フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

732.ホラーイベント会場の家主と距離を縮めよう。

「コーハ王国の外交団の随行員か。」
とドロン公爵。

「ボク、お家の方にお招きいただいたと思ったのだけど、第2王子と公爵の従兄弟さんと、第3王子だった女性が勝手したのかしら？」

椅子に座ってお茶をいただくボク達。

「そうなるな。」

「知らなかったとはいえ、押しかけたのは、申し訳ないの。お城で会うご令嬢と王女がパワフルだから、男性はどうなのかしら？と気になったの。第2王子の魅了にかかった側近のお見舞いについてきたの。」
ボクが説明していると、ドロン公爵がフィリップ殿下を見た。

「喋っていない方は、どちらさんだ？」

「コーハ王国の第4王子フィリップ殿下。ハンティア王国第2王子のご案内でここにいるの。コーハ王国外交団は、ボクとフィリップ殿下しかここにいないから、ボクが色々お話をしているの。」

「少なくないか？王子だろ？」

「お見舞いのていだったの。」

「見舞い、な。」

「でも、ボクには、ドロン公爵が元気そうに見えるの。」

「私は、他のやつと違って、当主だからな。恋に溺れて沈むわけにはいかない。恋は、あくまで人生の潤いだ。」

「納得なの。ボクの判断で、フィリップ殿下を紹介していいか決めるのは悩ましいから、今後もボクが話すの。」

「悩ましい？」

「ドレスの女性は、ハンティア王国の第3王子の真の姿。この女性が、魅了持ちで、さっきの部屋にいたボク達に、2回、魅了をかけてきたことをコーハ王国外交団は、良しとしないの。」

「第3王子だった女性と第2王子は、示し合わせていなくて、第2王子に黙って、ドロン公爵の従兄弟が手を回したみたいなの。」

「第2王子は、このお屋敷のさっきの部屋で、フィリップ殿下の恋人に立候補していたの。」

「あの部屋の状況が、この後どうなるか分からないけれど、ボク達は、連れ出された先で、巻き込まれ過ぎ。」

「魅了も大問題だけど、全部ひっくるめて、外交団として、看過できないの。」

「ボク達コーハ王国外交団のハンティア王国に対する印象はよろしくないの。」

「ああ。私が新手かもと警戒しているのか。」

「警戒もするの。ボクは、フィリップ殿下を守るの。」

「一生懸命だな。」

「当たり前なの。でも、せっかく、お目当ての方に会えたから、お話してから帰るの。」

「話に来たのか？」

「うん。魅了にかかっていると第2王子から、聞いていたの。実感はあるのかしら？」