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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

886.異次元の4龍は、ガラン領が気に入った様子。

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神獣トラと地場産の龍が輪唱している。

龍は、池と空を行ったり来たりしながら。
池の中に潜っていても、声が響くのは、龍だから?

ダルクは、ガランならではだなあと見守っていた。

ガラン領の神獣は、長閑な風景に溶け込んで一体化する。

ビーイット公爵領のフェンリルを見た後なだけに、ダルクは、この長閑さを守りたいと強く思った。

「龍、トラ。」
と声をかけてから、空中を滑るように近づくダルク。

「「ダルク。」」
龍とトラがダルクを認識する。

龍は、昇降運動を続けており、今は空へ昇っていくところ。

「輪唱が聞こえてきたよ。4龍が、異次元からこの世界を見に来ていて、私と世界を見て回る予定をしている。4龍は、ガラン領を拠点に動くことになるから、龍とも顔合わせしておきたいんだ。」
とダルク。

ダルクの横には、4龍が並んだ。
ダルクと4龍は、龍の昇降運動運動に合わせて、空に向かう。

「水龍、火龍、風龍、地龍だよ。」
とダルクは、4龍を紹介し、4龍には、うちの龍だよ、と紹介した。

「うちの龍は、池と空を行ったり来たりして暮らしているから、龍の通り道は空けて通ってくれるかい?」
とダルクは、4龍に頼んでいる。

ダルクにとって、たとえ龍でも、ガラン領に棲んでいる龍は、守る対象なのだ。

4龍は、龍に会って、何かを感じ取ったのか、何も感じなかったのか、龍には何も言わなかった。

龍も、4龍に話すことは何もないようだ。

ダルクは、龍とトラに、別れを告げる。

龍とトラから離れてから、4龍は、ダルクに話しかけた。
「調和が美しい。」

「龍が永く暮らせるのは、土地と人のバランスがとれている証拠。」

「池を中心に心地良い波長が、ひろがっていた。」

「ダルクの『うち』は良いところ。」

ダルクは、4龍の感想を楽しく聞いている。

龍が好むなら、ガラン領は安泰だ。

さて、嫡男デヒルのところへ向かうとしよう。

デヒルは、父ダルクが来るのを待っているだろう。

父子で情報のすり合わせをしたら、デヒルは王都で、後片付けというお仕事がある。

デヒルが出発する前に、4龍との顔合わせはしておかないと。

「うちの長男に会いに行くよ。」
ダルクは、4龍と屋敷を目指す。
「うちに棲んでいる神獣とは、滞在中に会ったら、紹介していくから。」

「楽しみだ。」

「心躍る。」

「『うち』は善きかな。」

「心地よい住処。」

4龍は、ヒゲを動かしたり、頭を上下させたり、体を動かして体勢を変えたりして、心情を表している。

4龍が異次元に帰らず、棲み着くと言い出すかもしれないなあとダルクは思った。

先住者を尊重して暮らしてくれるなら、4龍がガラン領に棲み着いても、異次元と行き来しても、ダルクは一向に構わない。

ガラン領は、神様にとって、棲みたくなる土地。

異次元の龍の攻撃は、神罰とも言えるほどの苛烈さなので、デヒルには話をしておかないと。

ガラン領の固有種である神獣ウサギは、外からの侵入者が気に食わないと、喰って排除しているが、異次元の龍は、雷を落っことす。

ガラン領にだけ、雷がやたらめったら落ちては、悪目立ちしてしまう。

いらない訪問者は、気づかれないように、静かにひっそりと消すのが基本。

4龍がガラン領を気に入ったのなら、気に入った場所を変えようとする要因は気に入らないと排除するだろう。

神様の本能で、考えるより先に、雷が出る。

世界を見て回る前に、4龍対策がいる。

もし、どっかの誰かが、ガラン領を侵略しようもんなら、神罰炸裂しまくりになりそうだ。

侵入者に神罰が適用されるような土地だと、認識されると、今以上に、利用したい連中や横取りしたい連中が勢い付く未来が見える。

めちゃくちゃ面倒で、物騒極まりない。

近未来を予想し、早めに対策をしよう、とダルクは思った。
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