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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

819.人格の違和感。

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イリダ殿とビーイット公爵家の現状を伝えているボクの言葉は聞き流されてしまったの。

言葉は通じているのに、思うように会話が成り立たない感じ。

このもどかしさ。
ボク、覚えがあるの。

1回目に拉致されて、フィリップ殿下のところに連れて行かれたときの、フィリップ殿下と同じ。

フィリップ殿下と、ビーイット公爵家の嫡子イリダ殿には違いもある。

フィリップ殿下は、ボクの意思をくむ気が最初からなかったの。

あの時。
フィリップ殿下は、ボクを伴侶にする目的を達成することを第一に考えて動いていた。
ボクの意思は、フィリップ殿下の目的達成の邪魔、もしくは必要ないこととして、切捨てるとフィリップ殿下は、最初から決めていた。

だから、好きだと言いつつ、ボクとの約束を反故にしようとも気にならない。

大好きなボクとの会話は、楽しい。

会話自体は楽しむけれど。

ボクとの会話の内容なんて、フィリップ殿下の利益になるもの以外は、風の音同然。


ビーイット公爵家の嫡子イリダ殿は、ボクの言い分を無視したり切り捨てたりする気はないの。

内容を聞いて、その場で判断しているの。

イリダ殿の判断が見当違いだから、問題が起こる、そんなとこかしら。

イリダ殿の判断が全くの見当違いなら、実質的に実権があるサージェ侯爵も止めると思うの。

イリダ殿の判断で、派閥のトップの失脚どころじゃ済まない失態があると理解していれば。

ダンスから、かれこれ、イリダ殿と接していて、そんな気がするの、ボク。

公爵家の嫡子としての常識が足りないんじゃないかしら?

知識や常識の偏りがあるけれど、本人の自覚がないから、修正も改善もされない。

常識に関しては、人のことは言えないボクだけど。

ボク、近衛別働隊の総司令として、ウィルソンやレオナルド以外の公爵家の嫡子と接した経験があるの。

ビーイット公爵家の嫡子に対する教育方針と言ってしまえば、それ以上言えることはないんだけど。

イリダ殿の言動は、コーハ王国の公爵家の嫡子として違和感しかないの。

公爵家の嫡子というより、フィリップ殿下に近いの。

王子のそれなの。
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