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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
746.願い事が叶ったと喜んでいるけれど、トータルで判断したら、失ったものの方が多くない?
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ボクは聞きたいことを聞くの。
「キミ、祈願した場所は覚えている?」
「何よ?あんたも行くの?案内してあげるから、ここから出しなさいよ。」
とミドリン・パーマー。
キミ、生きて出られると思っているの?
「ミドリン・パーマー。キミが祈願した内容と現実の差異を考えたことはあるかしら?」
「何を考えろって?嫌味?こんな扱いになっているのに。」
とミドリン・パーマー。
ミドリン・パーマーの自分は悪くないという態度で、どんどん周りが硬化していったのじゃないかしら?
特にご令嬢方が。
「キミが祈願したとき、どんな待遇を望んだのかしら?」
確認しないと。
「仕事に成功して、家族と使用人に認められて、期待されること。パーマー家の一員として、家族と肩を並べて、信用されて、家族の会話に参加することよ。」
とミドリン・パーマー。
「他人にパーマーの名を名乗って、ハズレの娘だと知った相手に、パーマーの名前がついているだけの娘だと言われる。我慢できる?」
「頭が良いわけでもなかったから、学校に行くのも玉の輿狙いだと思われていたけれど。」
「わたしは、仕事に成功して家族に認められたかった。母は、パーマー家の娘を産んで、人生の当たりくじを引いたと満足していたけれど、母の当たりくじになったわたしの人生は、当たりじゃなかった。」
ミドリン・パーマーの話では、祈願場所は母が成功した場所だったの。
「最初は、うまくいったのかしら?」
「うまくいったわ。わたしも襲われる心配がないから、安心して恋人営業できた。」
「恋人営業?」
それは、災いの元になっていないかしら?
婚約者が嫌がると思うの。
「伝手も信用もない中、相手の懐に飛び込むには1番有効だったの。」
ミドリン・パーマーは、ボクの懸念に鼻を鳴らした。
「成果はすぐに出たわ。」
「最初は、裕福な平民や下位貴族から始まったけれど、すぐに、上位貴族を客に出来た。」
「すごく順調だったわ。」
とミドリン・パーマー。
恋人気分を味わわせて、物を売っていく手法。
最初の順調なうちは、揉めないとは思うの。
「ミドリン・パーマー。お客に女子学生を選ばなかったのは理由があるのかしら?女子学生のお客なら、婚約破棄とか起きなかったんじゃないかしら?」
「女子向きの商品があるなんて知らなかったからよ。男子向きのものしか、わたしは見たことがなかったの。」
「わたしが仕事をとってくるようになって、商会に顔を出すようになってから、女子向きの商品は、固定客に出していると知ったわ。」
ミドリン・パーマーが、最初から、女子向きの商品があると知っていたら、営業相手に女子学生を選んでいたのかしら?
女子学生に、恋人営業は通じそうにないけれど。
「でも、その頃には、金払いのよい男の客が何人もいたのよ。ちまちま女子学生に営業かける気なんて起きなかったわ。」
清々しい成果主義。
「女子学生に商売の話をしなかったのかしら?」
「するわけないでしょう?女子学生の頭には、色恋しか詰まってないの。より良い結婚相手を探して、結婚する人生に満足している人達よ。」
とミドリン・パーマー。
「男を取られる心配ばかりしている人達と仲良くしても、時間の無駄。」
とミドリン・パーマー。
婚約者に恋人営業をかけている平民の娘に、寛大な態度がとれる女子学生がいるとしたら、婚約者との関係が破綻している場合ではないかしら。
「わたしは、パーマー家でひとかどの人物になっていたし。」
ミドリン・パーマーの狙い通り、ミドリン・パーマーは、1度は、パーマー家で認められたと言いたいのかしら。
それにしても。
ミドリン・パーマーには、学校で学生生活を送るつもりがなかったのかしら。
女子学生と男子学生がいる学校で、ミドリン・パーマーは、男子学生の一部を味方につけた。
でも、女子学生の大半に疎まれても仕方ない状況を自ら作っている。
学校に行きづらくならないのかしら。
「婚約破棄なんて、わたしは頼んでいないのに。」
とミドリン・パーマー。
「誰に?」
「客によ。客とは、恋愛関係になりたくないの。ビジネスの関係でいたいから不能にした相手と恋人になるわけないじゃない。」
恋人営業をかけてくるミドリン・パーマーのつれなさが、お客の男子学生を思い込みに走らせたのかしら?
婚約破棄にいきついた後は、穏やかな気持ちで、ミドリン・パーマーに会いに来るお客の男子学生。
彼らは、ミドリン・パーマーが誰のものにもならないことと、どこにも逃げられないことに安心しているんじゃないかしら。
ミドリン・パーマーの話を聞いてきて、ボクは、ミドリン・パーマーが、祈願したことに不満を言わないのが不思議なの。
ミドリン・パーマーにとって、ミドリン・パーマーが祈願した内容は叶ったと言っていいのかしら?
叶ったように見える時期はあったけれど、最後に全部失ったあげく、元々持っていたものも失っていると思うの、ボク。
部分的に、祈願して叶ったと言えなくもないけれど。
トータルで判断すると、詐欺じゃないかしら。
祈願が叶ったという感覚が目眩ましになって、判断を鈍らせていると思うの。
そういえば。
願い事を聞いても、全部叶えてくれない人外がいなかったかしら?
ボクの近くに。
願い事をした人から、人外のよしとする対価を貰い、対価の範囲の願い事を叶える人外。
本体がこの世界にない異界の神であり、この世界には召喚により、分体で存在しているため、契約を司る神でありながら、完全な契約履行が難しく、神格が足りなくて人外として存在している神。
「ミドリン・パーマー。キミは、ハンティア王国の山の中にある横穴の祠に行って、願い事をしたのかしら?」
「キミ、祈願した場所は覚えている?」
「何よ?あんたも行くの?案内してあげるから、ここから出しなさいよ。」
とミドリン・パーマー。
キミ、生きて出られると思っているの?
「ミドリン・パーマー。キミが祈願した内容と現実の差異を考えたことはあるかしら?」
「何を考えろって?嫌味?こんな扱いになっているのに。」
とミドリン・パーマー。
ミドリン・パーマーの自分は悪くないという態度で、どんどん周りが硬化していったのじゃないかしら?
特にご令嬢方が。
「キミが祈願したとき、どんな待遇を望んだのかしら?」
確認しないと。
「仕事に成功して、家族と使用人に認められて、期待されること。パーマー家の一員として、家族と肩を並べて、信用されて、家族の会話に参加することよ。」
とミドリン・パーマー。
「他人にパーマーの名を名乗って、ハズレの娘だと知った相手に、パーマーの名前がついているだけの娘だと言われる。我慢できる?」
「頭が良いわけでもなかったから、学校に行くのも玉の輿狙いだと思われていたけれど。」
「わたしは、仕事に成功して家族に認められたかった。母は、パーマー家の娘を産んで、人生の当たりくじを引いたと満足していたけれど、母の当たりくじになったわたしの人生は、当たりじゃなかった。」
ミドリン・パーマーの話では、祈願場所は母が成功した場所だったの。
「最初は、うまくいったのかしら?」
「うまくいったわ。わたしも襲われる心配がないから、安心して恋人営業できた。」
「恋人営業?」
それは、災いの元になっていないかしら?
婚約者が嫌がると思うの。
「伝手も信用もない中、相手の懐に飛び込むには1番有効だったの。」
ミドリン・パーマーは、ボクの懸念に鼻を鳴らした。
「成果はすぐに出たわ。」
「最初は、裕福な平民や下位貴族から始まったけれど、すぐに、上位貴族を客に出来た。」
「すごく順調だったわ。」
とミドリン・パーマー。
恋人気分を味わわせて、物を売っていく手法。
最初の順調なうちは、揉めないとは思うの。
「ミドリン・パーマー。お客に女子学生を選ばなかったのは理由があるのかしら?女子学生のお客なら、婚約破棄とか起きなかったんじゃないかしら?」
「女子向きの商品があるなんて知らなかったからよ。男子向きのものしか、わたしは見たことがなかったの。」
「わたしが仕事をとってくるようになって、商会に顔を出すようになってから、女子向きの商品は、固定客に出していると知ったわ。」
ミドリン・パーマーが、最初から、女子向きの商品があると知っていたら、営業相手に女子学生を選んでいたのかしら?
女子学生に、恋人営業は通じそうにないけれど。
「でも、その頃には、金払いのよい男の客が何人もいたのよ。ちまちま女子学生に営業かける気なんて起きなかったわ。」
清々しい成果主義。
「女子学生に商売の話をしなかったのかしら?」
「するわけないでしょう?女子学生の頭には、色恋しか詰まってないの。より良い結婚相手を探して、結婚する人生に満足している人達よ。」
とミドリン・パーマー。
「男を取られる心配ばかりしている人達と仲良くしても、時間の無駄。」
とミドリン・パーマー。
婚約者に恋人営業をかけている平民の娘に、寛大な態度がとれる女子学生がいるとしたら、婚約者との関係が破綻している場合ではないかしら。
「わたしは、パーマー家でひとかどの人物になっていたし。」
ミドリン・パーマーの狙い通り、ミドリン・パーマーは、1度は、パーマー家で認められたと言いたいのかしら。
それにしても。
ミドリン・パーマーには、学校で学生生活を送るつもりがなかったのかしら。
女子学生と男子学生がいる学校で、ミドリン・パーマーは、男子学生の一部を味方につけた。
でも、女子学生の大半に疎まれても仕方ない状況を自ら作っている。
学校に行きづらくならないのかしら。
「婚約破棄なんて、わたしは頼んでいないのに。」
とミドリン・パーマー。
「誰に?」
「客によ。客とは、恋愛関係になりたくないの。ビジネスの関係でいたいから不能にした相手と恋人になるわけないじゃない。」
恋人営業をかけてくるミドリン・パーマーのつれなさが、お客の男子学生を思い込みに走らせたのかしら?
婚約破棄にいきついた後は、穏やかな気持ちで、ミドリン・パーマーに会いに来るお客の男子学生。
彼らは、ミドリン・パーマーが誰のものにもならないことと、どこにも逃げられないことに安心しているんじゃないかしら。
ミドリン・パーマーの話を聞いてきて、ボクは、ミドリン・パーマーが、祈願したことに不満を言わないのが不思議なの。
ミドリン・パーマーにとって、ミドリン・パーマーが祈願した内容は叶ったと言っていいのかしら?
叶ったように見える時期はあったけれど、最後に全部失ったあげく、元々持っていたものも失っていると思うの、ボク。
部分的に、祈願して叶ったと言えなくもないけれど。
トータルで判断すると、詐欺じゃないかしら。
祈願が叶ったという感覚が目眩ましになって、判断を鈍らせていると思うの。
そういえば。
願い事を聞いても、全部叶えてくれない人外がいなかったかしら?
ボクの近くに。
願い事をした人から、人外のよしとする対価を貰い、対価の範囲の願い事を叶える人外。
本体がこの世界にない異界の神であり、この世界には召喚により、分体で存在しているため、契約を司る神でありながら、完全な契約履行が難しく、神格が足りなくて人外として存在している神。
「ミドリン・パーマー。キミは、ハンティア王国の山の中にある横穴の祠に行って、願い事をしたのかしら?」
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