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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

715.退かぬなら、避けて進もうホトトギス。

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ユズキリ王女とその周りが興奮して騒いでいるうちに。

ボクはフィリップ殿下の抱っこからおりて、フィリップ殿下の手を引いて第3夫人の元へ。

「ユズキリ王女はあの椅子がお気に召しているようなの。ボク達は、おもてなし不要だから、立ち話をするの。」

「時は金なり。第3夫人は、第2王子の生活や性格、性癖は把握しているのかしら?」

第3夫人は目を白黒させながら、答えてくれた。
「私は、急に荷物と一緒に出されて、あの子が、婚約破棄したと聞かされたの。」

「日常、第2王子との接点は?」

「あの子が第2王子と認められてからはないわ。会話はあるけれど。王族教育は私には出来ないから。」

「第3夫人、ご自身は、王族の伴侶としての教育を受けられていないのかしら?」

「私には、必要ないものだもの。」

「何かの機会に、第2王子の言動や思考回路が変化したと感じたことはあったかしら?」

「分からないわ。結婚や恋愛の話題なんて、私にはしない。私の前では、変わったところはなかったの。」
第3夫人はそっとこぼした。
「賢く、弁えていたはずなのにね。」

「今の第2王子と接点は?」

「あの子が望めば。」

「第3夫人からは望まないのかしら?」

「私には何もないのよ。」

「直近で、第2王子と接点は持ったのはいつかしら?」

「婚約破棄して、謹慎する前に、挨拶にきたわ。」

「婚約前と変化はなかったかしら?」

「ないわ。」

「第2王子はなんと?」

「婚約破棄したから、謹慎になった、と。」

「第3夫人は?」

「一緒に行くわ、と。」

「第2王子と婚約破棄についての話はしていないのかしら?」

「ええ。あの子がどんな結論を出しても、私のすることは決まっているの。私の命が尽きる瞬間まで、あの子の決断に否と言わないこと。あの子が第2王子として生きると決まったときに約束したのよ。」

子どものために足掻いたりはしない代わりに、最後までついていく親。

子どもはどっちかしら?
無力でも、母には足掻いてほしい?
何もできないなら、余計なことはしないでほしい?

第3夫人と第2王子は一蓮托生。

第2王子が生まれる前から。

「第3夫人のご実家の不景気は長いのかしら?」

「50年位前の儲け話で失敗してから、浮上していないわ。」

「第3夫人とご実家は、今も交流がおありかしら?」

「今もというより、元々、ないわ。貧乏子沢山だったから、自立は早かったの。」

「姪と第2王子の間柄は聞き及んでいるかしら?」

「あの子が第2王子として認められた関係で、実家も盛り上がりをみせたとは思うけど、あの子の口から姪の話は聞いたことがないわ。」
第3夫人は、終始穏やかな口調を崩さなかった。
「私達親子と私の実家が親密だったことはないの。今後もね。」
今後もね、の1言に全てがこめられていた。

「ご足労いただき感謝するの。」

「終わり?」

「今から第2王子に会うの。」

「頑張ってね。」
第3夫人は、彼女の居住区へ帰っていく。

ボクとフィリップ殿下が第3夫人と話ができたのは、別働隊のメンバーで、ボク達を囲んでくれたから。

第3夫人が帰るために、囲いをオープンにしたので、ユズキリ王女の周りの方々が踏み込んできた。

ユズキリ王女を蔑ろにしすぎだと苦情が入る。

うん、蔑ろにしているの。

優しさを都合よく利用されたくないの。

ユズキリ王女を差し置いて、年増の子持ちが良いのか、という声もある。

どっちも選ばないという選択肢もあるの。

第2王子の面会のときは。

第2王子の紹介だけしてもらったら、ユズキリ王女には自主的にお帰りいただくの。
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