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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

690.ハンティア王国でも、ご令嬢方に尖った感情を向けられているボク。ボクの魅了疑惑、どこのどなたが言い出したのかしら?

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しーんと静まり返る大広間。

今日の大広間には、王都の街中でドレスを着て肉壁の演出に出演された女性の顔もある。

寝盗った宣言の伯爵令嬢は、肉壁メンバーに入っていなかった。

何か、選抜基準があるのかしら?

初期メンバーと追加メンバー?

花形と引き立て役?

寝盗った宣言の伯爵令嬢の勇み足で、全員、工作員扱いが確定した。

フィリップ殿下が、ボクの発言の後押ししたからね。

連日連夜突撃してくる女性については、ご令嬢方本人からではなく、フィリップ殿下やアンドリューに人物紹介してもらったの。

国の中枢にいるお家や家格の高いお家のご令嬢、または裕福なお家のご令嬢が多かった。

ご令嬢自らが、躍起になって、友好国ではない国の王子や、近衛を落としにかかる?

なぜ?

王子はまだ分かる。

なぜ、外交官ではなく、近衛をターゲットにしたの?

ハニートラップに成功した後を考えると、不自然。

外交官は、政治的な色々の権限を持っているけれど、近衛は、護衛よ?

外交における政治的な発言力を近衛に期待するのは、違うでしょ?

ボクは、イレギュラーだから、おいておいて。

王子を落とす協力者にするために、王子目的以外のご令嬢が、王子の信頼する近衛を落とすようにも見えなかった。

王子の攻略者と、アンドリューの攻略者は、協力関係になかった。

完全に互いに独立して動いていたの。

猿山の大将は、ドレスを着た肉壁に出演されていて、査定の1人目だった、金髪碧眼の方。

予想通り、ハンティア王国の王女だったの。

大広間でも、王族の立ち位置にいる。

王女は、いつ、どのタイミングが最良かをはかりながら、ご令嬢の派遣を管理、監督してきた。

表向きは。

国の偉い人が人のやり繰りを決めて、王女が命令しているのが、実情かしら。

ご令嬢方の年齢は、10代から20代。

ご令嬢のタイプは、てんでバラバラ。

魔法が不得意なのに、魔法を使いたがるご令嬢や、魔導具に詳しくないのに、魔導具をどんどん試すご令嬢がいた。

ボクが一緒でも、フィリップ殿下やアンドリューに突撃して、魔法や魔導具を試していた。

先発メンバーと後発メンバーがいるらしく、先発が成果をあげられなかったから、追加されたのだろうとフィリップ殿下は教えてくれた。

成果もなにも、元々、誰も魅了にかかっていないから。

どうして、そんなに魅了の解除に熱心なのか聞こうにも、ご令嬢は、ボクと話さないの。

ボクと接点を持ちたくないという態度がありありと。

押しかけてくるご令嬢方は。
フィリップ殿下やアンドリューのかかっていない魅了は解除したい。
魅了をかけた張本人と目されているボクには、近づきたくない。

ご令嬢方からボクに向けられている感情は、不自然なくらい尖っている。

警戒心が露わだったり。
生理的嫌悪感だったり。
憎しみがいっぱいだったり。

王都の通りから、フィリップ殿下の抱っこで王城に入った日から、フィリップ殿下とアンドリューがいるところには、必ずボクもいる。

フィリップ殿下とアンドリューに会いにきたご令嬢方は、全員がボクを遠ざけたがった。

フィリップ殿下もアンドリューも、ボクが加わるまでは、ご令嬢方に優しさを見せていたみたいなの。

フィリップ殿下は、情報収集のために。

アンドリューは、性格かしら。

ボクが加わってから、フィリップ殿下とアンドリューの優しさが、ご令嬢方に示されることはない。

ご令嬢方は、ボクの存在に悲壮感を募らせたり、苛立ったり、邪魔に感じている、とは、クリストファーによる解説。

『フィリス・ガランのつかみどころのない魅了のせい。』
とご令嬢方は憤っているそう。

ボク、なんにもしていないの。

フィリップ殿下やアンドリューにくっついているのは、ハンティア王国がボクを狙うせい。

ハンティア王国がボクを狙わなければ、ボクは、1人でのびのびしているのに。

そもそも、ボクの魅了疑惑、どこのどなたが言い出したのかしら?
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