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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

735.1度会っただけで、もう2度と会うことはないと思っていた知り合いが追いかけてきた。厄介事の予感。

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まず、サブリーに確認。
「サブリー、渡してくれた魔導具の呼び合うくん、カラカラナイトの7柱の霊域から持ち出した魔導具使っていないかしら?魔導具にカラカラナイトの7柱との繋がりを感じるの。」

「使った。まだ使えそうだったのと、カラカラナイト製品をハンティア王国で使ったら、どうなるか、試したくて。フィリスなら、神気で安全だし。ごめん。ひょっとして、ご降臨された?」
とサブリー。

「ご降臨はされていないけれど、カラカラナイトの霊域からボク達が飛ばされて着いた横穴の祠にいた人外がきたの。」

「それは、もっとごめん。いるの?今。」
とサブリー。

「いるの。祠を出たせいで、ボク以外に声が聞こえないのかしら?オリベには聞こえるみたいだけど。」

「元の場所に帰らないのかな?」
とサブリー。
「追いかけてきた理由次第だから、聞いてみたら?」
とユージュアル。

「ボクの質問に嘘偽りなく、答えなさい。ボクを追いかけてきた理由は何かしら?」

「やっと順番がきた。待たせすぎ。よく知った波長を感じたから。わらわを喚んだ波長をそなたから感じた。」
と人外。

波長とは?

「喚ばれた?どなたに?」

この人外、召喚されてきたということかしら?

「横穴に暮らしていた者に。そなたが横穴で暮らすのかと思っていたが、帰ってこないから。わらわを喚んだ者がいなくなったときも、そのまま帰ってこなくなったから、もう同じ間違いはおかさない。追いかけてきた。」
鼻の穴を広げる勢いで、得意げに話してくれる。

人外を喚んだ者は、山中の横穴で暮らしていて、出ていったきり、戻ってこなかったということは。
その山中の横穴は、ハンティア王国にある。
カラカラナイトの神化した王族に、人外を召喚した繋がりが残っていると考えるのが妥当かしら。

カラカラナイトの王族の若者がハンティア王国の山中の横穴で暮らしている時点で、敗色濃厚だけど、自分の意志か、誰かの手回しか、横穴を出ていったきり、戻らなかった。

最終決戦を前に、招集がかかったのか、自ら人柱に志願したか。

でも、自ら志願したなら、召喚した人外を還してから行きそうなものだけど。

生きて戻るつもりでいたなら。

人外の様子をみるに、仲が良さそうだもの。

「その波長とは、この魔導具から感じるかしら?」
ボクが人外に魔導具呼び合うくんを見せると、人外は、それそれ、と喜んだ。

「なんだ。ものに波長が移っていたのか。その者らは、どこに?迎えにいく。」

「ボク達の国じゃないから、ボクは、行けない。」

「場所が、分かれば、追う。わらわは、人にあらず。」

「場所が分かっても、入れないと思うの。」

「なぜ?」

「霊域にいるから。人外と繋がりは残っていて、お互いが引っ張るのかもしれないけれど、人外は、霊域に入れない。」

「なぜ?」

「召喚した者は、死んで霊から神になったから。目的のためになった神だから、その目的達成以外の力は持っていない。思考回路も、目的達成のためのものしか残っていない。」

「身体能力を部分的に上げて、知能を下げたか。愚かな。」

「人外は、召喚できたということでいいのかしら?この世界とは違うところ?」

「うむ。喚ばれたから、本体はあちらに置いて、分体だけをこちらに持ってきて、子どもらの相手をしてやった。」

「何かと引き換えに、願い事を叶えるという能力は、本体の能力かしら?」

「そうだ。本体は、契約を司る神だからな。」

「神なの?」
ボクの脳裏に、お父様が面倒を見ている異界の祟り神様がすっと通り過ぎた。

ただの人外じゃなかったの。

「この世界には、分体で来たせいか、神格が足りずに、神化出来なかったようだ。」

会話ができる人外だと思ったら、まさかの神の分体。
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