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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

914.70代の貴族は、ターシエント侯爵。古きを知る御仁には、目的があった。

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 デヒルは、ハーマルとフィリスの会話を聞いていた。

デヒル以外にも聞こえている。
お客様のうち、青褪めている貴族は、一言一句聞き漏らさなかった様子。

フィリスは、ハーマルの放った『分裂』という貴族への揶揄を聞いて、分裂する人間がいるなら、見てみたい、と突き進んだ。

犬にボールをとってこい、するように、
よし、斬ってこい。
とフィリスに言うわけにもいかない。
ハーマルは、なんと返すか頭を捻っている。

弟達は、静かになった。

デヒルは、背後が静かなうちに、話を進めることにした。

「ガランの当代の気質は、4男に流れたか。」
と70代の貴族。

父は姫気質ではないので、父とフィリスの内面は全く違うとデヒルは思う。
父とフィリスの言動は、外野からすると、似ているように感じるのか。
家族を内から見るのと、外から見るのとでは、随分違う。

70代の貴族は、年齢的に、デヒルの祖父である先代との面識もありそうだ。

不慮の死を遂げた先代ガラン家当主のことを徒に口にしない彼は、良識があるのだろう。

ガラン家の先代当主に対する思い入れが深いほど、当代当主であるダルクに対する評価が辛くなる傾向にあるのは、身に沁みている。

70代の貴族のような忌憚のない外野の意見は、貴重だ。
デヒルは、静かに相対している。
「ガランは、ビーイット公爵家についての調査を済ませた。次の段階に移る。」
とデヒル。
「ガランと同じ未来を見るか、愚行を認識できない無能と共倒れするか、選べ。」

「ガランの次代よ。それは、どこまでだ?」
と70代の貴族。

「ガランに、知らぬ存ぜぬが通用すると考えている者は、いらん。」
とデヒル。

「だ、そうだぞ?」
70代の貴族は、おかしそうに、他の面々を見る。

「ターシエント侯爵。」
呼びかけられた70代の貴族は、キューブ傭兵団に、何かね?と手で促した。

「閣下は、どちらなんですか?」
とキューブ傭兵団。

現役の侯爵に、直球とは、怖いもの知らずなのか?
キューブ傭兵団を代表している男は、廃棄だな。
デヒルは、胸の内で、分別を進めていく。

「儂が愚か者かと面と向かって聞いてきたのは、おヌシが初よ。」
とターシエント侯爵。

「ターシエントが、キューブ傭兵団との付き合いを減らした間に、キューブ傭兵団の中身は、どこの手下と入れ替わったか、確かめねばならん。のう?
コーハ王国の貴族が、キューブ傭兵団という貴族の縁者を使い、自国の公爵家を陥れようと行動に移したとの証言も得てしまったからには、捨て置くわけにもいかん。齢70にして、反逆の徒をひっつかむことになろうとは。長生きしてはみるものよ。」
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