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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

868.団員は、コーハ王国の貴族の血を引く子どもとその子孫だけの傭兵団。団員のバックにコーハ王国の貴族がチラつく。それが、キューブ傭兵団。

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「2番手は、キミ?」
ボクは、問いかけ返しの男性に確認する。

「キューブ傭兵団の第3部隊長。コーハ王国のビーイット公爵領へは仕事できた。」
と問いかけ返しの男性。

隊長が名乗った後だからか、続けて5人が、キューブ傭兵団の第3部隊所属を表明した。

3番手から7番手までは、キューブ傭兵団に所属しているが、階級はなし。

キューブ傭兵団。
世界中にいくつもある小規模な傭兵団の1つ。

コーハ王国に本拠地がある。

キューブ傭兵団の団員は、コーハ王国民なの。

キューブ傭兵団が関わっているということは、ビーイット公爵家以外にも、コーハ王国内の貴族が口出ししてくる案件なの。

厄介事のハードルが、ボクの目の前で勝手に上がっていくのは、どうしてかしら。


キューブ傭兵団は、コーハ王国の貴族のいくつかが設立に関わっている。

コーハ王国貴族と平民との間に生まれた子どもと、その子孫の就職先の1つ。

コーハ王国貴族の血筋や情報を外に流出させないために、子どもの就職先の1つとして、いくつかの貴族家が合同で立ち上げたのが、キューブ傭兵団。

キューブ傭兵団の団員は、以下の3つの最低条件を満たすことを求められている。
1つ。
団員は、コーハ王国の貴族の血を引くこと。
2つ。
キューブ傭兵団は、コーハ王国の貴族からの依頼を優先して受けること。
3つ。
キューブ傭兵団は、コーハ王国に敵対する依頼は受けないこと。

キューブ傭兵団の扱いには、コーハ王国内の就職事情を知っておくと、失敗しないの。



コーハ王国の近衛は、貴族子弟、貴族子女の就職先として、国内外から高く評価されているの。
いわゆる花形。

貴族の家に生まれて、運動が嫌いでなければ、1度は近衛を就職先の候補に入れると聞いたことがあるの。


コーハ王国は、生物学上の両親が貴族以外の子どもは貴族ではない。

コーハ王国の貴族でない者は、コーハ王国の近衛にはなれない。

コーハ王国が階級社会であることをふまえた上で、1つ1つ、考えていくの。


コーハ王国の戦闘職は、近衛と騎士と衛兵、軍人があるの。

騎士、衛兵、軍人は、公務員。平民の就職先として、人気なの。

衛兵の志願者は、コーハ王国民のうち、平民に限定。
衛兵は、街の治安維持や、平民同士のトラブルの対処にあたるのが、主なお仕事。


軍人は国の軍隊に所属。
軍人の志願者へ課せられる条件は、2つ。

1つ。
コーハ王国民であること。
2つ。
コーハ王国への忠誠を違えないこと。

この2つの条件をクリアした者は志願できる。

貴族でも、平民でも、志願は可能。
募集段階から、階級ではねられることはない。

次は、騎士について。

コーハ王国が、王都で募集をかけている騎士。
戦場で前線に立つ騎士は、少ないの。

戦時中は、街の治安と住人を守り、担当の街が侵略されるのを防ぐのが、騎士の主なお仕事。
戦いは、防衛が主体になってくる。

平時は、町中の治安維持や警備などの警察的な仕事が多いの。

コーハ王国で、街中で起こる貴族の絡むトラブルは、騎士が担当する。

貴族絡みの対処が必要な事件が起きると、コーハ王国では、衛兵ではなく騎士を呼ぶの。


軍人はコーハ王国民なら、貴族であろうと平民であろうと、就職できる。
階級があるため、出世するもしないも、分かりやすい。

軍人と騎士を比較するの。

軍人は、騎士とは異なり、軍人として出世しなくては1代貴族になれない。

騎士は、騎士になった日から、貴族階級の一員として扱われ、平民に一目置かれるようになる。

戦争が起きたとき。
戦場に行く必要がなく、末端とはいえ貴族階級になれる騎士は、平民に人気の就職先なの。

騎士になるには、試験に合格する必要があるの。

騎士を目指す平民は、国民学校に通って、騎士の試験に合格することを目指す。
コーハ王国において、衛兵と騎士は、両親共に平民の志願者が多く、片親が貴族の志願者は少数派。


ここまでが、前提。

貴族の血を引く子どもを平民として社会に溶け込ませるなら、騎士や衛兵は手堅い就職先。

ただし、平民の社会に我が子を溶け込ませたくない貴族の親や、平民の社会とは距離をおきたい子どももいるの。

そういった親子が、子どもの就職先として、キューブ傭兵団を検討する。

つまり。
キューブ傭兵団の団員は、コーハ王国の貴族と密な関係があるの。

両親のうち貴族の方が、衛兵や騎士になる以外の選択肢として、キューブ傭兵団を我が子に示し、家も後押しした。

親ではなく、祖父母より前の代に貴族がいるなど、貴族の血が薄まってきても、貴族の血筋を頼ることが可能な関係を貴族との間に築いている。

キューブ傭兵団の所属だと明言することは、コーハ王国の貴族と関係があると言っているも同然なの。
キューブ傭兵団特有のこの2つの事情を考慮に入れる必要があるの。

所属と階級を尋ねておいて良かったの。
必要だから、確認したのだけれど。
キューブ傭兵団の団員が、他殺体で発見された現場にいたとなると、ボクが痛くもない腹を探られる案件だもの。

1番手のフリーの傭兵は、キューブ傭兵団の団員ではなかった。
もし、1番手がコーハ王国の貴族の血を引いていても、貴族との関係性は深くない。
もしくは、両親共に平民から生まれた平民。
はたまた、外国人。

これらのことが推測できる。

キューブ傭兵団が、ボクに出自を悟らせたように、ボクの情報も、悟らせることにするの。

「2番手から7番手までは、コーハ王国の貴族と繋がりがあるコーハ王国の平民と理解しておくの、ボク。」

ボクの言い方で、2番手を含む半分は、ボクが貴族だと理解した様子。

状況把握は、正確に素早くなの。

次にいくの。
「8番手は?」
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