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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
916.出鼻をくじかれたが、初志貫徹。貸しは、回収できるうちに回収しないと。国に持っていかれる前にね。
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ドカンと爆音がして、会議室が揺れた。
「ターシエント侯爵。」
デヒルは呼びかけた。
「動かれるなら、ガランがとるものをとった後に。ガランの取り分は先に確保する。」
「決断力も、動じなさも、ガランの次代は備えているのう。」
ターシエント侯爵が、好々爺のような台詞を口にしたので、デヒルは、ターシエント侯爵が、本件の後始末で、デヒルを働かせる気満々だな、と察した。
お眼鏡にかなった若造の実力がどれ程のものか、確かめておこうというスタンスが垣間見える。
デヒルは、御老公を求めてはいない。
普通の貴族家の当主と話はしてみたいが、御老公は、厄介事を持ち込むから、いらん。
デヒルは、こころもち半眼になりながら、ターシエント侯爵に確認して、話を進めることにした。
キューブ傭兵団とターシエント侯爵以外の貴族が静かなのは、ターシエント侯爵が魔法をぶっ放して、静かにさせたから。
会議室の中で。
王城の会議室は、魔法使用禁止であるのに。
会議室で、怒号が飛び交うくらいなら、壁も屋根も壊れないが、気に食わんからと互いに魔法をぶっ放したら、死傷者続出である。
会議もへったくれもない。
会議室は、決闘をする場所ではない。
殴り合いにしろ、殺し合いにしろ、王城の会議室ではやるな。
次に使う人が使えなくなるだろう?
決闘したいなら、他人に迷惑のかからぬよう、決闘する場所を用意してからやれという決まりがある。
揉める度に、暗殺が横行するより、昼日中、目の届く範囲で、堂々とやり合える制度を用意しておけば、変死体の捜査に走り回らなくても済み、人件費が浮くという理由で出来た決まりだ。
決闘には、魔法の使用も認められているが、デヒルの感覚では、決闘する理由も今はない。
先手必勝で、ターシエント侯爵が一方的に魔法を叩きつけたのだ。
この人も自由人か、とデヒルは、ターシエント侯爵評を訂正する。
弟が自由人でも、可愛いから仕方ない、と思えるが、はるかに年上の他人だと、面倒だな、と感じるものだ。
「お年を召されても、現役でいらっしゃるの。」
フィリスは、のほほんと現状について感想を述べている。
ハーマルは、ターシエント侯爵の面倒な性分に気づいて、嫌そうにしている。
会議室をハーマルの名義でおさえたので、ターシエント侯爵に壁や備品を壊されたくない。
ハーマルのポケットの茶色い小鳥のチャーチャは、大人しくしている。
会議室から出なくても、ハーマルの体に害はないだろうが、縁もゆかりもないターシエント侯爵のせいで、説明を求められたり、始末書を書くのは、ご免だ。
ハーマルは、他人に迷惑をかけている自覚のない人間の厄介さを知っている。
苦労して纏めた話を台無しにする場面で、ちょくちょくお出ましになるタイプ。
相談する気なら、もっと早くに相談している。
終盤になって、全部ひっくり返すとか、何様?
ひっくり返したことに満足し、ひっくり返さなければどうなっていたことか、と詰られると、棺桶に詰めてやろうと毎回思う。
だって、自分の言いたいことを言って、やりたいことをやって、スッキリしているだけで、国の役に立っているわけじゃない。
ハーマルの嗅覚は、ターシエント侯爵に同じ匂いを嗅ぎとった。
関わりたくない。
その時。
デヒルとハーマルの心の声が、リエゾンした。
「ターシエント侯爵。」
デヒルは呼びかけた。
「動かれるなら、ガランがとるものをとった後に。ガランの取り分は先に確保する。」
「決断力も、動じなさも、ガランの次代は備えているのう。」
ターシエント侯爵が、好々爺のような台詞を口にしたので、デヒルは、ターシエント侯爵が、本件の後始末で、デヒルを働かせる気満々だな、と察した。
お眼鏡にかなった若造の実力がどれ程のものか、確かめておこうというスタンスが垣間見える。
デヒルは、御老公を求めてはいない。
普通の貴族家の当主と話はしてみたいが、御老公は、厄介事を持ち込むから、いらん。
デヒルは、こころもち半眼になりながら、ターシエント侯爵に確認して、話を進めることにした。
キューブ傭兵団とターシエント侯爵以外の貴族が静かなのは、ターシエント侯爵が魔法をぶっ放して、静かにさせたから。
会議室の中で。
王城の会議室は、魔法使用禁止であるのに。
会議室で、怒号が飛び交うくらいなら、壁も屋根も壊れないが、気に食わんからと互いに魔法をぶっ放したら、死傷者続出である。
会議もへったくれもない。
会議室は、決闘をする場所ではない。
殴り合いにしろ、殺し合いにしろ、王城の会議室ではやるな。
次に使う人が使えなくなるだろう?
決闘したいなら、他人に迷惑のかからぬよう、決闘する場所を用意してからやれという決まりがある。
揉める度に、暗殺が横行するより、昼日中、目の届く範囲で、堂々とやり合える制度を用意しておけば、変死体の捜査に走り回らなくても済み、人件費が浮くという理由で出来た決まりだ。
決闘には、魔法の使用も認められているが、デヒルの感覚では、決闘する理由も今はない。
先手必勝で、ターシエント侯爵が一方的に魔法を叩きつけたのだ。
この人も自由人か、とデヒルは、ターシエント侯爵評を訂正する。
弟が自由人でも、可愛いから仕方ない、と思えるが、はるかに年上の他人だと、面倒だな、と感じるものだ。
「お年を召されても、現役でいらっしゃるの。」
フィリスは、のほほんと現状について感想を述べている。
ハーマルは、ターシエント侯爵の面倒な性分に気づいて、嫌そうにしている。
会議室をハーマルの名義でおさえたので、ターシエント侯爵に壁や備品を壊されたくない。
ハーマルのポケットの茶色い小鳥のチャーチャは、大人しくしている。
会議室から出なくても、ハーマルの体に害はないだろうが、縁もゆかりもないターシエント侯爵のせいで、説明を求められたり、始末書を書くのは、ご免だ。
ハーマルは、他人に迷惑をかけている自覚のない人間の厄介さを知っている。
苦労して纏めた話を台無しにする場面で、ちょくちょくお出ましになるタイプ。
相談する気なら、もっと早くに相談している。
終盤になって、全部ひっくり返すとか、何様?
ひっくり返したことに満足し、ひっくり返さなければどうなっていたことか、と詰られると、棺桶に詰めてやろうと毎回思う。
だって、自分の言いたいことを言って、やりたいことをやって、スッキリしているだけで、国の役に立っているわけじゃない。
ハーマルの嗅覚は、ターシエント侯爵に同じ匂いを嗅ぎとった。
関わりたくない。
その時。
デヒルとハーマルの心の声が、リエゾンした。
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