上 下
857 / 1,412
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

858.フェンリルの力を宿す子どもがいない家族は、底辺になる? 男女の交合だけで出来る子どもじゃダメなの?

しおりを挟む
別の人は、言った。
「お前のせいで、フェンリル様の子種を頂けなかった女達の父と恋人と夫がお前に罰を与える。」

あんまりなの。
「ボクのせいじゃないの。」

ボクが話している間も、間の子がボクの体を上下していて、別の人は、たびたび、おっふ、おっふ、と漏らした。

「いいや、お前は罰を受ける。お前は裁かれた。」

裁判なんて、あったかしら?
「さっきのは判決なの?」

「そうだ。お前の罪に相応しい罰だ。」

「ボクは、罪なんて犯していないの。勝手に作って裁かないでほしいの。」

「わたしは裁きの番人。わたしの裁きは、正義。」

話が通じないの。

「キメるぞ。早くしろ。」
自称、裁きの番人の命令に間の子はボクの体を上下するスピードを上げていく。

「うおおお。搾り取られるううう。」
自称、裁きの番人がぶるぶるして、ボクから離れた。

また出されたの。

いや、嫌なの。

お腹の中に欲しくないの。

ボクの中が汚れちゃう。

早く洗い流さなくちゃ。

「さあ、裁きは下った。罰を与える時間だ。」
自称、裁きの番人の言葉で、男達がぞろぞろとボクの周りに集まってきたの。

全員、ズボンと下着を脱いで、下半身をさらけ出している。

見たくないのに、見せられているの。

「これからお前を犯す男達だ。お前は、フェンリル様の子種を奪った罰として、今から、全員に種付けされるのだ。」
自称、裁きの番人が、とんでもないことを言い出したの。

ボクを今から、全員で犯していくって。

「いやああ。」

ボクは、間の子によって、5人の女性がいる小屋に運ばれたの。

女性達は全員、化粧が崩れ、泣き腫らしたり、昏い目をしていた。

「この男がフェンリル様の子種を掠め取ったの?許さない。」

「大罪人め。」

「私達の人生を台無しにした悪者を処罰して。」

「苦しみに歪む顔が見たいわ。」

部屋には、5人の女性がいて、1人は、無言でボクを睨み、4人は敵意のこもった言葉を投げつけてきた。

「裁きは下った。フェンリル様の子種を独り占めしたこの男は、フェンリル様の力を宿す子どもの母になる機会を奪った罰として、母になるはずだった女の父、夫、恋人の無駄打ちする子種を腹にぶち込むことになっている。」
年嵩の男が説明する。

「嫌なの。子種なんて欲しくないの。」

「パパが、そいつをヤるわけ?」
と無言でボクを睨んできた女性。

「そうだよ。」

「ムカつく。」

「パパが、コイツに、ビュービューするところを見なさい。」

「パパ?と娘なのかしら?」
親子で、子どもを作るのかしら?
そういう文化かしら?

「お前はパパなんて、呼ぶな。あたし達の決意を踏みにじった極悪人なんだ。」
女性はボクを睨んだまま、ボクの前に来たの。

「子どもを作るのに、フェンリルの子種がないとダメなのかしら?男と女だけでは、できないのかしら?」

「出来てもただの子ども。そんな子どもが、出来ても意味ないじゃん。」
ボクの前にきた女性は吐き捨てるように言った。

「フェンリル様のお力を宿さない子どもなんている意味がないじゃん!」

女性は、恨みのこもった目でボクを睨む。

「せっかく、フェンリル様のお力を宿した子どもが、うちの家族になるところだったのに。」

「どういうことかしら?」

「うちには、フェンリル様のお力を宿した子どもがまだ1人もいないんだ。どれだけ肩身が狭い思いをしてきたか。やっと。やっと、悲願か叶うところだったのに。あんたのせいで、全部、台無しよ!うちは、もうだめ。底辺になってしまうんだわ。」
ボクの前に来た女性は、あんたのせいで、あんたのせいで、と叫び続けた。

ボクは、女性にかける言葉を持ち合わせていなくて、黙っている。

フェンリルの力を宿す子どもが家族にいることが、ステータスになる文化なのかしら。

ボクは、部屋の中を見回す。
この部屋の中にいる女性も男性も、普通の人間に見えるの。

間の子みたいな、人間のものとは思えない力があるようには見えない。

ボクは、そろっと神気を出してみたの。
全員、普通の人間の感じがする。

この部屋の男女は、叫んでいる女性をなだめないけれど、女性を非難する空気もない。

フェンリルの力を宿す子どもを作るために、父と娘がまぐわいをしなくてはいけないほどに、男女の交合だけで出来る子どもは無価値だと?

この集団は、フェンリルの力を宿す子どもを量産して何をしようとしているのかしら?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい

戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。 人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください! チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!! ※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。 番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」 「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

処理中です...