フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

809.イイ男が、パートナーを連れていて、パートナーに夢中。男の妹は、イイ男に無視されたと騒ぎ立てる女を菩薩の顔で見ている。

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菩薩の顔になっているフローレンの周りでは、ご令嬢方がかまびすしい。

「フローレン様、ジーン様の様子をご覧になりました?あのようなジーン様は初めてですわ。」

「わたくしが声をかけられませんでしたのよ?信じられませんわ。」

「ジーン様の隣にいた男はどこの方ですの?」

「ジーン様に何がごさいましたの?」

何が?

貴女方が面倒な男を押し付けてくるから、真の愛に目覚めたんだと言ってやりたいが、まだその時ではない。

爵位を盾にぐいぐい迫ってくる相手に嫌気がさしていたジーンは、心から寄り添ってくれる相手を見つけて、夢中になっていった。

そういうストーリーになっている。

フローレンは菩薩の顔で耐えた。

フローレンの周りのご令嬢は、ビーイット公爵の次男がしゃしゃり出るまで、ジーンにアプローチかけていたはずだが、上からのお達しがあったのだろう。

ぴたりとおさまっている。

派閥の統制がとれているのは凄いと思うが、フローレンとは無関係な場所で発揮してほしかった。

今日の夜会で、誰がどう動くか。

ジーンは、ジーンの思惑通りに動いている。

婚約者とこのまま結婚するか否かも含めて、フローレンは、自身の目で見極める必要がある。

おや、フローレンの婚約者のサージェ侯爵家の長男が、フローレンの方に歩いてきている。

侯爵夫妻から、何らかの指示を受けたのだろうか。

さて、長男は、何を言ってくれるだろう?

兄のやる気は好機。

フローレンは、フローレンで自らの人生の舵取りをしなくては。
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