フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

840.『歯がうずく。』と、ガラン領に住む神獣ワニ。何でだろう？と首を傾げる神獣カバ。そこへ布妖怪オリベがやってきて。『フィリスがピンチ！』

コーハ王国、ガラン領。

ガラン領の固有種ワニは、歯が落ち着かない。
「ワニ、歯をカチカチして、どうかした？」
とガラン領の固有種カバ。

どちらも、水辺が生息域だが、普段はあまり干渉しない。

「歯が疼きだした。急に。」
とワニ。

「何だろう？」
とカバ。

そこへ布妖怪オリベが、風に乗って近づいてきた。

「ワニ、ワニ。フィリスがピンチ！わたしじゃ、助けられない。」
と布妖怪オリベ。

カバもワニも巨大だ。
2柱が並んでいると、とても目立つ。

まるで新世界の入り口みたいだと布妖怪オリベは思ったが、我が身の安全のために、感想などは述べない。

2柱が目立つお陰で、見つけられた。

目立ってくれて、ありがとうである。

「フィリスのピンチに反応する。ワニの歯は良い歯だ。」
とカバ。

「フェンリルの姿をしたフェンリルじゃない神っぽいものが、フィリスを襲っている。禍々しいから、わたしは近づけない。相手の存在に引きずられてしまう。」
と布妖怪オリベ。

「よく知らせた。」
とカバ。

「ワシがフィリスを襲う者を退治に向かうとするか。歯が反応しているのは、フィリスの危機か、禍々しい狂気か、ここからでは分からん。で、どこだ？」
とワニ。

「風に乗ってきたから、風に乗ったら着くけど、ワニは、飛べる？」
と布妖怪オリベ。

「歩く。ワシは、ワニ。ワニは飛ばん。ワニは歩く。」
とワニ。

ワニの歩く速度は、決して早くはない。

「それじゃ、間に合わない。妖怪のわたしに、ワニは運べない。カバ、ここから、調伏できないの？」
と布妖怪オリベ。

「そのフェンリルの場合、直接戦って、勝敗をつけた方がよい。もうフェンリルではなくなっていたとしたら、尚更、今は違うことを自覚させねば。」
とカバ。

「ええ。どうしたらいいの？フィリスがヤられる。」
と布妖怪オリベ。

「ヤられる？とな。」
とワニ。

「襲われていると言わなかったか？」
とカバ。

「性的に襲われているのよ。フィリスのことをメスにしてやるって、ベロンベロン舐め回して、ハアハアして、ナニをおったてているんだから。」
と布妖怪オリベ。

「「ああ？？」」
とカバとワニ。

「早く言え。」
とカバ。

「ごめん、慌てていた。」
と布妖怪オリベ。

「飛ぶなら、パパランだが、ワイバーンとフェンリルはあまり、相性が良くない。」
とカバ。

「ダルクかデヒルかマーゴットを捕まえろ。ワシらは、神獣ネットワークで適任者を探す。」
とワニ。

「分かったわ。」
と布妖怪オリベは、風に乗って離れていく。

「フィリスの危機に集合せよ！神獣ネットワーク！」
とカバ。