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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
959.キミの平静。キミの驚愕。
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イリダ殿の感慨は、イリダ殿のもの。
ボクは、近衛として、事情聴取をする。
「イリダ殿。ボクが、イリダ殿の慟哭を理解する日は来ない。ボクは、事実として受け止めるのみ。その上で、ボクは、キミに聞くの。」
「ビーイット公爵領の現状を把握した方法を答えなさい。」
イリダ殿は、無言。
「キミ、ビーイット公爵家についてか、領地についてか、調べるために、ある組織を利用している。」
ボクが、断定しても、イリダ殿は、反応しないの。
「キミが、組織を利用するなら、キミは利用方法を守らなくてはならなかった。
キミが直接赴かないのであれば、キミだけではなく、キミが手足に使った者達、その関係者にも、利用方法を周知徹底しておく必要があった。」
イリダ殿は、無反応。
「キミが、周知徹底を怠ったことで、どれ程、被害が拡大したか。」
ボクは、1つ1つ話していくことにするの。
イリダ殿の耳は、ボクの話を聞いているから。
「キミが組織を利用するときに使った貴族子弟は、出かけるとは残したものの、行き先を告げずに出かけて、連絡がつかなかった。貴族子弟は、行き先を喋らないまま帰宅し、死因を調べないように家族に話してから亡くなった。」
「家族は、事件に巻き込まれたと思い、捜査を依頼。」
「貴族子弟の不審死として、近衛が捜査を担当した。」
「捜査を担当した近衛に不審な点が見つかったため、捜査を担当した近衛は全員、国の管理下に入っている。」
「キミは、捜査協力を拒否して、今に至るの。」
ボクは、イリダ殿に時系列で話していった。
ここから、イリダ殿がすべきだった行動を遡っていくの。
「キミが、捜査協力を拒んでいるから、国の管理下に入った近衛は、今も管理下におかれている。
捜査に携わる危険性を認識した上で、新しく人員を集めて、捜査のやり直しをしているの。」
「キミが、捜査協力をしていたら、新しく捜査員を集めたりしなくて済んだの。」
イリダ殿は、ぴくりともしない。
近衛は王子様を最優先にするものだという考え方をしていたら、王子様の意識のままだと、近衛の処遇を、悩んだりしない。
でも。
イリダ殿。
今世のキミは、王子様ではなく、公爵家子息なの。
近衛を巻き込んだことに、申し訳なく思う気持ちが必要なの。
心に響かないなら、次にいくの。
「キミが使った貴族子弟は、組織の利用方法を理解していたの。
でも、貴族子弟が理解するだけでは足りなかったの。
最低でも。
貴族子弟の家族には、貴族子弟が、任務を請け負い、任務で死ぬことを納得させる必要があった。
家族や子弟の周囲が、独自に子弟の行動を探ったり、
捜査依頼を出して、国が組織を調べる。
そんなことが万が一にも、起きないように、組織を利用するときは、対策が必須なの。」
イリダ殿の表情が、ぴくりと動いた。
「キミが、最初に貴族子弟を使うときに、家族にも、まとめて説明しなかったのは、どうしてかしら?」
イリダ殿から返事が返ってきたの。
「家族に、私に使われることについての説明は不要だと、言うのだ。家族と離れたがっているから、好きに使ってよいと。」
「どなたが?」
「あの子息を紹介した者が。私のために役に立つ者を紹介する、と。使ってくれ、と。」
「紹介者に、組織を使うことは?」
「いや。私に従う手駒を求めたら、寄越してきた。」
「紹介者は、どなた?」
「ハーネリだ。」
「ハーネリ伯爵?」
ハーネリ伯爵は、キューブ傭兵団とビーイット公爵家を貶めた貴族の1人。
ボクは、頭の中を整理しながら話を続けたの。
「組織から得た情報を本人以外が使うことは出来ないの。
組織から情報を得た貴族子弟が、キミに報告した段階で、貴族子弟は死ぬことが決まり。
同時に、貴族子弟の持ち帰った情報は使えなくなったの。
そのことは、知っていたかしら?」
「説明せよ。」
とイリダ殿。
「イリダ殿が、報告を受けた情報は、その時点で、信憑性を失い、情報の価値を失ったの。」
「どういう意味だ?」
「イリダ殿が、情報を受け取った後、ビーイット公爵領の状況は、情報よりも急激に悪化しているはずなの。情報の価値を失わせるために。」
その時。
初めて、イリダ殿の表情が動いたの。
ボクは、近衛として、事情聴取をする。
「イリダ殿。ボクが、イリダ殿の慟哭を理解する日は来ない。ボクは、事実として受け止めるのみ。その上で、ボクは、キミに聞くの。」
「ビーイット公爵領の現状を把握した方法を答えなさい。」
イリダ殿は、無言。
「キミ、ビーイット公爵家についてか、領地についてか、調べるために、ある組織を利用している。」
ボクが、断定しても、イリダ殿は、反応しないの。
「キミが、組織を利用するなら、キミは利用方法を守らなくてはならなかった。
キミが直接赴かないのであれば、キミだけではなく、キミが手足に使った者達、その関係者にも、利用方法を周知徹底しておく必要があった。」
イリダ殿は、無反応。
「キミが、周知徹底を怠ったことで、どれ程、被害が拡大したか。」
ボクは、1つ1つ話していくことにするの。
イリダ殿の耳は、ボクの話を聞いているから。
「キミが組織を利用するときに使った貴族子弟は、出かけるとは残したものの、行き先を告げずに出かけて、連絡がつかなかった。貴族子弟は、行き先を喋らないまま帰宅し、死因を調べないように家族に話してから亡くなった。」
「家族は、事件に巻き込まれたと思い、捜査を依頼。」
「貴族子弟の不審死として、近衛が捜査を担当した。」
「捜査を担当した近衛に不審な点が見つかったため、捜査を担当した近衛は全員、国の管理下に入っている。」
「キミは、捜査協力を拒否して、今に至るの。」
ボクは、イリダ殿に時系列で話していった。
ここから、イリダ殿がすべきだった行動を遡っていくの。
「キミが、捜査協力を拒んでいるから、国の管理下に入った近衛は、今も管理下におかれている。
捜査に携わる危険性を認識した上で、新しく人員を集めて、捜査のやり直しをしているの。」
「キミが、捜査協力をしていたら、新しく捜査員を集めたりしなくて済んだの。」
イリダ殿は、ぴくりともしない。
近衛は王子様を最優先にするものだという考え方をしていたら、王子様の意識のままだと、近衛の処遇を、悩んだりしない。
でも。
イリダ殿。
今世のキミは、王子様ではなく、公爵家子息なの。
近衛を巻き込んだことに、申し訳なく思う気持ちが必要なの。
心に響かないなら、次にいくの。
「キミが使った貴族子弟は、組織の利用方法を理解していたの。
でも、貴族子弟が理解するだけでは足りなかったの。
最低でも。
貴族子弟の家族には、貴族子弟が、任務を請け負い、任務で死ぬことを納得させる必要があった。
家族や子弟の周囲が、独自に子弟の行動を探ったり、
捜査依頼を出して、国が組織を調べる。
そんなことが万が一にも、起きないように、組織を利用するときは、対策が必須なの。」
イリダ殿の表情が、ぴくりと動いた。
「キミが、最初に貴族子弟を使うときに、家族にも、まとめて説明しなかったのは、どうしてかしら?」
イリダ殿から返事が返ってきたの。
「家族に、私に使われることについての説明は不要だと、言うのだ。家族と離れたがっているから、好きに使ってよいと。」
「どなたが?」
「あの子息を紹介した者が。私のために役に立つ者を紹介する、と。使ってくれ、と。」
「紹介者に、組織を使うことは?」
「いや。私に従う手駒を求めたら、寄越してきた。」
「紹介者は、どなた?」
「ハーネリだ。」
「ハーネリ伯爵?」
ハーネリ伯爵は、キューブ傭兵団とビーイット公爵家を貶めた貴族の1人。
ボクは、頭の中を整理しながら話を続けたの。
「組織から得た情報を本人以外が使うことは出来ないの。
組織から情報を得た貴族子弟が、キミに報告した段階で、貴族子弟は死ぬことが決まり。
同時に、貴族子弟の持ち帰った情報は使えなくなったの。
そのことは、知っていたかしら?」
「説明せよ。」
とイリダ殿。
「イリダ殿が、報告を受けた情報は、その時点で、信憑性を失い、情報の価値を失ったの。」
「どういう意味だ?」
「イリダ殿が、情報を受け取った後、ビーイット公爵領の状況は、情報よりも急激に悪化しているはずなの。情報の価値を失わせるために。」
その時。
初めて、イリダ殿の表情が動いたの。
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