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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
697.ハンティア王国第2王女は、魅了持ちの平民娘ミドリン・パーマーによって、青春を引っ掻き回され、将来設計を台無しにされたのか?
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ユズキリ王女は、ハンティア王国の第2王女として、この世に生を受けた。
ユズキリ王女は、国王の第2夫人の第2子。
第1子も女児だった。
第1王女は、同母の姉である。
第1王女は、結婚して国外に居を移している。
第1王子は、第1夫人の第1子。王太子である。
第3夫人の第1子が、第2王子。
第3王子は、嫁いできた外国のご令嬢を母に持ち、ご令嬢の祖国とハンティア王国を行き来している。
第3王子は、ハンティア王国に残らないだろう。
母であるご令嬢は、ハンティア王国の風土が体調に合わないようで、1年の半分以上は、ハンティア王国にいない。
第2王女と第2王子は、第2王女が1つお姉さんの年子だ。
2人は、遊び相手で、喧嘩相手で、競争相手。
第2王子と第2王女は、王太子の補佐として、国内貴族と結婚し国内に残ることを望まれてきた。
ハンティア王国の学校は、マンモス校である。
学費を滞り無く納めて、学力が一定以上のラインを超えていれば、入学できる。
退学者も、毎年いるが、学校に通いたいと願う者に対して、門戸は常に開かれている。
王侯貴族の子弟、子女は、原則12歳での入学が義務付けられている。
入学前から、婚約者候補を顔合わせを行った甲斐があり、
第2王子は国内の貴族令嬢と婚約、
ユズキリ王女も国内の貴族子弟と婚約が整ってからの入学となった。
学生生活はなんの問題もなく始まった。
学友と共に、先輩、後輩がいる学生生活は楽しかった。
しかし、突然、暗雲が垂れ込めた。
ある年。
ミドリン・パーマーという、パーマー商会の娘が入学した。
平民の大きな商会の娘。
他の兄弟姉妹のような頭脳ではなく、容姿を活かしていくのだろうと思われた。
ミドリン・パーマーの見た目に釘付けになる男子学生が続出したからだ。
女子学生には、よくわからない魅力がミドリン・パーマーにはあるらしかった。
男子学生の塊があると、中心にはミドリン・パーマーがいる。
女子学生は、総じてミドリン・パーマーが好きではない。
男子学生に囲まれていて、話しかけにくい。
用事があって、ミドリン・パーマーに話しかけると、男子学生が過剰反応して、面倒。
ミドリン・パーマーとの話題がない。
後から入ってきたミドリン・パーマーを気にかけていた女子学生も、ミドリン・パーマー自身に、女子学生と馴染もうという気がないのではと感じて、近寄らなくなった。
ミドリン・パーマーは、女子学生と話すところを誰も見たことがない、と言われるほどに、女子学生の間では遠巻きにされていた。
ミドリン・パーマー自身が不便を感じていないなら、大商会の娘でも、気にかける必要はない。
裕福な平民や下級貴族相手の商売に特化した商会なので、ミドリン・パーマーは、ユズキリ王女が関わる必要のない娘だ。
ユズキリ王女は、自分と繋がりのある女子学生には、ミドリン・パーマーとは関わらなくてよい、と下知した。
生きる世界が違うのだから、関わるのは無駄である。
女子学生達は、不愉快な存在に煩わされたくなかったので、ミドリン・パーマーに対する一切の関わりを断った。
ミドリン・パーマーは、高貴な女子学生との関わりがなくなったので、大っぴらに男子学生に営業をするようになった。
ミドリン・パーマーの営業手法は、恋人営業である。
入学以来、男子学生の輪の中にいたミドリン・パーマーは、営業する相手の見極めに注力してきた。
金払いがよく、ミドリン・パーマーの言いなりになって買い物をしてくれそうな男子学生からターゲットを広げていく。
あいつが買うなら、オレも、オレも、と顧客は拡大していった。
最初は、同じ裕福な平民や下級貴族から。
徐々に、中位貴族、高位貴族へとターゲットは移っていく。
下級貴族や平民の女子からミドリン・パーマーは大ひんしゅくを買っていたが、大商会の娘に表立って文句を言う女子学生はいなかった。
勇気を出して、中位貴族や高位貴族のご令嬢にお伺いをしてみれば、第2王女が、ミドリン・パーマーと関わるなと命令している、という話を聞き、ミドリン・パーマーは特別扱いされているのか、と諦めてしまった。
ミドリン・パーマーは、平民なので、社交しない。
第2王女のその周囲のご令嬢が情報を集めてくるのは、主に社交界。
下位貴族のご令嬢は、ミドリン・パーマーの行状はお墨付きだと誤解しており、話題にしない。
第2王女とその周囲の女子学生が、ミドリン・パーマーの情報を刷新したとき。
第2王女とその周囲の高位貴族子女の婚約者、第2王子とその側近が、既にミドリン・パーマーの虜になっていた。
第2王子を含めて、ミドリン・パーマーにハマった男子学生は、ミドリン・パーマーに関する苦言を呈されると、第2王女や婚約者の女子学生へ敵意を向けるようになっていく。
婚約者として、行状を改めるように男子学生に求めても、嫌悪されるばかり。
ミドリン・パーマーに婚約者のいる男子学生に近づくなと言うと、婚約者なら女磨きを頑張ってください、と鼻で笑われる。
その上、婚約者の男子学生からは、ミドリン・パーマーに近づくな、危害を加えるなら許さないと忠告されるようになった。
下位貴族のご令嬢は、婚約者がミドリン・パーマーにハマったと理解すると、早々に見切りをつけて、次の相手を決めていった。
第2王女が黙認し、第2王子を誑かしているような大商会の娘と真っ向から立ち向かうほどの考えなしは、ハンティア王国の貴族として生きられない。
下位貴族のご令嬢の中には、自衛のため、在学中に入籍したものもチラホラいた。
ユズキリ王女が、情報収集を始めた頃には、下位貴族のご令嬢方は、ミドリン・パーマーに籠絡された婚約者に見切りをつけ終わっていた。
ユズキリ王女の情報収集によって、
下位貴族のご令嬢方は、ユズキリ王女がミドリン・パーマーを黙認していたのではないと知った。
同時に、ミドリン・パーマーの行状で、自分に害が及んだから、やっと重い腰をあげたことも知った。
社交界のボスとしての第2王女は評価できない。
下位貴族のご令嬢達は、次々に婚姻へと進んだ。
ミドリン・パーマーにハマった男子学生を彼女達はつぶさに見てきた。
下位貴族の資産や伝手程度では、ミドリン・パーマーにハマった男を再起不能から復活させることは困難。
彼女達が、ミドリン・パーマーにハマった婚約者との婚約を速やかに解消して、新しい相手との関係構築に乗り出したのは、賢明な判断だった。
中位貴族のご令嬢とその婚約者の中には、ミドリン・パーマーと無縁の組み合わせもあった。
ミドリン・パーマーにハマらなくて、無事な婚約者がいた令嬢の中には、後日、別の家の令嬢に婚約者を強奪されたり、婚約解消を強要された者も出たのだ。
ハンティア王国の次世代は荒れに荒れている。
ユズキリ王女は、国王の第2夫人の第2子。
第1子も女児だった。
第1王女は、同母の姉である。
第1王女は、結婚して国外に居を移している。
第1王子は、第1夫人の第1子。王太子である。
第3夫人の第1子が、第2王子。
第3王子は、嫁いできた外国のご令嬢を母に持ち、ご令嬢の祖国とハンティア王国を行き来している。
第3王子は、ハンティア王国に残らないだろう。
母であるご令嬢は、ハンティア王国の風土が体調に合わないようで、1年の半分以上は、ハンティア王国にいない。
第2王女と第2王子は、第2王女が1つお姉さんの年子だ。
2人は、遊び相手で、喧嘩相手で、競争相手。
第2王子と第2王女は、王太子の補佐として、国内貴族と結婚し国内に残ることを望まれてきた。
ハンティア王国の学校は、マンモス校である。
学費を滞り無く納めて、学力が一定以上のラインを超えていれば、入学できる。
退学者も、毎年いるが、学校に通いたいと願う者に対して、門戸は常に開かれている。
王侯貴族の子弟、子女は、原則12歳での入学が義務付けられている。
入学前から、婚約者候補を顔合わせを行った甲斐があり、
第2王子は国内の貴族令嬢と婚約、
ユズキリ王女も国内の貴族子弟と婚約が整ってからの入学となった。
学生生活はなんの問題もなく始まった。
学友と共に、先輩、後輩がいる学生生活は楽しかった。
しかし、突然、暗雲が垂れ込めた。
ある年。
ミドリン・パーマーという、パーマー商会の娘が入学した。
平民の大きな商会の娘。
他の兄弟姉妹のような頭脳ではなく、容姿を活かしていくのだろうと思われた。
ミドリン・パーマーの見た目に釘付けになる男子学生が続出したからだ。
女子学生には、よくわからない魅力がミドリン・パーマーにはあるらしかった。
男子学生の塊があると、中心にはミドリン・パーマーがいる。
女子学生は、総じてミドリン・パーマーが好きではない。
男子学生に囲まれていて、話しかけにくい。
用事があって、ミドリン・パーマーに話しかけると、男子学生が過剰反応して、面倒。
ミドリン・パーマーとの話題がない。
後から入ってきたミドリン・パーマーを気にかけていた女子学生も、ミドリン・パーマー自身に、女子学生と馴染もうという気がないのではと感じて、近寄らなくなった。
ミドリン・パーマーは、女子学生と話すところを誰も見たことがない、と言われるほどに、女子学生の間では遠巻きにされていた。
ミドリン・パーマー自身が不便を感じていないなら、大商会の娘でも、気にかける必要はない。
裕福な平民や下級貴族相手の商売に特化した商会なので、ミドリン・パーマーは、ユズキリ王女が関わる必要のない娘だ。
ユズキリ王女は、自分と繋がりのある女子学生には、ミドリン・パーマーとは関わらなくてよい、と下知した。
生きる世界が違うのだから、関わるのは無駄である。
女子学生達は、不愉快な存在に煩わされたくなかったので、ミドリン・パーマーに対する一切の関わりを断った。
ミドリン・パーマーは、高貴な女子学生との関わりがなくなったので、大っぴらに男子学生に営業をするようになった。
ミドリン・パーマーの営業手法は、恋人営業である。
入学以来、男子学生の輪の中にいたミドリン・パーマーは、営業する相手の見極めに注力してきた。
金払いがよく、ミドリン・パーマーの言いなりになって買い物をしてくれそうな男子学生からターゲットを広げていく。
あいつが買うなら、オレも、オレも、と顧客は拡大していった。
最初は、同じ裕福な平民や下級貴族から。
徐々に、中位貴族、高位貴族へとターゲットは移っていく。
下級貴族や平民の女子からミドリン・パーマーは大ひんしゅくを買っていたが、大商会の娘に表立って文句を言う女子学生はいなかった。
勇気を出して、中位貴族や高位貴族のご令嬢にお伺いをしてみれば、第2王女が、ミドリン・パーマーと関わるなと命令している、という話を聞き、ミドリン・パーマーは特別扱いされているのか、と諦めてしまった。
ミドリン・パーマーは、平民なので、社交しない。
第2王女のその周囲のご令嬢が情報を集めてくるのは、主に社交界。
下位貴族のご令嬢は、ミドリン・パーマーの行状はお墨付きだと誤解しており、話題にしない。
第2王女とその周囲の女子学生が、ミドリン・パーマーの情報を刷新したとき。
第2王女とその周囲の高位貴族子女の婚約者、第2王子とその側近が、既にミドリン・パーマーの虜になっていた。
第2王子を含めて、ミドリン・パーマーにハマった男子学生は、ミドリン・パーマーに関する苦言を呈されると、第2王女や婚約者の女子学生へ敵意を向けるようになっていく。
婚約者として、行状を改めるように男子学生に求めても、嫌悪されるばかり。
ミドリン・パーマーに婚約者のいる男子学生に近づくなと言うと、婚約者なら女磨きを頑張ってください、と鼻で笑われる。
その上、婚約者の男子学生からは、ミドリン・パーマーに近づくな、危害を加えるなら許さないと忠告されるようになった。
下位貴族のご令嬢は、婚約者がミドリン・パーマーにハマったと理解すると、早々に見切りをつけて、次の相手を決めていった。
第2王女が黙認し、第2王子を誑かしているような大商会の娘と真っ向から立ち向かうほどの考えなしは、ハンティア王国の貴族として生きられない。
下位貴族のご令嬢の中には、自衛のため、在学中に入籍したものもチラホラいた。
ユズキリ王女が、情報収集を始めた頃には、下位貴族のご令嬢方は、ミドリン・パーマーに籠絡された婚約者に見切りをつけ終わっていた。
ユズキリ王女の情報収集によって、
下位貴族のご令嬢方は、ユズキリ王女がミドリン・パーマーを黙認していたのではないと知った。
同時に、ミドリン・パーマーの行状で、自分に害が及んだから、やっと重い腰をあげたことも知った。
社交界のボスとしての第2王女は評価できない。
下位貴族のご令嬢達は、次々に婚姻へと進んだ。
ミドリン・パーマーにハマった男子学生を彼女達はつぶさに見てきた。
下位貴族の資産や伝手程度では、ミドリン・パーマーにハマった男を再起不能から復活させることは困難。
彼女達が、ミドリン・パーマーにハマった婚約者との婚約を速やかに解消して、新しい相手との関係構築に乗り出したのは、賢明な判断だった。
中位貴族のご令嬢とその婚約者の中には、ミドリン・パーマーと無縁の組み合わせもあった。
ミドリン・パーマーにハマらなくて、無事な婚約者がいた令嬢の中には、後日、別の家の令嬢に婚約者を強奪されたり、婚約解消を強要された者も出たのだ。
ハンティア王国の次世代は荒れに荒れている。
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