フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

841.わたしは布妖怪オリベ。『わたしは、フィリスの相棒。フィリスの危機は、見逃さない。うなれ、相棒パワー。助けを呼んでくるからね!』

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フィリスの相棒、布妖怪オリベは、妖怪だけあって、人間を知っている。

フィリスとフィリスの家族のことも人間の事情を汲んで行動する。

オリベが妖怪であるがゆえにできる。

妖怪の気に入ったは、神様の気に入った、のように加護を与えたりしない。

気に入ったから一緒にいる、のだ。

布妖怪オリベは、フィリスを気に入っているから、相棒になった。

フィリスと布妖怪オリベの関係は対等であり、両想い。

フィリスの危機脱出のために相棒として出来ることをやり切ってこそ、相棒だとオリベは考えている。

布妖怪オリベは、風に乗って移動しながら、最初に誰を探せばいいか、思案する。

ガラン子爵家当主でフィリスの父のダルクは外交のために、国外にいることも少なくない。

ダルクの訪問先は、普通の人間も生き物も少ない。
伝説級の仕掛けがあったり、人の域におさまっていないのに人のフリしていたり。

妖怪が、足を踏み入れるのをためらう場所ばかり。

ダルクは、最終手段にしようと、オリベは決めた。

人間なのに、昔馴染みのように彼らに溶け込むダルクは、異世界の祟り神を相棒にしている成果が出ているのか、神様の扱いに慣れている。

神様に絡まれたダルクは、上手に避けようとして失敗。
神様から興味を持たれ、追いかけ回されていた現場をオリベは見たことがある。

オリベは、我が身の安全第一を信条にしている。
ダルクが、ガラン領内にいないときは、ダルクのことは遠くから見るに留めている。
相棒でもないダルクの近くにわざわざいって、ストーカー気質の神様にメンチきれられたりなんて、絶対ごめん。

百害あって一利なし。

そうなると、探すのは、デヒルかマーゴット。

ダルクが外交に出ていたら、デヒルは領内にいる。

マーゴットは、領内にいたり、国外にいたり。

領都の本邸を目指す、とオリベは決めた。

「デヒル。マーゴット。いたら、返事してー。」

デヒルの相棒、タツノオトシゴのタノンとマーゴットの相棒のミノカサゴは、オリベの声を届けてくれるはず。
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