フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
709 / 1,439
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

710.情報源が、話したがっているから、聞いてやる方式。魅了疑惑に関わる内情を暴露してくれた情報源って、ひょっとして?

しおりを挟む
「魅了の被害者に会う前に、被害者の婚約者と元婚約者だった王女以下の話をまとめると。」
とフィリップ殿下。

「世間知らずの若い男子学生達が、1人の平民の女子学生に、次々と入れあげ、女の気を引こうと金をつぎ込む者が続出。」

「女が誰にもなびかないから、競い合うように金を出し、貢ぎ物合戦を繰り広げ、女の尻を追いかけるのに夢中になりすぎて、婚約者をすげなく追い払い、何組かは、婚約破棄からの婚約解消に至っている。」

「平民の女は、裕福な平民や下級貴族向けの大商会の娘。商会が、成り上がりのために娘を使ったのかと調査が入ったが、商会の関与した証拠は見つからず、商会も娘を放逐。」

「娘の単独犯ということで、現在まで、娘は国の監視下においている。」

「娘は、魔力がなく、頭脳も平均以下。見た目に対する評価の男女差が大きい。」

「男子学生は、目で追いたくなり、目が離せなくなる。女と話していると、天にものぼる気持ちになる。」

「女子学生から見た女は、取り付く島がない印象で、見た目は可愛いと思うが、仲良くなりたいという気持ちは起きないそうだ。」

「女の特殊能力を疑ったのは、男女の認識が違いすぎたので、専門家や研究者が、観察した結果、浮上した可能性の1つに過ぎなかったのだが、いつのまにか定説になった。」

「定説が、女が魅了持ちで魅了を使って誑かした、なの?」

「現状はな。」

「安易に結果に飛びつきすぎじゃないかしら?」

「女以外の原因が、他に見当たらないようだ。」
とフィリップ殿下。

「女が原因であることは確かだろうが、魅了かどうかの判断は、魅了にかかったとされる男子学生を見るまではしない。」

「「了解。」」
とアンドリューとクリストファー。

「引っかかったのは、金が自由に使えて、将来が保証されている男子学生。」
とフィリップ殿下。
「どこぞの間者の疑いもあったが、商会を放逐されて、市井に暮らす間、接触した者は、いなかったそうだ。」

「情報の集まり方が、エグいです。」
とクリストファー。

「私は、誰かが話したくて仕方がない話を聞いた。」
とフィリップ殿下。

誰か、は、ユズキリ王女、とその周辺かしら。

「ユズキリ王女の婚約は継続中。」
とフィリップ殿下。

「第2王女は国内で第1王子を支える目的のための婚約だから、第2王女と婚約者の婚姻が成りさえすれば、子どもがいなくても良い。」

「男は、魅了持ち疑惑の女を囲いながら、結婚生活を始める計画を立てていた。
王女側から抗議を受け、女が解放されても、接触しないこと、と決まった。」

はて?

「ユズキリ王女が、結婚に繋がらないのに、フィリップ殿下を誘っているのは、どうしてかしら?」

「王女は、外国の王子から申し入れをされて、愛人を囲う計画を立てた婚約者との婚約を穏便に解消したがっている。」

「王女の婚約者の家は、王女降嫁の実績がほしい。家格を上げるために。」

「家格が低いお家なのかしら?」

「地方で権勢をほこってきたが、中央での地位は高くない伯爵家。」
とフィリップ殿下。
「王女に子どもが生まれても、王女の子どもが跡取りになることはない。」

「どういうことかしら?」

「王女の婚約者が跡取りではない。」
とフィリップ殿下。

王女の結婚は、王家の血筋が魅力的だから、ではないのね。

王家から頼み込んだのかしら?

「第2王子は、婚約破棄を宣言した後、婚約者だったご令嬢側から、婚約を解消されている。」
とフィリップ殿下。

「第2王子の側近候補の男子学生も、第2王子と一緒になって婚約破棄を叫び、仲良く婚約を解消している。」

「王女以外に積極的な高位貴族子女は、婚約解消して、婚約者がいなくなったところに、適齢期の未婚の男を並べられて、早いもの勝ちの争奪戦をしている。」

「追加投入された子女は、それ以外。」

「高位貴族子女の婚約解消のあおりで、無事だった婚約者を高位貴族に召し上げられた中位貴族子女。」

「兄弟や親戚が婚約解消の原因となったあおりで、婚約解消になった子女。」

「貴族子女の勢力図も把握したんですね。」
とクリストファー。

「王女が1番必死だからな。」
とフィリップ殿下。

王女が、たくさん内情を暴露してくれたんですか、そうですか。

「アンドリューとクリストファーは、何かつかんだか?」
とフィリップ殿下。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~

TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ! 東京五輪応援します! 色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...