フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

684.『同衾した責任をとりなさいよ!』全く身に覚えがない。襲ってもいないし、襲われてもいない。関係を持っていないことの証明をしなくちゃね。

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ハンティア王国の王城の中、日中は、どこにいくにもフィリップ殿下にべったりしているボク。

他所の国の王城でしていいことか、さっぱり分からないけれども、ボクが1人になると、老若男女問わずに、いつでもどこでも誘拐犯が湧いて出る。


事例1。

椅子に座っていたら、椅子ごと運ばれかけた。

対策1。

フィリップ殿下の隣か、両足の間、膝の上に座るようにしたの。


事例2。

試しに、ボクが1人で歩いてみたら、10メートルもいかないうちに、頭から袋被せてきたの。

対策2。

ボクの移動は、フィリップ殿下に腰を抱かれたり、フィリップ殿下のお姫様抱っこ。


事例3。

ボクの食事は、睡眠薬とか、下剤とか、後遺症はあまりないけれど、席を外したくなる薬を盛って提供してくるの。

対策3。

食事は、フィリップ殿下と食べさせ合っているの。


事例4。

ボクの寝室として割り当てられた部屋なのに、人が出入りし放題。

ボクが寝ていたら、寝たまま連れていこうとする。
ボクが起きていたら、脅したり、暴力に訴えたりしてくる。

部屋の扉をあけたら、転移陣が設置されていたりも。

対策4。

コーハ王国の外交団は、ランダムで雑魚寝。

部屋のベッドを使う人、雑魚寝をする人は、寝る前に、ダーツで決めることにしたの。

ボクは、雑魚寝、固定。

ダーツにしたのは、楽しいから。

ダーツの的を固定せずに、動くようにしたので、的以外に刺さったりもしている。

コーハ王国の王城勤務者は、仕事にも遊び心を、という風土で生きているから。


事例5。

同衾したから、責任をとってとアンドリューに言いだした女性が出現。

魔導具も魔法もアンドリューの魅了を解除できなかったけど、アンドリューがその気になったから、今後、関係を築いていけばよいと仰せになっている。


偉い人達の前で、同衾発言の証言をするか、本人に確認したところ、証言するというので、両国の関係者を集めたの。

フィリップ殿下やアンドリュー達の魅了を解除しようと試みている女性は、全員集合。

女性の保護者と監督責任者も呼んだの。
当主が親なら親。
当主が親族なら、当主をしている親族と親。

誰を嵌めようとしているか、分かっているのかしら?

ボクのアンドリューよ?

ラウルのお姉様が、ボクにご教授くださったの。

『売られた喧嘩は、高く買って、もっと高値で売り抜ける。』

『喧嘩の極意よ。』

『人の物に手を出してくるのは、ナメられているから。』

『寝盗られても、泣き寝入りはしないこと。』

『寝盗ったことで人生が台無しになるまで追い詰めてから、慰謝料を払わせるのが、ベスト。』

ラウルのお姉様。

お姉様の教えを胸に、ボクは戦うの。

その女性は、実際にアンドリューとどんな関係も持っていないので、寝盗られてはいないけれど。

同じくらいの意気込みで。

アンドリューの優しさに付け込んで、自分の思い通りにしようとするのは、身の程知らずだと、知らしめないと。

同衾発言の女性は、伯爵家子女で婚約者はいないそう。

謁見の間は、仰々しいので、大広間で。

同衾発言の女性は、当主は、父が伯爵家当主、父の兄が侯爵家当主だから、と2人の男性に付き添われている。

「ご報告がありますの。」

「わたくしは、昨夜、アンドリュー様と一夜を共にしました。」
と女性。

しーん。
静まり返る大広間。

ボクの出番。

「一夜を共にって、具体的に、貴女は、どこで、誰と何をしたのかしら?」
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