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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

846.好きな子のことで、知らないことを作りたくない。抱きしめて一緒に暮らせないなら、全部把握しておきたいと願い、実現させていた王子様。

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シドニーは、ジーンのお家に知らせにいき、ウィルソンと合流して、サージェ侯爵家へジーンのお迎えにいく予定でいた。

ウィルソンが到着するまで、ジーンの家で待機していたシドニーは、慌ただしい気配に気づいて、ジーンの家の家人達と出迎えに玄関へ向かった。

ジーンのご両親がとても慌てている様子。

シドニーは、思わず、ウィルソンを見てしまった。

ウィルソンの横には、第4王子フィリップ殿下の姿があった。

真夜中なのに。

そりゃ、ジーンの両親も慌てる。

ジーンがパートナーに選んだフィリスは、フィリップ殿下が唯一ご執心の相手。

フィリップ殿下が、ウィルソンを伴ってきた状態になっている。

どうして、そうなった?

ウィルソンの家にフィリップ殿下が泊まりにいっていたのか?

シドニーは、なんだ、このカオスと思いながら、フィリップ殿下とウィルソンと仲良く打ち合わせをしながらの移動だ。

別働隊としての任務の一貫で、フィリスとジーンは、ジーンの妹のフローレンの婚約者の家が主催する夜会に参加した。
シドニーは、フィリップ殿下とウィルソンにそう説明した。

以前、転移陣による拉致があったから、万が一のときのために、フィリスとジーンに持たせた秘密道具のうち、フィリスの方の秘密道具から拉致の反応があったため、迎えにいくことにしたとシドニーは説明を追加した。

「フィリップ殿下は、ウィルソンといつ合流されたんですか?」
とシドニー。

「ジーンの家の門。」
とフィリップ殿下。

「たまたま、ご助力いただくことになった。」
とウィルソン。

シドニーは、ゾッとした。

フィリスの動向に細心の注意を払って、見守っているんだなあ、なんて、シドニーは呑気に感動したりしない。

好きな相手の一挙手一投足を人をやって毎日監視していたりするのか?

好意が怖いレベルだ、昔から知っているけど。

何年経っても、変わらない想いっていうのは、出会ったときから完成形だったんだな。

理由は、サージェ侯爵家への道中に、フィリップ殿下ご自身の口から語られた。

「フィリスがジーンと今夜の夜会に出るから、会いにいく予定は立てていた。」
とフィリップ殿下。

「2人と、夜会の後にでしょうか?」
とシドニー。
知りませんでした、とシドニーは素直に謝罪した。

「殿下の予定であって、フィリスとジーンの予定は未確認だ。」
とウィルソン。

「夜会終了前に、迎えに行く準備は済んでいる。」
とフィリップ殿下。

夜会会場で出待ちして、帰ろうとしたところを連れていくつもりだったのか。

ジーンを?
フィリスを?
2人を?

フィリップ殿下の考えている計画は、拉致の定義に当てはまらなかったりするのか。
とシドニーは疑問に思った。

フィリップ殿下のフィリスに対する好意は、ブレることがない。

好意という名の執着におし負けず、はねのけ続けるフィリスは芯が強いとシドニーは思う。

今日の夜会にフィリップ殿下が乗り込んだら、どんな展開になることやら。
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