フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

702.逆ハーレムを実演中。フィリップ殿下に肩を抱かれながら、令嬢集団と話しているアンドリューとクリストファーを呼び寄せよう。

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ユズキリ王女によるフィリスとアンドリューのロマンチックなメモリーのご披露が始まった。

アンドリューとクリストファーは、大変紳士的で、どちらもご令嬢に大人気。

女性に冷たいこともなく、馴れ馴れしくもない。

ご令嬢のどんなトークにも、軽妙な返しをしてくれる。

フィリップ殿下に負けず劣らず大人気の2人は、常にセットでいる。

2人はフィリップ殿下より親しみやすさが魅力的で、声をかけたくなる令嬢は多い。

フィリスという近衛が王城に来るまでは、アンドリューもクリストファーも、令嬢に呼び止められると、立ち止まって、会話をしていた。

フィリスという近衛が王城に来てから、アンドリューもクリストファーも、ご令嬢の誘いに乗らなくなってしまった。

その日。
アンドリューとクリストファーを見かけたご令嬢が、いつものように近づいて話しかけた。

「アンドリュー様。」
「クリストファー様。」
「これからどちらへ?ご一緒しますわ。」
「お時間ございませんこと?」
「珍しい茶菓子はお好きですか?」

アンドリューとクリストファーを中心に半円形に広がる令嬢達。

フィリップ殿下に肩を抱かれていたフィリスは、アンドリューとクリストファーに向かって、こう言った。

「アンドリュー。クリストファー。2人共。ボクというものがありながら。」

その台詞を聞いた、アンドリューとクリストファーは、令嬢に失礼すると断ると、足早にフィリスの側へ。

「2人共、ボクのなの。」
とフィリス。
フィリスの肩は、フィリップ殿下に抱かれたまま。

「不安にさせた。悪かった。もうしない。」
とアンドリュー。
フィリスの手をとり、その手の甲に口づける。

「ごめん。帰ってきたから、許して。」
とクリストファー。
仲直りの握手と言いながら、フィリスの手を握る。

「許したいの。でも、さっきの光景を見ていたら、不安で寂しくなったの。お胸がぎゅっと絞られて痛いの。」
とフィリス。
目に涙を溜めている。

「アンドリュー。今から口づけして。ボクを安心させて。」
とフィリス。

口づけを強請られた、アンドリューは、フィリスの顎に手をかけて、唇と唇を重ねる。

「ん。ふっ。ん。ふっ。」
斜めから始まった口づけは、何度も角度を変えていく。形を変えながら、唇が組み合わさり、離れていくと、唾液が糸をひいた。

「アンドリュー。」
吐息混じりに呼びかけるフィリス。
「好き。」

「俺も好きだ。安心できたか?フィリス。」
とアンドリュー。

「もっと。もっとしたいの。」
とフィリス。

「ここで?」
とアンドリューは、1度離したフィリスの顎に再び手をかける。

「もっと。ボクにたくさん飲ませて。」
とフィリス。

「今は、少しだけ。部屋に帰ったら、俺に溺れていろ。」
とアンドリュー。

「うん。アンドリューに溺れたい。」
とフィリス。

チュッチュと軽い接触の口づけを繰り返す2人。

「クリストファーが、待っている。」
とアンドリューは、フィリスの顎から手を離した。

クリストファーは、フィリスの頭を撫でた。次に、フィリスの顎の下を猫を可愛がるかのように撫でてやりながら、話しかけている。
「フィリス、帰ったら、俺と出かけない?行ったことがないところ、連れて行ってやるから、今日は、機嫌直して。」

「一緒にお出かけ?嬉しい。」
とフィリスはにこにこ。

「もう胸のぎゅっとした感じはなくなったか?」
とクリストファー。

「うん。ありがとう。クリストファー。」
とフィリス。
「クリストファーのことも好きなの、ボク。」

アンドリューとクリストファーは、フィリップ殿下に肩を抱かれたフィリスと一緒に立ち去った。

この出来事以降、アンドリューとクリストファーは、ご令嬢と打ち解けた会話をしなくなった。

令嬢達が、理由を聞いても、いつもはぐらかされる。

仕方ないので、第2王女であるユズキリ王女がアンドリューとクリストファーを問い質した。

すると。
アンドリューとクリストファーは、口を揃えてこう答えた。
「「俺達は、フィリスの気持ちが大事です。フィリスを不安にさせることはしません。今後、ハンティア王国のご令嬢とは、適切な距離を保ちます。」」
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