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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
884.神獣トラは、跳躍が得意。ガラン領に棲む龍と神獣トラは仲良し。
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ダルクと4龍が、ガラン領の龍に会いにいこうとした矢先。
山や川を跳躍して近づいてくる神獣がいた。
「ダルク。客かー。」
「トラ。異次元から来た水龍、火龍、風龍、地龍だよ。期間は分からないけれど、うちに滞在しながら、この世界を私と一緒に見て回ることになったから、暫くいるよ。」
やってきたのは神獣トラ。
跳躍が得意で、山も川もジャンプで跳び越える。
単独行動を好み、ジャンプで移動した先で、気の向くままに過ごしている。
ガラン領の龍とは、気が合うらしく、時々、仲良く話している。
ダルクは、4龍に神獣トラを紹介する。
「神獣トラ。うちの山や川を跳び越えて移動しているよ。」
「トラ。これから、私達は、龍に会いに行くんだけど、トラもかな?」
「その通り。」
「トラは、龍に会いに4龍が来たら、龍はびっくりすると思うかい?」
「びっくりするだろう。」
とトラ。
「トラも私達と一緒にびっくりさせる側に入る?それとも、龍がびっくりする前に、先に龍に会いにいっておく?」
とダルク。
「先に行く。」
神獣トラは、ダルク達に尾を振って、一足先に龍のところへ。
4龍は、その様子を見て、意思を尊重するとは、このことか、と感想を洩らしている。
意思を尊重する、とは、神獣の言いなりになることではない。
神獣と人間が互いに気持ちよく過ごせるように、取り計らう。
強制やお願いはしない。
誘導や代替案を交えて交換を促す。
神獣がその心を煩わされることなく、気ままに暮らすために、思考するのが得意な人間が頭を使う。
これぞ、ガラン領が神獣と共存共栄してきた秘訣。
神獣に無理をさせないことが、ガラン領を豊かにしてきた。
神獣が心のままに暮らす土地は、土地にストレスがないく、神獣の感覚が反映されて、豊かな土地になりやすい。
豊かな土地で共存共栄していくために、欺瞞は人間が担当する。
神様と永く仲良く暮らすには、人間が無理をしすぎないこと。
ガラン領は、そうやって、栄えてきた。
ガラン家が、他領を含めて外からの侵入者を警戒するのは、ひとえに、神様と人とが手を携えてきた偉業を理解して受け継ぐ文明が、他の地域では根付かなかったからにほかならない。
神様と人の共存共栄のバランスが崩れたガラン領は、簡単に世界の災厄となり得る。
代々の当主が、独自の外交ルートを築くのは、世界有数の資産家が商売するためだけではない。
世界の動静を見ながら、川の流れに竿をさしたり、川の流れそのものを変えたりして、時代にあった調整をひっそりと担ってきた。
過去には、ガラン領の豊かな土地は、天からの贈り物なので、この世界の住人で恵みを分かち合うべき、と主張するような人間もいた。
勿論、影も形もなく滅ぼしたが。
ガラン家の先代当主は、世界の調整がうまかった。
人気者でありながら、表に出ない工作や舞台作りを積極的に行っていた。
ダルクは、自国の王家から睨まれていたために、成人前から、国外でも、知られていた。
先代当主にならい、先代当主と同じ様に、隠れて色々するには、悪評と共に、名前を知られすぎていた。
現在、ダルクは、父とは反対に、堂々と介入したり、立ち回ったりしている。
異世界の祟り神を従えている時点で、ダルクは、人としての異質さを醸し出していたが、龍も一緒となると、果たして異質扱いで済むだろうか?
目立つことも、狙われることも今更だから、対策だけは怠らずにしておこうと、ダルクは思う。
ダルクの守りたいもののために。
山や川を跳躍して近づいてくる神獣がいた。
「ダルク。客かー。」
「トラ。異次元から来た水龍、火龍、風龍、地龍だよ。期間は分からないけれど、うちに滞在しながら、この世界を私と一緒に見て回ることになったから、暫くいるよ。」
やってきたのは神獣トラ。
跳躍が得意で、山も川もジャンプで跳び越える。
単独行動を好み、ジャンプで移動した先で、気の向くままに過ごしている。
ガラン領の龍とは、気が合うらしく、時々、仲良く話している。
ダルクは、4龍に神獣トラを紹介する。
「神獣トラ。うちの山や川を跳び越えて移動しているよ。」
「トラ。これから、私達は、龍に会いに行くんだけど、トラもかな?」
「その通り。」
「トラは、龍に会いに4龍が来たら、龍はびっくりすると思うかい?」
「びっくりするだろう。」
とトラ。
「トラも私達と一緒にびっくりさせる側に入る?それとも、龍がびっくりする前に、先に龍に会いにいっておく?」
とダルク。
「先に行く。」
神獣トラは、ダルク達に尾を振って、一足先に龍のところへ。
4龍は、その様子を見て、意思を尊重するとは、このことか、と感想を洩らしている。
意思を尊重する、とは、神獣の言いなりになることではない。
神獣と人間が互いに気持ちよく過ごせるように、取り計らう。
強制やお願いはしない。
誘導や代替案を交えて交換を促す。
神獣がその心を煩わされることなく、気ままに暮らすために、思考するのが得意な人間が頭を使う。
これぞ、ガラン領が神獣と共存共栄してきた秘訣。
神獣に無理をさせないことが、ガラン領を豊かにしてきた。
神獣が心のままに暮らす土地は、土地にストレスがないく、神獣の感覚が反映されて、豊かな土地になりやすい。
豊かな土地で共存共栄していくために、欺瞞は人間が担当する。
神様と永く仲良く暮らすには、人間が無理をしすぎないこと。
ガラン領は、そうやって、栄えてきた。
ガラン家が、他領を含めて外からの侵入者を警戒するのは、ひとえに、神様と人とが手を携えてきた偉業を理解して受け継ぐ文明が、他の地域では根付かなかったからにほかならない。
神様と人の共存共栄のバランスが崩れたガラン領は、簡単に世界の災厄となり得る。
代々の当主が、独自の外交ルートを築くのは、世界有数の資産家が商売するためだけではない。
世界の動静を見ながら、川の流れに竿をさしたり、川の流れそのものを変えたりして、時代にあった調整をひっそりと担ってきた。
過去には、ガラン領の豊かな土地は、天からの贈り物なので、この世界の住人で恵みを分かち合うべき、と主張するような人間もいた。
勿論、影も形もなく滅ぼしたが。
ガラン家の先代当主は、世界の調整がうまかった。
人気者でありながら、表に出ない工作や舞台作りを積極的に行っていた。
ダルクは、自国の王家から睨まれていたために、成人前から、国外でも、知られていた。
先代当主にならい、先代当主と同じ様に、隠れて色々するには、悪評と共に、名前を知られすぎていた。
現在、ダルクは、父とは反対に、堂々と介入したり、立ち回ったりしている。
異世界の祟り神を従えている時点で、ダルクは、人としての異質さを醸し出していたが、龍も一緒となると、果たして異質扱いで済むだろうか?
目立つことも、狙われることも今更だから、対策だけは怠らずにしておこうと、ダルクは思う。
ダルクの守りたいもののために。
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