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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
665.楽しんでもらえたのなら、接待した甲斐がある。え?接待で、勘違いさせた?素人が本気で取り組んでも、どうにもならない現実見せるとするか。
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顔面蒼白になって、地面に倒れたミハ王子を見て、元側近達は、ミハ王子に慌てて駆け寄った。
ミハ王子と男の会話を聞き取ることはできなかった。
ミハ王子から離れたのは。
ミハ王子が、側近の声を切り捨てたから。
心霊スポット巡りと除霊について、ミハ王子に面白おかしく話して聞かせたのは、側近達。
ミハ王子が、心霊スポット巡りと除霊を体験したいというので、級友に依頼してみるが、ミハ王子の名前を出すと、全員断られた。
ミハ王子が心霊スポット巡りと除霊体験を諦めようとしないので、側近達は、欠片も興味がわかなかったが、自分達でミハ王子を連れて行くことにした。
級友に、除霊の専門家の紹介を頼むも、ミハ王子関係だと全て断られる。
側近達が困っていると、法力で法具を使って除霊する集団の存在を知った。
試しに話を聞いてみたら、ミハ王子も楽しそうだったので、ミハ王子の気分転換にいくつか付き合う予定だった。
娯楽。趣味。気分転換。
ただの遊び。
ある日、ミハ王子が、本気で除霊に取り組むと言い始めたときには、からかわれていると思った。
でも、その日から、ミハ王子は、どんどん頑なになる。
冗談ではない、本気だと話しながら思い詰めるミハ王子。
側近達は、1度、現実を見せてみようと思った。
今まで、ミハ王子が楽しかったのは、なんちゃって除霊の心霊体験ツアーだったからだ。
接待として、用意されていたのだ。
学生がキャーキャー騒ぐのは、本気で除霊したり、怖い思いをしたいからではなく、皆で盛り上がりたいからだ。
誰も本気で霊を見て怖がろうとか、除霊しようなんて思っちゃいない。
級友達が、ミハ王子の接待を拒んだのも、軽いノリに、ガチ勢はお呼びじゃないから、という面もある。
『なんの訓練もしていない素人が悪霊祓いしたいなんて、優等生と呼ばれていたけど、本当のところ、頭が悪かったんだな。』
一刀両断。
『ミハ王子の頭の悪さが、今までバレなかったのは、周りが優秀だからなんだなー。』
『優秀な側近がいるから、下々も安心だ。』
学生達の会話の中で、ミハ王子の話題は、いつだって他人事だ。
目の前にいないから、知りようがない。
ミハ王子が公務で実績をあげようが、気にしない。
失敗しても、大変だったんだなーという感想だけ。
成人済みの王太子がいるんだから、2番目は、あくせくしなくてもいいじゃん。
ミハ王子が思い詰めるほど、同年代は深刻ではない。
ミハ王子は、城の中でも、同年代の親の世代や祖父母の世代としか、関わりがない。
親の世代や祖父母の世代は、優等生な王子だと仕事が楽だから、ミハ王子に優等生を求めている。
ミハ王子が優等生でなくなったのなら、その分、周りが支えればいい。
仕事に従事する親や祖父母の世代の考え方に囚われ、雁字搦めになって苦しまなくてもよい。
ミハ王子の側近達が、ミハ王子の評判が転げ落ちてからも、側にいたのは、支える気概があったから。
心霊スポット巡りと除霊体験を幾つも提案して、ミハ王子を満足させた法具を扱う男は、側近達にとっては、怪しさ満点。
そんなぽっと出の怪しい男の言いなりになっているミハ王子が、心配やら、情けないやら、頭にくるやら。
それもこれも、ミハ王子が元気に城に戻ってこそ。
側近達は、倒れたミハ王子を抱えて法具から遠ざけるが、ミハ王子の顔色は土気色になっていく。
「もし、今、王子の魔力を止めてしまえば、これまでの頑張りは水の泡ですよ?」
男の無慈悲な声。
「このままでは、命が危ないだろう。」
という側近の叫びにも男は動じない。
「中止のご依頼なら、受け付けますよ?」
と男。
「中止だ。」
「承りました。中止しましょう。」
男の声と共に魔力の吸い上げは終わった。
「魔力を吸い上げるなら、魔力枯渇になるだけだろう!何をした!」
側近が怒鳴る。
ミハ王子の手足は、依然、痙攣し続けていた。
「魔力がないなら、魔力になるまで他のもので補充しなければ。」
と男。
「いずれにしろ、早々に撤収にかかりませんと。話している時間は、ありますかね?」
ミハ王子の側近達は、男を睨むと急いで、王子を砦に運んでいく。
法具を片付ける男達には、御霊の戦士の叫びはBGMなのか、気にする素振りはない。
「荒野での反応は見た。」
「リネイとカラカラナイトが、キーワードだな。」
「次は、砦の中の反応を見なくては。」
「満杯にはならなかったが、砦の中に放出する分には足りるだろう。」
男達は法具を持って、砦に向かっていく。
御霊の戦士に襲われていた灰色の服の男は、微動だにしない。
「死霊に殺された場合、どうなるのかを観察するのは、後にするとしよう。」
「王子は、連れていったが、死霊に殺された方はどうでも良いとは、優先順位が、はっきりしているな。」
「身代わりにするときも、気にしていなかったから、気にする間柄ではなかったんだろう。」
「彼は、こんな辺鄙な場所まで、案内してくれたのになあ。」
ミハ王子と男の会話を聞き取ることはできなかった。
ミハ王子から離れたのは。
ミハ王子が、側近の声を切り捨てたから。
心霊スポット巡りと除霊について、ミハ王子に面白おかしく話して聞かせたのは、側近達。
ミハ王子が、心霊スポット巡りと除霊を体験したいというので、級友に依頼してみるが、ミハ王子の名前を出すと、全員断られた。
ミハ王子が心霊スポット巡りと除霊体験を諦めようとしないので、側近達は、欠片も興味がわかなかったが、自分達でミハ王子を連れて行くことにした。
級友に、除霊の専門家の紹介を頼むも、ミハ王子関係だと全て断られる。
側近達が困っていると、法力で法具を使って除霊する集団の存在を知った。
試しに話を聞いてみたら、ミハ王子も楽しそうだったので、ミハ王子の気分転換にいくつか付き合う予定だった。
娯楽。趣味。気分転換。
ただの遊び。
ある日、ミハ王子が、本気で除霊に取り組むと言い始めたときには、からかわれていると思った。
でも、その日から、ミハ王子は、どんどん頑なになる。
冗談ではない、本気だと話しながら思い詰めるミハ王子。
側近達は、1度、現実を見せてみようと思った。
今まで、ミハ王子が楽しかったのは、なんちゃって除霊の心霊体験ツアーだったからだ。
接待として、用意されていたのだ。
学生がキャーキャー騒ぐのは、本気で除霊したり、怖い思いをしたいからではなく、皆で盛り上がりたいからだ。
誰も本気で霊を見て怖がろうとか、除霊しようなんて思っちゃいない。
級友達が、ミハ王子の接待を拒んだのも、軽いノリに、ガチ勢はお呼びじゃないから、という面もある。
『なんの訓練もしていない素人が悪霊祓いしたいなんて、優等生と呼ばれていたけど、本当のところ、頭が悪かったんだな。』
一刀両断。
『ミハ王子の頭の悪さが、今までバレなかったのは、周りが優秀だからなんだなー。』
『優秀な側近がいるから、下々も安心だ。』
学生達の会話の中で、ミハ王子の話題は、いつだって他人事だ。
目の前にいないから、知りようがない。
ミハ王子が公務で実績をあげようが、気にしない。
失敗しても、大変だったんだなーという感想だけ。
成人済みの王太子がいるんだから、2番目は、あくせくしなくてもいいじゃん。
ミハ王子が思い詰めるほど、同年代は深刻ではない。
ミハ王子は、城の中でも、同年代の親の世代や祖父母の世代としか、関わりがない。
親の世代や祖父母の世代は、優等生な王子だと仕事が楽だから、ミハ王子に優等生を求めている。
ミハ王子が優等生でなくなったのなら、その分、周りが支えればいい。
仕事に従事する親や祖父母の世代の考え方に囚われ、雁字搦めになって苦しまなくてもよい。
ミハ王子の側近達が、ミハ王子の評判が転げ落ちてからも、側にいたのは、支える気概があったから。
心霊スポット巡りと除霊体験を幾つも提案して、ミハ王子を満足させた法具を扱う男は、側近達にとっては、怪しさ満点。
そんなぽっと出の怪しい男の言いなりになっているミハ王子が、心配やら、情けないやら、頭にくるやら。
それもこれも、ミハ王子が元気に城に戻ってこそ。
側近達は、倒れたミハ王子を抱えて法具から遠ざけるが、ミハ王子の顔色は土気色になっていく。
「もし、今、王子の魔力を止めてしまえば、これまでの頑張りは水の泡ですよ?」
男の無慈悲な声。
「このままでは、命が危ないだろう。」
という側近の叫びにも男は動じない。
「中止のご依頼なら、受け付けますよ?」
と男。
「中止だ。」
「承りました。中止しましょう。」
男の声と共に魔力の吸い上げは終わった。
「魔力を吸い上げるなら、魔力枯渇になるだけだろう!何をした!」
側近が怒鳴る。
ミハ王子の手足は、依然、痙攣し続けていた。
「魔力がないなら、魔力になるまで他のもので補充しなければ。」
と男。
「いずれにしろ、早々に撤収にかかりませんと。話している時間は、ありますかね?」
ミハ王子の側近達は、男を睨むと急いで、王子を砦に運んでいく。
法具を片付ける男達には、御霊の戦士の叫びはBGMなのか、気にする素振りはない。
「荒野での反応は見た。」
「リネイとカラカラナイトが、キーワードだな。」
「次は、砦の中の反応を見なくては。」
「満杯にはならなかったが、砦の中に放出する分には足りるだろう。」
男達は法具を持って、砦に向かっていく。
御霊の戦士に襲われていた灰色の服の男は、微動だにしない。
「死霊に殺された場合、どうなるのかを観察するのは、後にするとしよう。」
「王子は、連れていったが、死霊に殺された方はどうでも良いとは、優先順位が、はっきりしているな。」
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