上 下
702 / 1,415
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

703.王女とご令嬢方の顔ぶれが、固定されてきて見飽きたなあ。魅了持ち疑惑のある女性はパスするとして。おや、ぴったりくる人達がいるじゃない?

しおりを挟む
サブリーとユージュアルは、ぼそぼそと話している。

「寂しがり屋のフィリスが安心出来て、良かった話だな。」
とサブリー。

「仲が良いのはいいことだ。」
とユージュアル。

サブリーとユージュアルの集中力は既に切れている。
もう、興味のない話を真面目に聞くのは難しい。

サブリーとユージュアルを早く、放牧させたい。

2人が勝手に飛び出すのを追いかけるより、場所を決めて放牧する方が、帰ってきなさいと呼べるので、断然いい。

アランとバージニは、背中側に手を回して、なだめるように、とんとんと叩いてやる。

もぞもぞしていた2人は、アランとバージニの背中で、少し大人しくなった。

2人を見ていると伝えると、2人は待てる。

誰も見ていないと思うと、ふらっといなくなろうとするが。

警戒を怠らないことで、フィリスと自分と、周りを守ろうとする頑張り屋で健気な2人。

アランとバージニに捕まえられているとはいえ、2人は、待てができるようになった。



ユズキリ王女の話を聞いて、騒いでいるのは、ハンティア王国の令嬢達。

コーハ王国の最前列で聞いているフィリスとフィリップ殿下とアンドリューは、顔色1つ変えず、ふーん、と大人しい。


魅了にかかっている男達と、かけた男の逆ハーレム物語。フィリップ殿下がいつでもどこでも、ノリノリで展開している。

フィリスの言動は、演技ではなく、素のもの。

アンドリューは、観客層の傾向を考慮し、その言動で、逆ハーレムの方向性をコントロールしている。

クリストファーが、たまにアンドリューをアシスト。

ブレーキ担当は、いない。

逆ハーレム物語の観客層が狙い通り王女やご令嬢なので、ユズキリ王女の語りには、順調、と感じるだけ。

次の一手は、何を狙って、どこにおくか、と考えながら、ハンティア王国の王女とご令嬢の喧騒を眺めている。

「フィリップ殿下。ハンティア王国の王女とご令嬢方だけでは、代わり映えしないの。」
とフィリス。

ご令嬢の顔ぶれも固定され、新しい発見もなくなった。

毎日同じ茶番を繰り返すだけでは、ハンティア王国にきた意味がない。

フィリスを実際に見せても、ハンティア王国のフィリスに対する魅了解明の熱意が冷めない。

コーハ王国とハンティア王国との間には、魅了についての認識に齟齬があるのでは、とコーハ王国外交団は推測している。

ハンティア王国へ馬鹿正直に話して、ハンティア王国の説明を鵜呑みにするような馬鹿は、フィリップ殿下が団長を務めるコーハ王国外交団にはいない。

外交において、馬鹿正直は美徳ではない。

フィリップ殿下は、周りからの忖度が必要な、仕事のできない人間を側で使うことはない。

コーハ王国外交団の一員は、フィリス、サブリー、ユージュアルも含めて、フィリップ殿下のお眼鏡に叶っている。

さて、新しい取っ掛かりを探しているのだが。

友好国でもない外国で、下準備もなく、魅了持ち疑惑のある女性に会うのはリスキー過ぎる。

それならば。

「魅了にかかっているという男子学生は、今、どこで、なにをしているのかしら?」
とフィリス。
「フィリップ殿下。魅了にかかっている男子学生を王城に集めてもらうの。集められないなら、見に行くの。」

フィリップ殿下やアンドリューを魅了にかかっていると判断しているハンティア王国の判断基準の元になった人物達。

百聞は一見にしかずである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

英雄様の取説は御抱えモブが一番理解していない

薗 蜩
BL
テオドア・オールデンはA級センチネルとして日々怪獣体と戦っていた。 彼を癒せるのは唯一のバティであるA級ガイドの五十嵐勇太だけだった。 しかし五十嵐はテオドアが苦手。 黙って立っていれば滅茶苦茶イケメンなセンチネルのテオドアと黒目黒髪純日本人の五十嵐君の、のんびりセンチネルなバースのお話です。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕

hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。 それは容姿にも性格にも表れていた。 なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。 一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。 僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか? ★BL&R18です。

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)

黒崎由希
BL
   目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。  しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ? ✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻  …ええっと…  もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m .

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

処理中です...