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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

669.お祈りして、ご利益があると、嬉しいよね?

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「産土神かな?」
とサブリー。

「ううん。神様ではないの。民間信仰の範囲。」

「「どちら様がおわすの?」」
とサブリーとユージュアル。

「神様は、神格を持っているの。」

「「うん。」」

「祠の主は、神格のない人外。」

「「人外かあ。」」
ほっとした2人。

人外の理屈もややこしいけれど、神様でないなら、まあいいか。

「カラカラナイトの7柱と関係あるのかな?」
とユージュアル。

早めに関係を断ち切りたい。

「こちらの主に聞いても分からないと思うの。」

「「え?」」

「質問に答える人外もいれば、答えない人外もいるの。」

「答えない方なんだ?」
てユージュアル。

「うん。民間信仰の場合、人と意思疎通しない人外が信仰対象だったりもする。」

「占い、おまじない、祈願、験担ぎ。」

「人の希望や欲望を実現したいという願いが民間信仰の起源。」

「民間信仰は、信仰によって生活を縛るのではなく、ご利益を求めるものが多いの。」

「人外ありきで信仰に発展する場合もあれば、信仰の対象物に人外が宿ったりして、後から人外が棲むこともあるの。」

「誰も棲んでいないけど、形がそれっぽいから、見立てて、拝んでいることもある。」

「こちらの人外と会話はしないの。」

「なんで?」
とサブリー。

「こちらの人外は、会話に関心がないの。」

「人の願い事を聞いて、興味がわいたら、人外の良しとする対価と引き換えに、対価の範囲の願い事を叶える人外なの。」

「対価を決めるのも、対価の範囲も、人外の裁量なの。人の意思は影響しないの。」

「だから、この祠の前で、願い事を口に出しては、ダメなの。」

ボクの説明を聞いて、サブリーとユージュアルは、危険性を理解してくれた。

良かったの。

「フィリスは、この人外の特性をどうやって理解した?」
とサブリー。

「ボクが考えていたら、勝手にボクから対価を取っていこうとしたの。ボクにしていいことじゃないから、罰に、ね。」

勝手に願い事の対価を決めて、対価分の願い事を叶えるの。

願い事が全部叶うことも、一部叶うこともある。

祠の前にきて、祠に向かって願い事を唱える。

地元民のご利益スポットになっていそう。

「こちらで、分かることはないから、出入り口から、外に出て、本国へ連絡するの。」

「「そうするかー。」」

ボクは、2人に説明する。
「祠周辺で、地元民と遭遇しちゃうより、外に出てから、発見されたいの。」

「転移陣を投げられて、転移陣で来ちゃいました、の場所が民間信仰の場所となると、この場所が無くなるかもしれないもの。」

「「無くさない。」」

ボク達は、来た道なので、安心して歩いている。

「最初の転移陣の影響は、まだある?」
とサブリー。

「あるとしたら、ここは、ハンティア王国だなあ。」
とユージュアル。

「相手の目論見からだいぶズレた場所だけど、ハンティア王国内の可能性は高いの。」

「この穴、もしくは、棲んでいる人外が、カラカラナイトの7柱のうちのどなたかと所縁の場所、もしくは存在。」

「ボク達が、ここにいる理由は、カラカラナイトの7柱の影響によるもの。」

「カラカラナイトの7柱とボク達の縁は、ボク達がこの穴に転移して切れた感じがする。」

「7柱は、ボク達の転移先に満足しているんだと思うの。」

「俺達は、ハンティア王国への復讐を掲げている神様が満足する転移先に来たのか。」
とユージュアル。

「因縁浅からぬどころじゃない場所だよな?」
とサブリー。

ボク達は、3人でため息をついた。

覚悟を決めて、穴の外へ。
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