フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

749.話し込んだら、仲良くなった?いえいえ。互いに話したいことを話していた。相互理解には程遠く。

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ミドリン・パーマーに聞くこともなくなったの。

ミドリン・パーマーを研究しても、何も解明しない。

ミドリン・パーマーが、祠に祈願したことを打ち明けても、祠には、今、誰もいないから、もうどうにもならない。

ボクのすることは、ないの。

帰るの。

ボクが席を立つと、ミドリン・パーマーも立ち上がった。

「どこへ行くの?わたしも行くわ。」

「意味が分からないの。ボク、キミのこと、いらないの。」 

「いらない?」

「ボクは、キミに夢中な男子学生じゃないもの。」

ミドリン・パーマーは、いらないもの扱いに憮然としている。

説明が必要かしら?

「キミに会いに来るのは、キミに夢中な男子学生か、キミに恨みのある関係者か、研究者かしら?」

「ボクは、そのどれでもないもの。迷惑を被った原因を見にきただけ。もうキミに用事がなくなったの。」

「はあ?わたしの顔を見にきた?」
ミドリン・パーマーは顔をしかめた。

「顔は特に?迷惑の原因を確認したから、もうキミに用はないの。」

「ふざけないで。」
ミドリン・パーマーは、ボクに椅子を投げてきた。

ボクは、避けた。投げられた椅子は壊れていない。
力いっぱいと言っても、ろくに運動する機会もなく監禁されている女性の腕力だから。

「わたしを踏みつけて平気でいるなんて、頭がおかしいわ。」
とミドリン・パーマー。

「急に椅子を投げる人間は、頭がおかしい上に凶暴なの。」

ミドリン・パーマーとわちゃわちゃしていたら、暴れているのを心配した研究者と職員とフィリップ殿下とアンドリュー達が来たので、ボクは部屋を出た。

「貴族社会を理解させるのは難しかったの。」
とボクが伝えると。
「常識を学ぶ前に甘い汁を吸った典型ですからなあ。」
と研究者が同意した。

「聞きたいことは、聞けましたかな?」
と研究者。

「何を聞いても、話したいことしか話さない人からは、聞かなくてもいいと思ったの。これから帰って、もう、ここには来ないの。」

ボクの返事は想定外だったらしいの。

「私どもが、色々お教えしますよ。」
引き留めが始まった。

「気分じゃないの。」

「こんな機会は、2度とないのですが。」

「2度もあったら、誰に責任をとらせるか、決めておかなくちゃ。」

ボク、ハンティア王国民じゃないから、唯々諾々と従わない。

「帰るの。」
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