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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
736.1度会っただけの知り合いに、居心地いいから一緒にいると懐かれている。押し掛け女房のように。
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「人外の話し方がだいぶ落ち着いたものになった気がするけど、何かあったのかしら?」
「そなたがいるから。」
と人外。
「え?」
なんだか、懐かれた気がするの。
「そなたといると心がざわつかぬ。」
と人外。
「ボクが精神安定剤なの?」
人外の精神安定剤って、嬉しくないの。
「これからは、そなたといることにする。」
よき、よき、と人外。
何ですと?
「還らないのかしら?」
「わらわが還るには、召喚者が還さねばならん。」
と人外。
「召喚者が、還す前に死んだら?」
「召喚者との縁が切れれば、還る。」
と人外。
「霊から神化した神だから、1度死んでいるはずだけど、縁は切れなかったのかしら?」
「わらわも心を配っておったし、子どもらも、わらわのことを慕っておった。召喚した当時、子どもらの力では、わらわの分体を喚ぶのが精一杯であった。本体を喚べていれば、人として生きて死ねたであろう。」
「どういうことかしら?」
「分体ゆえに契約に制限がかかる。契約は、全て不完全な契約になる。子どもらにとっては、不完全でも、わらわとの契約は、生き延びるために必要であった。しかし、不完全ゆえに、死によって切れるはずの契約の縁が、霊から神化しても切れずに残った。生前の自我が残ったからであろう。」
と人外。
「人外は、還れないのかしら?」
ややこしい方には、可及的速やかにお還りいただきたいの。
「還るには、子どもらの存在を消さねばならん。」
「人外は、神化して、神になっている存在を消すことが出来るのかしら?」
「わらわは、縁がある子どもらを消しはせん。わらわを還したいなら、方法があると教えたまで。」
と人外。
「神殺しをしないと人外は還れないの?ボクは、神殺しをしてまで、人外を還そうとは思わない。神殺しは嫌なの。」
「そなたは、神の端くれではないのか?」
と人外。
「神気は出てるけど、ボクは人として生きるの。」
「まあよい。そなたがなんであろうと、わらわがそなたといることは変わらぬ。」
と人外。
「どうして、人外は、ボクといることに決めているのかしら?」
ボクは、うんと言っていないの。
曰く付きで、ボクの言うことを聞かない自分勝手な人外は、ご遠慮願いたいの。
「わらわは、心地よい場所を好む。そなたの側は、わらわを心地よくする。」
と人外。
「人外の都合ばかり押し付けないで。ボクにはボクの暮らしがあるの。人外を連れ歩く生活はしないの。」
ボクの脳裏には、お父様と異界の祟り神様のお姿が、どーん。
異界の祟り神様は、お父様の話を聞くけど、人外は、最初からボクの話を聞く気がない。
「ボクは、言葉が通じても、意思疎通が出来ない存在と一緒にいたくないの。」
「そなたは、おかしなことを言うのう。」
と人外。
ボクのことを頑是ない子どもだと笑っている。
「一方的に押しかけてきて、ボクを利用することしか考えていない人外とは、一緒にいたくないの。ボク、人外が寄ってきたら、追い払うから。」
「わらわを追い払う者は、初めてだのう。」
と人外。
「だって、人外は、ボクを利用して楽に過ごすことしか頭にないもの。ボクの人生を脅かすものに側にいてほしくない。」
「脅かさねばよいのか?」
と人外。
「出来るの?」
「そなたが、わらわの本体を召喚するがよい。契約を司る神として、そなたと正式な契約を交わそう。」
と人外。
「人外とボクのメリットは何かしら?」
「わらわは、本体で存在が安定する。神格が上がり、できることが増える。そなたについてまわらなくても良くなる。」
と人外。
「そなたは、わらわと契約すれば、今より力を増す。」
と人外。
「ボク、人でいたいから、神としての力の増大は望んでいないの。」
「神ではない力を与えることも出来る。契約で人としての才能を与えればよい。」
と人外。
「神ではない、人の力?たとえば、人の使う魔法を使いこなす才能もあるのかしら?」
「可能だとも。」
「今現在、全然人の魔法を使えなくても?」
「才能を与えるとは、ないところに根付かせること。」
と人外。
「ボクの相棒のオリベや、ボクの友達、ボクの家族とその相棒、ボクの大切なものをボクの意向を無視して、人外の考えだけで、勝手にどうこうしたらダメ。人外がそんなことをしたら、ボクは人外を消す。」
ボク1人で決めるのは、難しいの。
ボクは、オリベに頼んだ。
「オリベ。お父様とデヒルお兄様とマーゴット、可能ならハーマルお兄様に、伝言をお願いするの。
異界の契約を司る神様の分体が、押し掛け女房ならぬ押し掛け神様してきて、本体を召喚して契約したら、人の魔法を使える才能を与えてくれると言っている。
これからのことを全員で相談したい、と。
特記事項として、今から話すこともお願いするの。
召喚は、約400年前。カラカラナイト滅亡間際。
分体を召喚したのはカラカラナイトの王族で、今はかつてカラカラナイトとリネイの最終決戦の地の砦の地下で、霊から神化して神になっていて、7柱がおわす地下は霊域になっている。
ハンティア王国への攻撃に特化した神様なので、話が通じるとは思えない。」
「そなたがいるから。」
と人外。
「え?」
なんだか、懐かれた気がするの。
「そなたといると心がざわつかぬ。」
と人外。
「ボクが精神安定剤なの?」
人外の精神安定剤って、嬉しくないの。
「これからは、そなたといることにする。」
よき、よき、と人外。
何ですと?
「還らないのかしら?」
「わらわが還るには、召喚者が還さねばならん。」
と人外。
「召喚者が、還す前に死んだら?」
「召喚者との縁が切れれば、還る。」
と人外。
「霊から神化した神だから、1度死んでいるはずだけど、縁は切れなかったのかしら?」
「わらわも心を配っておったし、子どもらも、わらわのことを慕っておった。召喚した当時、子どもらの力では、わらわの分体を喚ぶのが精一杯であった。本体を喚べていれば、人として生きて死ねたであろう。」
「どういうことかしら?」
「分体ゆえに契約に制限がかかる。契約は、全て不完全な契約になる。子どもらにとっては、不完全でも、わらわとの契約は、生き延びるために必要であった。しかし、不完全ゆえに、死によって切れるはずの契約の縁が、霊から神化しても切れずに残った。生前の自我が残ったからであろう。」
と人外。
「人外は、還れないのかしら?」
ややこしい方には、可及的速やかにお還りいただきたいの。
「還るには、子どもらの存在を消さねばならん。」
「人外は、神化して、神になっている存在を消すことが出来るのかしら?」
「わらわは、縁がある子どもらを消しはせん。わらわを還したいなら、方法があると教えたまで。」
と人外。
「神殺しをしないと人外は還れないの?ボクは、神殺しをしてまで、人外を還そうとは思わない。神殺しは嫌なの。」
「そなたは、神の端くれではないのか?」
と人外。
「神気は出てるけど、ボクは人として生きるの。」
「まあよい。そなたがなんであろうと、わらわがそなたといることは変わらぬ。」
と人外。
「どうして、人外は、ボクといることに決めているのかしら?」
ボクは、うんと言っていないの。
曰く付きで、ボクの言うことを聞かない自分勝手な人外は、ご遠慮願いたいの。
「わらわは、心地よい場所を好む。そなたの側は、わらわを心地よくする。」
と人外。
「人外の都合ばかり押し付けないで。ボクにはボクの暮らしがあるの。人外を連れ歩く生活はしないの。」
ボクの脳裏には、お父様と異界の祟り神様のお姿が、どーん。
異界の祟り神様は、お父様の話を聞くけど、人外は、最初からボクの話を聞く気がない。
「ボクは、言葉が通じても、意思疎通が出来ない存在と一緒にいたくないの。」
「そなたは、おかしなことを言うのう。」
と人外。
ボクのことを頑是ない子どもだと笑っている。
「一方的に押しかけてきて、ボクを利用することしか考えていない人外とは、一緒にいたくないの。ボク、人外が寄ってきたら、追い払うから。」
「わらわを追い払う者は、初めてだのう。」
と人外。
「だって、人外は、ボクを利用して楽に過ごすことしか頭にないもの。ボクの人生を脅かすものに側にいてほしくない。」
「脅かさねばよいのか?」
と人外。
「出来るの?」
「そなたが、わらわの本体を召喚するがよい。契約を司る神として、そなたと正式な契約を交わそう。」
と人外。
「人外とボクのメリットは何かしら?」
「わらわは、本体で存在が安定する。神格が上がり、できることが増える。そなたについてまわらなくても良くなる。」
と人外。
「そなたは、わらわと契約すれば、今より力を増す。」
と人外。
「ボク、人でいたいから、神としての力の増大は望んでいないの。」
「神ではない力を与えることも出来る。契約で人としての才能を与えればよい。」
と人外。
「神ではない、人の力?たとえば、人の使う魔法を使いこなす才能もあるのかしら?」
「可能だとも。」
「今現在、全然人の魔法を使えなくても?」
「才能を与えるとは、ないところに根付かせること。」
と人外。
「ボクの相棒のオリベや、ボクの友達、ボクの家族とその相棒、ボクの大切なものをボクの意向を無視して、人外の考えだけで、勝手にどうこうしたらダメ。人外がそんなことをしたら、ボクは人外を消す。」
ボク1人で決めるのは、難しいの。
ボクは、オリベに頼んだ。
「オリベ。お父様とデヒルお兄様とマーゴット、可能ならハーマルお兄様に、伝言をお願いするの。
異界の契約を司る神様の分体が、押し掛け女房ならぬ押し掛け神様してきて、本体を召喚して契約したら、人の魔法を使える才能を与えてくれると言っている。
これからのことを全員で相談したい、と。
特記事項として、今から話すこともお願いするの。
召喚は、約400年前。カラカラナイト滅亡間際。
分体を召喚したのはカラカラナイトの王族で、今はかつてカラカラナイトとリネイの最終決戦の地の砦の地下で、霊から神化して神になっていて、7柱がおわす地下は霊域になっている。
ハンティア王国への攻撃に特化した神様なので、話が通じるとは思えない。」
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