フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

731.地獄絵巻の屋敷の主が帰ってきた。

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ボクとフィリップ殿下は、ボクの神気に包まれているせいか、魔導具の効能か分からないけれど、無事。

地獄絵巻の中、2人で大人しく寄り添っているの。

魔導具の起動と同時に、地獄絵巻が展開したので、迂闊に身動きしたら、踏みたくないものを踏んでしまいそうなの。

「フィリスー、フィリスー。」
とボクを呼ぶ声。

布妖怪オリベなの。
探検していると聞いていたんだけど、どうかしたのかしら?
「オリベ、ここは、地獄絵巻だから来ない方がいいの。」

「そっちには、行かない。なんか、フィリスの知り合いと知り合ったら、その知り合いが、フィリスに会いにいくって言って、聞かないの。あ、話している間に、いなくなった。」
と布妖怪オリベ。

「ボクの知り合い?どんな?」
心当たりがないの。

オリベは、ふわふわ空を漂いながら移動する。

どなたかしら?

あら、建物の入口方面が騒がしい。

「誰が来ている?我が屋敷に来客だと?」
若い男の声がした。
集団がどやどやと近づいてくる。

人間の出入りは、自由なのかしら?

ボクとフィリップ殿下以外は、人面虫や人面ネズミ、小さい生き物みたいな何か、ヒトガタやゼリーみたいな何かに、頭の先から足の先までくっつかれている。

怒声、罵声、悲鳴、魔法の呪文が飛び交っている。

魔法は発動したり、しなかったり。

魔導具、呼び合うくんに呼ばれたものに、魔法があたっても、効果はないみたい。

なんの変化もない。

カラカラナイトの7柱は、まだ降臨されていない。

この後、どうなるのかしら。

どやどやしている集団の足音は、ホラーイベント会場に近づいてきた。

「なんだ?これは、何が起きている?」
入り口あたりから聞こえた若い男の声の主。

地獄絵巻の空間を見て、顔をしかめている。

「おい、説明しろ。」
唯一無事なボク達に説明を求めてきた。

「ミドリン・パーマーに夢中のご子息の様子を見るために第2王子が来たら、子息の従兄弟が子息のフリをしていた。第3王子が実は魅了持ちの女性で、屋敷の中で魅了を使った。」

後は、呼び合うくんの活躍なので省略。

「は?何言っているんだ?」

困惑する気持ちは分かる。

地獄絵巻がなくても、意味が分からないもの。

「キミはどなたかしら?ボク達、会ったことないと思うの。」

「ドランク・ドロン。この屋敷の主。ドロン公爵。」

「公爵なの?」

王家の親戚?

「若輩者だが。」

「ボク、コーハ王国の外交団の随行員。ミドリン・パーマーの魅了にかかったご子息に会いにきた場所が、ドロン公爵のお家ということ?
ドロン公爵は、ミドリン・パーマーに夢中なのかしら?」

「当然だな。ミドリンは世界に2人といない女神のような乙女だ。」

「そうなの?ドロン公爵は、ボク達が会う予定の方みたい。違う部屋に案内してもらえるかしら?」
この空間に、カラカラナイトの7柱が降臨されたら、何が起きるか、予想がつかないの。

「ああ。第2王子が連れてこられて、従兄弟がイタズラしたから、わけが分からないんだな。こちらへ出てこれるか?」

「うん。ドロン公爵が、中に入るのは止めた方がよいの。」
ボクがお話を聞けないから。

ボクとフィリップ殿下は、部屋を移動するために、色んなものを踏んだり、踏んだりしたけれど、なかったことにして、ドロン公爵の用意してくれた部屋に移った。


「見つけた、見つけた。」
人の声とは違う声がする。

声はすれど、姿は見えず。

カラカラナイトの7柱とは違うお声だけど、カラカラナイトの7柱の影響が出ている場所に、何が来るのかしら?
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