フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
709 / 1,437
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

710.情報源が、話したがっているから、聞いてやる方式。魅了疑惑に関わる内情を暴露してくれた情報源って、ひょっとして?

しおりを挟む
「魅了の被害者に会う前に、被害者の婚約者と元婚約者だった王女以下の話をまとめると。」
とフィリップ殿下。

「世間知らずの若い男子学生達が、1人の平民の女子学生に、次々と入れあげ、女の気を引こうと金をつぎ込む者が続出。」

「女が誰にもなびかないから、競い合うように金を出し、貢ぎ物合戦を繰り広げ、女の尻を追いかけるのに夢中になりすぎて、婚約者をすげなく追い払い、何組かは、婚約破棄からの婚約解消に至っている。」

「平民の女は、裕福な平民や下級貴族向けの大商会の娘。商会が、成り上がりのために娘を使ったのかと調査が入ったが、商会の関与した証拠は見つからず、商会も娘を放逐。」

「娘の単独犯ということで、現在まで、娘は国の監視下においている。」

「娘は、魔力がなく、頭脳も平均以下。見た目に対する評価の男女差が大きい。」

「男子学生は、目で追いたくなり、目が離せなくなる。女と話していると、天にものぼる気持ちになる。」

「女子学生から見た女は、取り付く島がない印象で、見た目は可愛いと思うが、仲良くなりたいという気持ちは起きないそうだ。」

「女の特殊能力を疑ったのは、男女の認識が違いすぎたので、専門家や研究者が、観察した結果、浮上した可能性の1つに過ぎなかったのだが、いつのまにか定説になった。」

「定説が、女が魅了持ちで魅了を使って誑かした、なの?」

「現状はな。」

「安易に結果に飛びつきすぎじゃないかしら?」

「女以外の原因が、他に見当たらないようだ。」
とフィリップ殿下。

「女が原因であることは確かだろうが、魅了かどうかの判断は、魅了にかかったとされる男子学生を見るまではしない。」

「「了解。」」
とアンドリューとクリストファー。

「引っかかったのは、金が自由に使えて、将来が保証されている男子学生。」
とフィリップ殿下。
「どこぞの間者の疑いもあったが、商会を放逐されて、市井に暮らす間、接触した者は、いなかったそうだ。」

「情報の集まり方が、エグいです。」
とクリストファー。

「私は、誰かが話したくて仕方がない話を聞いた。」
とフィリップ殿下。

誰か、は、ユズキリ王女、とその周辺かしら。

「ユズキリ王女の婚約は継続中。」
とフィリップ殿下。

「第2王女は国内で第1王子を支える目的のための婚約だから、第2王女と婚約者の婚姻が成りさえすれば、子どもがいなくても良い。」

「男は、魅了持ち疑惑の女を囲いながら、結婚生活を始める計画を立てていた。
王女側から抗議を受け、女が解放されても、接触しないこと、と決まった。」

はて?

「ユズキリ王女が、結婚に繋がらないのに、フィリップ殿下を誘っているのは、どうしてかしら?」

「王女は、外国の王子から申し入れをされて、愛人を囲う計画を立てた婚約者との婚約を穏便に解消したがっている。」

「王女の婚約者の家は、王女降嫁の実績がほしい。家格を上げるために。」

「家格が低いお家なのかしら?」

「地方で権勢をほこってきたが、中央での地位は高くない伯爵家。」
とフィリップ殿下。
「王女に子どもが生まれても、王女の子どもが跡取りになることはない。」

「どういうことかしら?」

「王女の婚約者が跡取りではない。」
とフィリップ殿下。

王女の結婚は、王家の血筋が魅力的だから、ではないのね。

王家から頼み込んだのかしら?

「第2王子は、婚約破棄を宣言した後、婚約者だったご令嬢側から、婚約を解消されている。」
とフィリップ殿下。

「第2王子の側近候補の男子学生も、第2王子と一緒になって婚約破棄を叫び、仲良く婚約を解消している。」

「王女以外に積極的な高位貴族子女は、婚約解消して、婚約者がいなくなったところに、適齢期の未婚の男を並べられて、早いもの勝ちの争奪戦をしている。」

「追加投入された子女は、それ以外。」

「高位貴族子女の婚約解消のあおりで、無事だった婚約者を高位貴族に召し上げられた中位貴族子女。」

「兄弟や親戚が婚約解消の原因となったあおりで、婚約解消になった子女。」

「貴族子女の勢力図も把握したんですね。」
とクリストファー。

「王女が1番必死だからな。」
とフィリップ殿下。

王女が、たくさん内情を暴露してくれたんですか、そうですか。

「アンドリューとクリストファーは、何かつかんだか?」
とフィリップ殿下。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】『ルカ』

瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。 倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。 クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。 そんなある日、クロを知る青年が現れ……? 貴族の青年×記憶喪失の青年です。 ※自サイトでも掲載しています。 2021年6月28日 本編完結

勇者召喚に巻き込まれて追放されたのに、どうして王子のお前がついてくる。

イコ
BL
魔族と戦争を繰り広げている王国は、人材不足のために勇者召喚を行なった。 力ある勇者たちは優遇され、巻き込まれた主人公は追放される。 だが、そんな主人公に優しく声をかけてくれたのは、召喚した側の第五王子様だった。 イケメンの王子様の領地で一緒に領地経営? えっ、男女どっちでも結婚ができる? 頼りになる俺を手放したくないから結婚してほしい? 俺、男と結婚するのか?

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

某国の皇子、冒険者となる

くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。 転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。 俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために…… 異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。 主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。 ※ BL要素は控えめです。 2020年1月30日(木)完結しました。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

食堂の大聖女様〜転生大聖女は実家の食堂を手伝ってただけなのに、なぜか常連客たちが鬼神のような集団になってるんですが?〜

にゃん小春
ファンタジー
魔獣の影響で陸の孤島と化した村に住む少女、ティリスティアーナ・フリューネス。父は左遷された錬金術師で村の治療薬を作り、母は唯一の食堂を営んでいた。代わり映えのしない毎日だが、いずれこの寒村は終わりを迎えるだろう。そんな危機的状況の中、十五歳になったばかりのティリスティアーナはある不思議な夢を見る。それは、前世の記憶とも思える大聖女の処刑の場面だった。夢を見た後、村に奇跡的な現象が起き始める。ティリスティアーナが作る料理を食べた村の老人たちは若返り、強靭な肉体を取り戻していたのだ。 そして、鬼神のごとく強くなってしまった村人たちは狩られるものから狩るものへと代わり危機的状況を脱して行くことに!? 滅びかけた村は復活の兆しを見せ、ティリスティアーナも自らの正体を少しずつ思い出していく。 しかし、村で始まった異変はやがて自称常識人である今世は静かに暮らしたいと宣うティリスティアーナによって世界全体を巻き込む大きな波となって広がっていくのであった。 2025/1/25(土)HOTランキング1位ありがとうございます!

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

処理中です...