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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

871.任された仕事を途中で投げ出す羽目になったのは貴方様のせい。貴方様から、私の意思で仕事を放り出していない、と仕事の依頼主に説明して。

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ボクが墓に向かっていくと8番手がついてきた。8番手が動くから9番手もついてくる。

「墓が気になるんですか?」
と8番手。

ついてきたから、事情聴取でもしようかしら。
「キミの執事以外の2人とキミ達は、この土地に来る前に、面識があったかしら?」

「面識というか、先に現地入りしている人と力を合わせるように、とイリダ様から聞いていました。」
と8番手。

「先に現地入りした2人とは、2人が生きている間に会っているのかしら?」

「あ、はい。」

「キミ達が、この土地に来てから、どれくらい経っているのかしら?」

「分かりません。この土地に来て、日付けを気にしている暇はありませんでした。」
と8番手。

日付けが分からない?
報告書は書かないのかしら?
口頭だけで済ます予定なのかしら?
公爵家の嫡子の命令に?

8番手は、お仕事をしたことがないのかしら。

分かりません、出来ません、しか回答しない部下。
ボクは、使う気にはならないけれど。
イリダ殿は、何の目的で、8番手を送り込んだのかしら。

目的は、8番手じゃなく、執事と9番手で、そちらを使いたくて、8番手を引っ張り出した、とか?

「こちらに埋葬されている3人が、亡くなったのは、いつかしら?」

投入した人が亡くなったから、人を追加投入していったのか、最初から、追加投入を予定していたのか。

「私達は、最初、村の人達とうまくいっていました。村長みたいな人達が、私達に気づいて、捕まってしまい、この土地に追いやられました。捕まった時の怪我がもとで、3人は、亡くなりました。」

「キミと護衛が生きていて、3人が亡くなった。違いは何かしら?」

「亡くなった3人は、イリダ様の計画の相談をしていました。私は、計画が成功したら、村長になるので、自分の村の住人をよく知ろうと交流していました。詳しいことは、何も分かりません。」
と8番手。

ビーイット公爵家から送り込まれてきた人間のうち、参謀や実務担当を拷問して弱らせた可能性はあるの。

8番手と9番手は、生きていても、害にならないから、2人共捨て置かれたということになるのかしら。

「8番手のお家は、ビーイット公爵家の分家以外に、何か独自のお仕事をしているのかしら?商売だとか。」

「分かりません。考えたこともありません。公爵家の分家なんだから、仕事はしなくても困っていなかったと思います。」
知ったかぶりをせずに、分かりません、と言えるのは正直だと思うの。

8番手自身の発言によれば、8番手は、家のことを何にも知らないということにならなる。

「8番手は、ビーイット公爵家の嫡子イリダ殿に直接会って、命令されたのかしら?」

「あ、はい。直接です。」

「どうやって、かしら?イリダ殿が、8番手の家に遊びにきたのかしら?」

分家とはいえ、平民の8番手と、公爵家の嫡子イリダ殿が、仕事を依頼して引き受けるような接点を持ち得るには、間に何人か挟んでいても不思議ではないの。

「いいえ、仲介してもらいました。ビーイット公爵家の次期当主の部下になれる人物を探していて、見込みがありそうな若者には広く声をかけているので、お会いしてみないかと。正式に部下になるまで、イリダ様の部下だと言うことは出来ません。」
と8番手。

8番手は、自分が知っていることなら、トンチンカンなことを言わないのかしら。

「いつ、どうやったら、部下になったと分かるのかしら?」

「私は、この土地の村長になって、不法占拠しているやつらから、土地を取り戻すという課題をクリアしたら、引き立てられると決まっていました。」

イリダ殿は、ボクにも、似たようなことを言っていたの。
イリダ殿の部下に取り立てられるなんて、ボクには苦役としか思えないけれど、イリダ殿は、報奨になると考えているのかしら。

「そう。」

「貴方様のせいで、課題はクリア出来ないんですから、イリダ様には、貴方様から説明してください。私は、最後まで仕事を投げ出す気はなかったのに、貴方様が投げ出させたのだと。」
8番手は、ボクを前にして、堂々と戯言を言ってのけた。
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