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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
897.ビーイット公爵家の当主の護衛シーリ・ポート視点で語られるビーイット公爵家の当主夫人と3人の子ども。
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ボクがお腹の中で、密かに計画を温めている間に、シーリ・ポートも決心がついた様子。
「公爵家のご当主夫妻と末のお子様であるご長女のナークルアンジュ様は、公爵家に相応しいお人柄です。」
とシーリ・ポート。
出てこない名前が意味することは?
ボクは、続きを待った。
「ご長男のイリダ様は、物心がついたあたりから、時代がかった言動が始まり、長ずるにつれ、周囲を見下す態度をとるようになりました。」
イリダ殿の人格への違和感を感じていたのは、ボクだけではなかった。
「マルビル様は、幼少期から、女性らしさのあるものを好むきらいがありました。長ずるにつれて、男性としての己の在り方を嫌悪し、妹のナークルアンジュ様が公爵令嬢であることを憎まれるようになりました。」
マルビル殿は、公爵令嬢になりたかったのかしら?
ナークルアンジュ様というのが、ビーイット公爵家のご令嬢の名前。
イクス・メラー伯爵子息とその取り巻きは、ナークルアンジュ・ビーイットという公爵令嬢をご令嬢の鑑と表現していた。
命を失う結果になったのは本人達の浅慮が大きな原因だったとはいえ、ナークルアンジュというご令嬢のために、複数の若者が、近衛の職務を投げ出し命をかける程、尽くすことを選んでいる。
コーハ王国の近衛は、簡単になれる職業ではない。
近衛になるために、なってからも、日々の研鑽が欠かせない。
その時間を全てないものにしてしまうことを厭わないほどに、ナークルアンジュという公爵令嬢に望まれたことをしようとした。
ナークルアンジュ・ビーイットは、若者をその気にさせて、自分の思惑通りに動かせる人物。
実行犯との関わりを示す証拠は残さず、自分の手も汚さない。
ナークルアンジュ・ビーイット公爵令嬢は、イリダ殿の影に隠れていたけれど、大物だと思うの。
油断大敵なの。
ラウルは、渡さないの。
「ビーイット公爵家の家中で、長男と次男は、公爵家の子どもとして異質だと認識されていたか?」
とデヒルお兄様。
シーリ・ポートの話では、イリダ殿とマルビル殿は、公爵家の鼻つまみ者に聞こえるの。
「イリダ様もマルビル様も、ビーイット公爵家の長男と次男としての常識が一向に身につかなかったのです。
どんな教師をつけようが。ご当主夫妻がどれ程親身になろうが。
イリダ様とマルビル様は、頑なに、ビーイット公爵家の人間としての常識を拒否し続けました。」
とシーリ・ポート。
「公爵夫人の音沙汰は、全く聞かないな。」
とデヒルお兄様。
そういえば、お兄様のおっしゃる通り。
ビーイット公爵夫人の存在は希薄なの。
公爵夫人について、シーリ・ポートは、公爵の護衛視点で、公爵家らしい、と評価していたのに。
世間に登場しない理由があるのかしら。
「ご当主も奥様も、イリダ様とマルビル様の異常さに気づき、イリダ様とマルビル様を矯正しようと精力的に取り組みました。」
とシーリ・ポート。
「今に至るまで、矯正の成果は、全くありませんでした。成果が出ない中、イリダ様とマルビル様は、ご当主の不在時に、奥様と一悶着を起こしました。現在、奥様は、長期療養に入り、今も別宅でお過ごしです。」
とシーリ・ポート。
「ナークルアンジュ様は、奥様とのご面会が可能ですが、ご当主はナークルアンジュ様とご一緒しなくては、奥様と面会できません。」
とシーリ・ポート。
公爵夫人は、長男と次男と揉めてから、男性が怖くなった、模様。
イリダ殿とマルビル殿と、母である公爵夫人と揉めたときに、何かがあった。
成人男性として、か。
成人に近い体躯を活かして、か。
考えられること、としたら。
母である公爵夫人に、暴力をふるったり、暴言を吐いたりして、従わせようとしたのかしら。
ビーイット公爵夫人は、ビーイット公爵家とイリダ殿とマルビル殿の将来が、悪いものにならないように、イリダ殿とマルビル殿を矯正しようとしていたけれど、イリダ殿とマルビル殿は、矯正されるのを良しとしなかった、と。
心を砕いてきた息子に反発されて、暴力をふるわれたら、どんな反応をするかしら?
公爵夫人になるような貴族令嬢が、暴力への耐性などあろうはずがない。
貴婦人だもの。
暴力をふるわれたら、さぞかし、怖かっただろうと思うの。
しかも、将来を案じている息子からの暴力。
さぞかし、心も体も傷つき、疲弊したと思うの。
ビーイット公爵家には、末の子ども、ナークルアンジュ・ビーイットが、ビーイット公爵家の名に相応しいと家人の評価を得ていた。
問題のある長男と次男をどうにかして、娘を後継ぎに据え直すだけの方が、ビーイット公爵家には簡単だったのに、公爵家の当主夫妻は、長男と次男に向き直うことを選んだ。
夫妻で、息子達の矯正に取り組んだということは、ビーイット公爵夫妻の夫婦仲も悪くないと思うの。
長男次男のせいで、夫である自分を恐れるようになった妻をビーイット公爵は、どう受け止めたかしら。
ビーイット公爵家のご当主が、長男と次男ではなく、長女のナークルアンジュ嬢を後継ぎに推す計画が、ビーイット公爵家の家中で、進んでいる可能性は、限りなく高いの。
それと。
イリダ殿とマルビル殿が、頑なに、常識の受け入れを拒否したのは、おそらく、2人共、転生者で、前世の意識が強すぎるせいじゃないかしら。
「公爵家のご当主夫妻と末のお子様であるご長女のナークルアンジュ様は、公爵家に相応しいお人柄です。」
とシーリ・ポート。
出てこない名前が意味することは?
ボクは、続きを待った。
「ご長男のイリダ様は、物心がついたあたりから、時代がかった言動が始まり、長ずるにつれ、周囲を見下す態度をとるようになりました。」
イリダ殿の人格への違和感を感じていたのは、ボクだけではなかった。
「マルビル様は、幼少期から、女性らしさのあるものを好むきらいがありました。長ずるにつれて、男性としての己の在り方を嫌悪し、妹のナークルアンジュ様が公爵令嬢であることを憎まれるようになりました。」
マルビル殿は、公爵令嬢になりたかったのかしら?
ナークルアンジュ様というのが、ビーイット公爵家のご令嬢の名前。
イクス・メラー伯爵子息とその取り巻きは、ナークルアンジュ・ビーイットという公爵令嬢をご令嬢の鑑と表現していた。
命を失う結果になったのは本人達の浅慮が大きな原因だったとはいえ、ナークルアンジュというご令嬢のために、複数の若者が、近衛の職務を投げ出し命をかける程、尽くすことを選んでいる。
コーハ王国の近衛は、簡単になれる職業ではない。
近衛になるために、なってからも、日々の研鑽が欠かせない。
その時間を全てないものにしてしまうことを厭わないほどに、ナークルアンジュという公爵令嬢に望まれたことをしようとした。
ナークルアンジュ・ビーイットは、若者をその気にさせて、自分の思惑通りに動かせる人物。
実行犯との関わりを示す証拠は残さず、自分の手も汚さない。
ナークルアンジュ・ビーイット公爵令嬢は、イリダ殿の影に隠れていたけれど、大物だと思うの。
油断大敵なの。
ラウルは、渡さないの。
「ビーイット公爵家の家中で、長男と次男は、公爵家の子どもとして異質だと認識されていたか?」
とデヒルお兄様。
シーリ・ポートの話では、イリダ殿とマルビル殿は、公爵家の鼻つまみ者に聞こえるの。
「イリダ様もマルビル様も、ビーイット公爵家の長男と次男としての常識が一向に身につかなかったのです。
どんな教師をつけようが。ご当主夫妻がどれ程親身になろうが。
イリダ様とマルビル様は、頑なに、ビーイット公爵家の人間としての常識を拒否し続けました。」
とシーリ・ポート。
「公爵夫人の音沙汰は、全く聞かないな。」
とデヒルお兄様。
そういえば、お兄様のおっしゃる通り。
ビーイット公爵夫人の存在は希薄なの。
公爵夫人について、シーリ・ポートは、公爵の護衛視点で、公爵家らしい、と評価していたのに。
世間に登場しない理由があるのかしら。
「ご当主も奥様も、イリダ様とマルビル様の異常さに気づき、イリダ様とマルビル様を矯正しようと精力的に取り組みました。」
とシーリ・ポート。
「今に至るまで、矯正の成果は、全くありませんでした。成果が出ない中、イリダ様とマルビル様は、ご当主の不在時に、奥様と一悶着を起こしました。現在、奥様は、長期療養に入り、今も別宅でお過ごしです。」
とシーリ・ポート。
「ナークルアンジュ様は、奥様とのご面会が可能ですが、ご当主はナークルアンジュ様とご一緒しなくては、奥様と面会できません。」
とシーリ・ポート。
公爵夫人は、長男と次男と揉めてから、男性が怖くなった、模様。
イリダ殿とマルビル殿と、母である公爵夫人と揉めたときに、何かがあった。
成人男性として、か。
成人に近い体躯を活かして、か。
考えられること、としたら。
母である公爵夫人に、暴力をふるったり、暴言を吐いたりして、従わせようとしたのかしら。
ビーイット公爵夫人は、ビーイット公爵家とイリダ殿とマルビル殿の将来が、悪いものにならないように、イリダ殿とマルビル殿を矯正しようとしていたけれど、イリダ殿とマルビル殿は、矯正されるのを良しとしなかった、と。
心を砕いてきた息子に反発されて、暴力をふるわれたら、どんな反応をするかしら?
公爵夫人になるような貴族令嬢が、暴力への耐性などあろうはずがない。
貴婦人だもの。
暴力をふるわれたら、さぞかし、怖かっただろうと思うの。
しかも、将来を案じている息子からの暴力。
さぞかし、心も体も傷つき、疲弊したと思うの。
ビーイット公爵家には、末の子ども、ナークルアンジュ・ビーイットが、ビーイット公爵家の名に相応しいと家人の評価を得ていた。
問題のある長男と次男をどうにかして、娘を後継ぎに据え直すだけの方が、ビーイット公爵家には簡単だったのに、公爵家の当主夫妻は、長男と次男に向き直うことを選んだ。
夫妻で、息子達の矯正に取り組んだということは、ビーイット公爵夫妻の夫婦仲も悪くないと思うの。
長男次男のせいで、夫である自分を恐れるようになった妻をビーイット公爵は、どう受け止めたかしら。
ビーイット公爵家のご当主が、長男と次男ではなく、長女のナークルアンジュ嬢を後継ぎに推す計画が、ビーイット公爵家の家中で、進んでいる可能性は、限りなく高いの。
それと。
イリダ殿とマルビル殿が、頑なに、常識の受け入れを拒否したのは、おそらく、2人共、転生者で、前世の意識が強すぎるせいじゃないかしら。
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