フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

738.ご令嬢方は、目当ての男と結婚出来なかった結果に納得がいかない。憂さ晴らしをしよう。誰も問題にしないような2人組がいるじゃないか。

お宅の国の国策だから、関係ないじゃん？で納得して、引き下がるようなご令嬢は、最初からサブリーとユージュアルに絡んでこない。

なぜなら、ただの憂さ晴らしだから。

理由なんて、あってもなくてもいいのだ。

自分達の結果に納得がいかなくても、貴族子女ごときが、目当ての男と結婚出来なかった恨みつらみで、国の方針に物申すわけにはいかない。

国よりもうんと弱くて、ご令嬢方が後腐れなくいじめ倒せる標的。

いるじゃないか、そこに。

目障りなコーハ王国の近衛の2人。

ハンティア王国の貴族子弟に相手にされず、気にもとめられない末端貴族のぱっとしない2人組。

人目のつかないところで、思う存分いたぶってやれば、すっとする。

誰も、気にしない末端を使って、溜まりに溜まったうっぷんを晴らすべし。

ご令嬢方は団結していた。

これまでにないくらいのチームワークを発揮して、サブリーとユージュアルを人目につかない端っこに追い立てた。

「女のコに追いかけられるのって、青春そのもののだと思っていたけど、今、考えを改めた。」
とサブリー。

「女が男を捕まえるんじゃなく、猫がネズミをいたぶる顔つきになっている。俺、痛みに喜びは感じないから、全員チェンジで、お願いしたい。」
とユージュアル。

サブリーもユージュアルもご令嬢方の思惑なんて、つゆ知らず。

ひたすら、ご令嬢方を避けながら、魔導具や城の構造を見て楽しんでいた。

ご令嬢方に絡まれないように歩いているうちに、人気のない区画にいたが、人気があろうとなかろうと2人は気にしなかった。

のんびり、うろうろしているうちに。
気がついたら、サブリーとユージュアルは、ハンティア王国の王城の中の人目のつかない端っこにいたわけである。

素晴らしきかな、ご令嬢方の連携プレー。

目的を1つにしたご令嬢方は、目的のために、手を取り合ったのだ。

サブリーとユージュアルにははた迷惑だが。