フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

945.うち、犯罪は、NGです。

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ボク、無益な殺生はしないの。

足元のビーイット公爵家の使用人達のボロボロ具合から見ると、大人しく、お縄にかからず、抵抗した結果だと分かるの。

「抵抗しても無駄だと理解できる知力があれば、会話ができるのだけど。」

「キューブ傭兵団の代表っぽい熊男も、残念な部分が目立つもの。キューブ傭兵団の団員に知力を求めるのは、酷なことなの、きっと。」

ボクが、ビーイット公爵家の使用人の知力の低さを嘆いていると、熊男が、ボクを凝視しているの。

「こいつらに知力の高さを求めるのは、酷なことだとは思うが、その判断基準に自分がされているかと思うと。」
熊男は、複雑な気持ちになるようなの。

「熊男に、太鼓判おされるくらい、知力が心配なら、このまま持ってかえるの。キューブ傭兵団の本拠地においておいても、無駄に死体が増えるだけなの。」

「そんなに問題ある依頼先なんか?」
と熊男。

「依頼内容なの。自覚はあるかしら?」
ビーイット公爵家に、キューブ傭兵団の団員を使用人として送り込んだの。

「どういう類いで?」
熊男が、慎重になったの。

「キューブ傭兵団は、犯罪については、どういう扱いかしら?」

「犯罪、か。こいつらのしたことは。」
熊男は、顔を引き締める。

「自覚があっても、なくても、ばっちりなの。だから、ボク達も捕捉したの。」
利用されただけ、にしても、深みにハマったから、未来はないの。

「うちは、犯罪は、NGにしている。」
と熊男。

「団員の処分は?」

「うちは、基本的に、キューブ傭兵団との愛人契約を主な収入源にしている。パートナーチェンジはいつでもOK。団員の給料は、歩合制。」
と熊男。
キューブ傭兵団は、契約した貴族のお求めに応じて、用途にあった愛人を派遣する団体だったの。
好みが変わって、愛人と手を切るとき。キューブ傭兵団という団体が間に入るから、愛人と直接やり取りをして、揉める心配がないというシステム。

「今までの犯罪は、愛人契約をした先での窃盗が主流だったんで、退団させて、元の家に返却していた。」
と熊男。

くんずほぐれつした後、気持ちよくお過ごしになったお客様の貴重品を持ち去ったが、発覚した場合。
キューブ傭兵団では、退団手続きのみ。
責任は、団員の関係する家にある。

キューブ傭兵団は、貴族の血をひく平民に、貴族の愛人として働く場所を提供している。

理解したの、ボク。

「彼らの責任をとらせる家は?」

「ないな。」
と熊男。
「お家の断絶、お取り潰し、で。こいつら全員。」

「彼らには、責任をとる貴族がいないのかしら?」

「そういうことだ。」
熊男は、渋い顔。

「採用の際の身元保証人は?」
貴族が、家として支援しないなら、個人の支援者がいなければ、キューブ傭兵団には、入れないもの。

身元保証人は、いると思うの。
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