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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

796.異世界転生して、さらに転生した王女。その4。『逆ハーレムの主人公ポジションは、私のものよ!』

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せっかく階級社会で、上から数えた方が早い生まれなのだ。

素敵な貴公子達にチヤホヤされたい。

私は、公爵家の嫡子。

未婚の近衛と親しくなってもおかしくない。

そう思って、何度も接点を作ろうとしたし、実際に話す機会なども作った。

それなのに、誰とも、ロマンスが生まれない。

信じられないことに、彼らは、私に異性として関心を持たなかった。

公爵家の嫡子として扱われるが、女性として扱われない。

私は、1度みた夢を諦められなかった。

生まれ変わったら、恋や青春に生きると誓って、最高の環境で転生したのに、望む男性達に相手にされないなんて。

恋も青春も始められない。

私は作戦を立てた。

眼中にない私がアプローチしたところで、相手にされることはない。

私は、妹と弟を焚き付けた。

妹と弟を介して、接点を作り、長い目で、私の良さを知ってもらうのだ。

弟も妹も、別働隊の幹部達の好みじゃないのか、2人共、箸にも棒にもかからない。

有り難いことに。

弟と妹がうまくいかないお陰で、私は弟と妹のターゲットに自然体で近づく事ができる。

私の逆ハーレム計画は、地道に進んでいたはずだった。

ある日、耳を疑う噂を聞いた。

近衛別働隊の総司令の肩書きがあるガラン子爵家の4男、フィリス・ガランが、近衛別働隊の幹部達で逆ハーレムを作っている、と。

フィリス・ガランは、幹部や近衛別働隊の隊員から姫扱いされているらしい。

フィリス・ガランについて調べてみると、出てくるのは、ろくでもない情報ばかり。

『姫?違う。フィリス・ガランは、わがまま姫と呼ぶべきよ。』

フィリス・ガランのわがまま姫という呼び名は、あっという間に浸透した。

フィリス・ガランをわがまま姫だと思う人間が多かった、ということだ。

もしくは、多方面から、反感を買っていて、貶めたいと思われていた、ということだ。

近衛でありながら逆ハーレムを作って、姫扱いを望む身の程知らずでは、逆ハーレム以外から反感を買うのも当たり前。

驚くべきことに。

フィリス・ガランと近衛別働隊の幹部は、逆ハーレムの構図そのものなのに、コーハ王国の中枢は、咎めないのだ。

子爵家の4男が逆ハーレムの主人公なんて、おかしいと思わないのか。

フィリス・ガランは、逆ハーレムの真ん中にいて、いつも堂々とわがまま姫ぶりを発揮している。

ムカつく。

その主人公ポジションは、私が入るはずだったのに。

何をしれっとおさまっているんだか?

フィリス・ガランを逆ハーレムの主人公から引きずり下ろしてやる、と決めて、工作してきたけど、ずぶとくて、しぶとい。

社交の場に仕事以外で出てこないなんて、どんな引きこもり?

たかだか子爵家の4男のくせに。

フィリス・ガラン。
いつまでも、主人公でいられると思ってはいないでしょうね?

なんの取り柄もない地味な男が、調子に乗っているんじゃないわよ。

逆ハーレムの主人公ポジションは、私に返してもらうわ。
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