フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

937.雁首並べてみました。

「おい、うちの人間に、何してやがる？」
と熊男。

「雁首並べてみたの。揃った雁首は、全員、キューブ傭兵団の団員かしら？」

「そうだが、いきなり過ぎるだろう。話を聞く前から、ボロボロにするんじゃねえ。解放しろ。」
と熊男。

「嫌なの。今、解放するくらいなら、雁首を持ってかえるの。」
ハードボイルドの世界に、情け容赦はないの。

「おい。貴族様よお。おいたが過ぎるんじゃねえか？」
と熊男。

「おいたが過ぎるのは、ボクじゃないの。ボクは、雁首にどんなおいたをしたか、聞いていくの。」
ボクが、熊男と会話している間に、強制捜査を進めるの。

「メルヘンチック・ハードボイルド隊と応援団員は、差し押さえと押収を開始。」
とツーニール。

ボクの執事は、良く分かっているの。

「抵抗したら、上から、ポイポイするの。」
ボクは、強制捜査に向かうガラン軍に指示を出す。

キューブ傭兵団の本拠地の建物は、出入り口から入って、すぐが、玄関ホール。

玄関ホールは、最上階まで吹き抜け。

壁にそって、部屋と階段がある造り。

邪魔なものは、玄関ホールに、ポイ捨て推奨。

上から、いちいち降ろすより、1階の玄関ホールに投げてしまった方が、ゴミ出しが楽なの。

上から投げ落としたら、後は、勝手に下に落ちる。
万物は、落下するの。

捕まえた後に拘束する手間もいらないの。
賊に関わる時間が、短縮出来れば、労働時間も短縮になるの。

ハードボイルドは成果報酬なの。
お給料制じゃないの。
労働時間は短い方が、嬉しいと思うの。

賊を監視する人員を用意したりして、作戦の人員を増やすと、人数が増えた分、1人当たりの配分が減るもの。

ハードボイルドをするにあたり、ボスたるもの、部下の管理は、怠らないの、ボク。

気持ちよく働いて、稼ぐ。

ハードボイルドは、スカッとしなくちゃ。

「何、普通に、中に入っていこうとしているんだ？」
と熊男。

「強制捜査なの。」
資料の押収には、建物の中に入らないと。
熊男は、何を言っているのかしら？
「建物の外は、外でするから、気にしないでいいの。」

「大変です。扉も窓も開きません。外から固定されています。」
「閉じ込められた！」
脱出を試みたのか、偵察か。
現状把握に動いていた団員の声が聞こえたの。

「中も外も？本当に、何者だよ？」
と熊男。

「ボクの正体を知りたいのかしら？」
熊男が、ボスであるボクとの会話にやる気を出したの。

「正体。正体って、おい。まあ。いいか。貴族様の正体は、なんなんですかね？」
熊男は、げんなりしているの。
熊男の元には、建物の外から、出入り口を塞がれている

まだ、強制捜査が始まったばかり。
資料の押収もしていないの。
熊男ったら、開始早々、げんなりして。

先は長いの。
強制捜査の終了まで、熊男の元気は、保つかしら？

途中退室は、不可だから、強制捜査が終了するまでは、元気でいなさい。

「ボク、近衛なの。近衛の警察権で、キューブ傭兵団の本拠地を強制捜査するの。」