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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

711.圧倒的な経験の差がものいう。

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フィリップ殿下が王子という肩書きと見た目を活かして、諜報部員顔負けの情報収集力を発揮していたの。

本当に、フィリップ殿下は、優秀なの。

ボクに関する執着も、目的達成の手段に混ぜ込んで、結果を出すの。

デヒルお兄様が、フィリップ殿下を生かして働かせろと指示したのは、仕事ができるから。

ボクは、いつも掌で転がされちゃう。

終わってから、気がついたの。
フィリップ殿下は、最初から、アンドリューにボクを抱かせるつもりだったと思う。

ボク、アンドリューがいなかったら、逃げたかったもの。

アンドリューは、ボクの嫌なことは絶対にしないの。

アンドリューがいて、何も言わないなら、ボクは大丈夫と思って、フィリップ殿下の言う通りにしたの。

ボクは、全く分からなかったけれど、アンドリューとクリストファーは、フィリップ殿下の思惑を理解して、阿吽の呼吸で動いていたの。

ボクにも、監視と偵察のハンティア王国人にも察知されることなく。

ボクは、まだまだ、足らないところだらけなの。


ボク、仕事のできる男になって
名実ともに、近衛の偉い人になりたいけれど、道のりは遠い。



アンドリューとクリストファーは、残念ながら、と首を振った。
「フィリップ殿下以上の情報は何も。深い話をする関係にはならなかったので。」
とクリストファー。
「積極的に誘いかけてきても、実際に親密な仲になろうと踏み込んでこないんです。」

「彼女達は、密室に2人になれば、結婚できると考えているのに、なぜ、結婚に至るのか、までは思い至らないくらいの箱入りです。」

「密室で男女2人きりになったら、何が起きても、コトに及ばれても分からない、とまでは考えていないんです。」

「危機感がありません。手を出したら、泣き叫ぶか、そんなつもりじゃなかったのにと泣くパターンですね。」

「密室に2人でいて、お話だけで済むと思っています。」

「よく見ている。」
とフィリップ殿下が、クリストファーを褒めた。

「クリストファー。どうして、箱入り娘と分かったのかしら?」

「アンドリューは紳士的な対応を徹底して、俺は軽めと差をつけてみた。」

気づかなかったの。
クリストファーが役者だったなんて。

「どうにかされるかも、という場面なのに、危機感も無く、期待しているわけでもない。男女の意味が分かっていない。」

クリストファー。
ごめんなさい。
ボクも、男女の意味が分からないの。

いつかは、ボクにも分かる日がきて、クリストファーと語れるといいのだけど。

ボクの眉毛が下がっているのを見て、アンドリューが眉毛をよしよししてくれる。

「フィリスは、男女ではないが、分かると思う。」
とアンドリュー。

え?
男女ではなくとも、ということは、ボクの場合、男の方とになるけれど、いいのかしら?

「フィリスは分かるが、サブリーとユージュアルは、分からない。そういうことだ。」
とフィリップ殿下。

ボク、全く分からないの。

説明が欲しいの。

「フィリスは、俺と仲良くして、互いに体のすみずみまで、理解しあえているよな?」
とアンドリュー。

「うん。好きなの。アンドリューも、アンドリューとするのも。」

「サブリーとユージュアルは、今フィリスが感じた気持ちになったことはないと思う。」
とアンドリュー。

「どういうことかしら?」

「まっさらだからな。2人共。」
とフィリップ殿下。

「まっさら?」

「男も女も、未経験ということだよ、フィリス。」
とクリストファー。

「それが、関係あるのかしら?」

「自身を性的な目で見せようとしたり、欲情したり、欲情させたり。そういう場面を経験した人間の魅せ方と、していない人間の見せ方は違ってくるものだから。」
とアンドリュー。

「そういうものなのかしら?」
ボクは、びっくり。

「フィリスは、とても魅力的だよ。」
とアンドリュー。
キュンとしちゃうの。
「アンドリュー。好きなの。」

「フィリスは、そうだろ?」
とクリストファー。

「性格の違いや幼さの程度の差はあるけど、サブリーとユージュアルは、違う反応をするぞ。」
とクリストファー。


サブリー、ユージュアル。

世界には、ボクの知らないことがたくさんあるの。

2人は、ウィルソンだけじゃなく、クリストファーにも幼い認定されているの。

「サブリーとユージュアルが、さっきの部屋にいなかったのは、オトナの時間だったからだ。」
とフィリップ殿下。

「ありがとう、なの?」

「どういたしまして。」
とフィリップ殿下。
「あの2人には、まだ早い。」

そこは、ボクにも、まだ早いを適用しても良かったんじゃないかしら。

気持ちよくなっていたけども。

ボク、刹那的なセックスよりも落ち着いた場所でじわじわ幸せに浸りたいの。
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