んだりはしない。」
文官だとしたら、なおさら、元フェンリルと元フェンリルの信仰集団には苦労されたと思うの。
常人にはない力。
自分達が全ての価値観。
相容れないもの。
どうかんがえても、武力制圧一択だったの。
「フェンリルを信仰する集団は、フェンリルの神性を失くさせて常人にはない力を手に入れていたの。
集団の7割ほどは、その力を有していたの。
集団を運営するのは、7割の中の古参。
彼らは、神性を失わせたフェンリルが、新しく来た人間を受け入れるか試して、受け入れなかったものを追放した。姥捨て山に。」
「姥捨て山は、捨てられた者が長生き出来ない場所。」
「ボクは、キミが送り込んだビーイット公爵家の関係者のうちの3人が埋葬されたと聞いたの。ビーイット公爵家で帰還したのは、当主の護衛だけ。キューブ傭兵団は、全員帰還しているけれど。フリーは帰還していない。」
「現地で戦闘になったとき、ボク達は、救援を待つ間、攻撃を凌ぐことに徹した。」
「戦力差がありすぎて、勝てないと分かったから。保ちこたえる方を選んだ。」
「一矢報いるなんて考えたら、一瞬で全滅する状態だったの。」
「戦闘で、キューブ傭兵団は、全員でまとまって、なんとか凌げていたの。ボクとビーイット公爵家の当主の護衛だけが、辛うじて、1人で凌いでいたけれど、次の一撃がきたら、帰れていなかったの。」
「なぜ、そんな馬鹿なことが起こり得る?」
とイリダ殿。
「キミが、組織を利用する際に守らなくてはいけない約束を破ったから。
組織から情報が欲しかったのは、誰かしら?
キミじゃなかったのかしら?
その場合。
キミ自身が組織に赴かなくてはならなかった。
キミが自身で手に入れた情報なら、キミは、大手を振って、使うことが出来たの。」
イリダ殿が苦悶の表情を浮かべている。
「どうして、自分で行こうとしなかったのかしら?」
「以前、利用した者は、代わりをうまく使ったと聞いていた。」
とイリダ殿。
「以前というのは、王子様として、報告を聞いたことがあるのかしら?」
「ああ。使ったが、代わりがうまく乗り切った、と。」
とイリダ殿。
「乗り切れないようになっていると思うの。」
「お前は帰ってきた。」
とイリダ殿。
「ボク、お父様に助けに来ていただいたの。お父様に助けていただけたから、無事なの。他の人は、ついでなの。」
「ビーイット公爵領のフェンリルとフェンリルの信仰集団が根城にしていた土地は、人が住める状態ではないの。朽ちるままに、朽ちさせていくのみ。」
イリダ殿の想定していた事態とは、違いすぎていたのかしら。
イリダ殿は、愕然としていたの。
そこから、ふっと我に返り。
ボクのコワニを凝視。
何かしら?
ボクのコワニの可愛さを絶賛したいのかしら?
ボクがドキドキしていると。
「そのワニか。そのワニがいればいいのか。」
と言い始めたの、イリダ殿。
そして、突然。
イリダ殿は、目を光らせた。
「差し出せ。そのワニは、ビーイット公爵家にあるべきものだ。」
イリダ殿の目が怒りで輝く。
ボクは、否定する。
「キミが、利用方法を守らなかった。契約を破ったキミのせい。」
「キミは、受けた報告に合わせて、人を送り込んだ、違うかしら?」
「そうだ。」
「キミが送り込んだのは、文官が主体じゃなかったかしら。」
「統治の基本だ。」
イリダ殿は、分かってないな、みたいにボクを見ているの。
「ボクが着いたとき、ビーイット公爵領は、人の手には余る状況になっていたの。」
「そんなばかな!話し合いで済む相手だったはずだ。」
「キミが受けた報告では、話し合いの出来る人間が、フェンリルの信仰集団をまとめていて、話し合いで解決出来る、というものだったのかしら?」
「でなければ、文官を送り込んだりはしない。」
文官だとしたら、なおさら、元フェンリルと元フェンリルの信仰集団には苦労されたと思うの。
常人にはない力。
自分達が全ての価値観。
相容れないもの。
どうかんがえても、武力制圧一択だったの。
「フェンリルを信仰する集団は、フェンリルの神性を失くさせて常人にはない力を手に入れていたの。
集団の7割ほどは、その力を有していたの。
集団を運営するのは、7割の中の古参。
彼らは、神性を失わせたフェンリルが、新しく来た人間を受け入れるか試して、受け入れなかったものを追放した。姥捨て山に。」
「姥捨て山は、捨てられた者が長生き出来ない場所。」
「ボクは、キミが送り込んだビーイット公爵家の関係者のうちの3人が埋葬されたと聞いたの。ビーイット公爵家で帰還したのは、当主の護衛だけ。キューブ傭兵団は、全員帰還しているけれど。フリーは帰還していない。」
「現地で戦闘になったとき、ボク達は、救援を待つ間、攻撃を凌ぐことに徹した。」
「戦力差がありすぎて、勝てないと分かったから。保ちこたえる方を選んだ。」
「一矢報いるなんて考えたら、一瞬で全滅する状態だったの。」
「戦闘で、キューブ傭兵団は、全員でまとまって、なんとか凌げていたの。ボクとビーイット公爵家の当主の護衛だけが、辛うじて、1人で凌いでいたけれど、次の一撃がきたら、帰れていなかったの。」
「なぜ、そんな馬鹿なことが起こり得る?」
とイリダ殿。
「キミが、組織を利用する際に守らなくてはいけない約束を破ったから。
組織から情報が欲しかったのは、誰かしら?
キミじゃなかったのかしら?
その場合。
キミ自身が組織に赴かなくてはならなかった。
キミが自身で手に入れた情報なら、キミは、大手を振って、使うことが出来たの。」
イリダ殿が苦悶の表情を浮かべている。
「どうして、自分で行こうとしなかったのかしら?」
「以前、利用した者は、代わりをうまく使ったと聞いていた。」
とイリダ殿。
「以前というのは、王子様として、報告を聞いたことがあるのかしら?」
「ああ。使ったが、代わりがうまく乗り切った、と。」
とイリダ殿。
「乗り切れないようになっていると思うの。」
「お前は帰ってきた。」
とイリダ殿。
「ボク、お父様に助けに来ていただいたの。お父様に助けていただけたから、無事なの。他の人は、ついでなの。」
「ビーイット公爵領のフェンリルとフェンリルの信仰集団が根城にしていた土地は、人が住める状態ではないの。朽ちるままに、朽ちさせていくのみ。」
イリダ殿の想定していた事態とは、違いすぎていたのかしら。
イリダ殿は、愕然としていたの。
そこから、ふっと我に返り。
ボクのコワニを凝視。
何かしら?
ボクのコワニの可愛さを絶賛したいのかしら?
ボクがドキドキしていると。
「そのワニか。そのワニがいればいいのか。」
と言い始めたの、イリダ殿。
そして、突然。
イリダ殿は、目を光らせた。
「差し出せ。そのワニは、ビーイット公爵家にあるべきものだ。」
0
お気に入りに追加
337
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
王道学園と、平凡と見せかけた非凡
壱稀
BL
定番的なBL王道学園で、日々平凡に過ごしていた哀留(非凡)。
そんなある日、ついにアンチ王道くんが現れて学園が崩壊の危機に。
風紀委員達と一緒に、なんやかんやと奮闘する哀留のドタバタコメディ。
基本総愛され一部嫌われです。王道の斜め上を爆走しながら、どう立ち向かうか?!
◆pixivでも投稿してます。
◆8月15日完結を載せてますが、その後も少しだけ番外編など掲載します。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる