フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

670.マッチポンプ。発見次第、保護せよ、と国中に通達を出したのは、誘拐事件の黒幕。誘拐した手下が、目的地へ届け損ねたせいよね？

予想通り、ボク達がいたのは、ハンティア王国だったの。
ハンティア王国の村落の近くの山からおりて、人里に出たところで、巡回中の騎士に保護されたの。

コーハ王国の近衛を発見次第、保護することになっていたそう。

ボク達が、ハンティア王国の国内にいるはずと確信していたのね、ハンティア王国は。

保護されてから、ボク達は、早くお家に帰りたい、としか話していない。

元々、手配していたんだと思う。保護された翌日、王都に護送されることになったの。

護送には、騎士が、交代で複数付き添うそう。
男女混合なの。

1グループは、女性2人男性2人の4人1組。

ボク達は、コーハ王国の女性騎士とは仲が良くて、お仕事で一緒になることもあるけれど、異性扱いをしてもらったことがない。

別働隊の隊員は、ボク達の比較対象外だから。

皆カッコいいからね。

参考にならないの。

他所の国の近衛は、男女で仕事をするとき、どうするのか、興味があったの。


観察結果。

どのグループも、男女仲良し、和気あいあい。

ボク達もコーハ王国の女性騎士と仲良し。

でも、ボク達とは何かが違う。

全部のグループを一通り観察して、実際に全員と接してみて、分かったの。

ボク達、コーハ王国の女性騎士達から、守らないと、と思われていそう。

一緒の担当で、男女の性差は考慮しながらも、分担していたの。

ボク達のことを振り返ってみる。

『遊んでいて。時間になったら、呼びにくるから。』

『危ないから、内側にいなさい。』

『おしとやかに待てて、偉いわ。』

異性として、というより、戦力外ね。

コーハ王国に帰ったら、相談するの。

『女性騎士に異性として信頼して、仕事を任される条件を教えて』
って。

カッコいい振る舞いを今から考えておくの。

別働隊のカッコいい観察メモを没収されなかったら、簡単だったの。

メモは、帰ったら、返してもらうの。