フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

753..ベリウンヘルツに集まった各国担当者の悲喜こもごも。その2。ベリウンヘルツの現状と、3人の王女方のお国の場合。

開催国　
ベリウンヘルツは、コーハ王国の軍が国の中心を抑えている。

コーハ王国外交部の一員として、行方不明になっている近衛の3人のうちの1人の兄、ハーマル・ガランが、身内枠で来ており、ベリウンヘルツの首脳陣の事情聴取に積極的だ。

シャリン王子の確認作業も進めている。


フィリップ殿下と共にいたコーハ王国の近衛ダンシェル・ロナウは、フィリスに投げつけられた転移陣を発動させる声を聞き、反射的に、フィリスの元を目指そうとした。

道に、ベリウンヘルツのシャリン王子を発見。

ダンシェルは、国際会議でシャリン王子として座っていた顔を覚えていた。

転移陣を発動させた声は、国際会議期間中、聞いたことがない女性のものだった、とダンシェルは報告した。

シャリン王子という人物は、実在するのか？を含めて調査している。



以下の国の担当者には、軽はずみなことをしたくならないように、警護と護衛がコーハ王国から提供されている。

ベリウンヘルツに到着してから、ベリウンヘルツの地を離れるまで、コーハ王国の武官がぴったり寄り添ってくれる。

さぞ心強いことだろう。

ニッコルキー王国
サーマヤーマ王女。

ヤヤ王国
カロ王女。

ラピー王国
テルミネ王女。

各国の担当者が到着後、ほどなく。
王女方とその御一行の滞在先情報が、オープンになった。

王女方も御一行も近々、来世に期待することになるだろう。


フィリップ殿下やその近衛に助けを期待して、助けにきてくれないと逆恨みしたこと。

王女方とその御一行が凶行に及んだ動機を知った3国の担当者は頭を抱えた。

フィリップ殿下は、仕事の話ができる頭が乗っていない人間には冷淡だと囁かれている。

1人の近衛に骨抜きにされているとも。

その近衛と一緒にゲストとして参加している時点で、王女方の存在感など、ちり同然。

行方不明になっている1人が、フィリップ殿下のお気に入り。　

現状確認だけで、担当者は倒れそう。

人間の価値を図るまでもない。

王女方より、行方不明になった近衛の方が、有益な存在だと断言したいくらいだ。

フィリップ殿下のご機嫌は、相当悪いに違いない。

フィリップ殿下のご機嫌が悪いことを兄の第2王子が見逃すことはない。

行方不明の近衛フィリス・ガランの兄ハーマル・ガランには融通をきかせるように。

ベリウンヘルツ到着すぐ。
各国関係者へ、コーハ王国第2王子サリューフ殿下から、通達がきている。

お願いではない。
通達である。

ハーマル・ガランは、ひ弱そうな青年だ。
屈強な護衛がぴったりついている。

弟のフィリス・ガランは、近衛のくせに華奢で、戦いを避けていたという。

兄も弟も、戦い向きではないのだろう。