フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

823.部下にはならないって言っているの。え?代官に任命?まさか、このまま連れ去りなの?

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ビーイット公爵領にどんな問題が起きているのか、話し始めるのかしら?

ボクは、思ったの。

話が長引く前に内政担当に任せようと。

ボクは、ボクのお仕事があるんだもの。

領地の代官は、専門家に任せる方がいいの。

ボクは、領地経営の経験がないもの。

イリダ殿が、何を話すのか、と聞くだけは聞いておこうと思ったの。

領地に問題があるなら、組織に頼んだ情報が、領地関連の可能性が高いもの。

イリダ殿が領地関連の情報を組織からもらえたなら、
組織がビーイット公爵領に入り込んでいるということだけど。

そんな風に色々考えているボクを見ながら、何にも頓着しないのがイリダ殿。

イリダ殿は、口を開くなり。

ビーイット公爵領が危機に陥っているから、ボクを代官として、派遣するので片付けてくるように、と言い放った。

危機の説明は一切なし。

イリダ殿のお願いにも命令にも従わないの、ボク。

ボク、近衛なの。

代官は、内政担当者がなるんじゃないのかしら?

「代官なんて、ならない。行かない。」
とボクは、当然断る。

「仕事の成果次第で、正式に部下にしてやる。」
とイリダ殿。

ボクは、またイリダ殿に抱えられた。

「誘拐は、犯罪なの。ボクを離すの。」

ボクは、逃げようとしたけど全身がっちりと捕まえられて、身動きがとれない。

「何するの?」
とボクが聞くのと、
「マルビル、動かせ。」
と命令されたマルビル殿が魔法を使うのは同時だったの。

マルビル殿の呪文、転移陣なの。

ボクを転移陣で、ビーイット公爵家へ送り込もうとしているの。

別働隊の緊急発信をしないと。

拉致されて、さらに別の場所に拉致されるなんて、あんまりなの。

この部屋の拉致の痕跡を残すの。

死者は、ダイイングメッセージを残す。

家出人は、探さないでメッセージを残す。

拉致被害者は、探してメッセージなの。

手がかりを残さなくちゃ。

転移陣での拉致の経験値アップも、したくないの、ボク。
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